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塗装業界の今後はどうなる? 業界の需要や将来性をご紹介

塗装業界の今後はどうなる?業界の需要や将来性を紹介

働き方やキャリア 転職 職人・一人親方

新型コロナウィルスの影響でさまざまな業界がダメージを受けている中、塗装業界は今後どうなるのか不安な人も多いのではないでしょうか。

塗装業界はAIやドローン技術の進歩、環境に合わせた塗料の登場など塗装業界も大きな変化を見せています。

本記事では、塗装業界の現状や今後の動向をまとめ、塗装業界で稼いでいくためには何が必要なのかを解説します。

塗装業界の現状を把握しつつ今後の可能性を加味した上で、ご自身のビジネスに活かしていきましょう。

この記事の監修者
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山中 健太キャリアコンサルタント
コンサルティング会社にて建設会社の成長戦略型提案業務を経験。「ビジネス会計検定1級」を保有しており、採用責任者や経営者など企業側の目線を最も理解したキャリアサポート、就職支援を得意とする。

塗装業界とは?


塗装業界は大きく「外壁塗装」と「板金塗装」に分かれます。外壁塗装とは、建築物の外壁や屋根などに塗装を施すことです。新築物件への施工やリフォームの一部として活用される場合が多いです。

建物へ塗装は老朽化した見た目を新しくする目的だけではなく、建物へのメンテナンス工事を行う目的も含まれます。建築物の耐久性の向上や防水加工、室内の温度調節などの目的に合わせた素材が使用されます。

板金塗装とは、板金と塗装の2つの作業からなる修理方法です。主に車の傷や凹みの修復を目的として行われます。

板金の工程とは、車の凹んだ部分を叩きながら伸ばしたり、傷付いた部分の塗装を剥がすなどの作業が含まれます。その後、板金で修復を行った箇所へ塗料を塗ります。塗装もただ単に塗料を塗るだけではなく、パテで下地を整える作業や塗料を調色するなど複数の工程に分かれます。

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塗装業界の市場規模や現状

塗装業界の市場規模や現状について説明していきます。塗装業界における今後の動向を把握するためにも以下の3つの状況を抑えておきましょう。

  1. 塗装業界の市場は拡大傾向
  2. 塗装業界へ大手企業の参入が増加
  3. 職人レベルの低下

1.塗装業界の市場は拡大傾向

株式会社矢野経済研究所の調査によると、2020年のリフォーム業界の市場規模は約6.5兆円と推計されています。なかでも建築塗装に該当する「設備修繕・維持管理費」は2019年と比較して0.3%増加したと報告されています。

この調査は2011年から行われており、10年間で市場規模が6.2兆円から6.9兆円の間でグラフが動いているとのことです。

建築塗装や板金塗装ともに人々の生活に関わる仕事であるため、市場規模は今後も安定して成長すると推測されます。

2.塗装業界へ大手企業の参入が増加

リフォーム業界の市場が緩やかに拡大し安定した需要があることから、塗装業界へ参入を行う企業が増加しています。

塗装業界への企業は資格が必要ではなく、工具を揃えるだけで開業ができます。他の業種と比べて参入障壁が低い業界であるため、国内大手企業も塗装業界へ参入を行う現状です。

今後も塗装業界への参入が多く見込まれるため、塗装業界の競争が激化する可能性も十分あります。塗装業界で活躍を行うためには、職人の技術を向上させ、優秀な人材の定着が必要です。

3.職人の技術レベルが低下

塗装業界の市場が緩やかに拡大している反面、職人の技術レベルが低下しています。理由として「現場経験の少なさ」と「人材不足」の2点が考えられます。

IT技術の発展により業務のマニュアル化が行われ、従来と比べて職人を目指す人が自ら学ぶ機会が減少しました。

一般的に塗装職人として一人前になるためには、10年から15年ほどの経験が必要と言われます。多くの現場を経験して得た予算管理能力や塗装技術はマニュアルでは再現できない恐れがあります。

また、職人を目指す人材の不足により技術の継承が難しいことから後継者の育成が課題となっています。塗装業界でも高齢化が進み、若者の応募が少ない現状があります。職場の年齢も比較的高いため、若い職人がなかなか溶け込めず辞めてしまう事例も多いです。

若い人材の育成を行い優秀な職人を輩出しなければ技術レベルが低下していく一方のため、各現場では若い人材の採用と教育が求められます。

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塗装業界の今後はどうなる?

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塗装業界の市場規模と現状の問題について解説してきました。これまでの内容を踏まえ、塗装業界が今後どのように変化をしていくのかを解説します。

緩やかに市場規模が拡大する業界だからこそ、今後も需要のある業界なのかと不安な人も多いのではないでしょうか。

解説をする内容をもとにご自身の今後のキャリアプランを考えるきっかけにしてみてください。

リフォーム需要は今後もなくならない

新築物件の需要が減ってきている日本ですが、空き家の増加に伴いリフォームやリノベーションを行う需要は今後も拡大すると予想されます。

少子高齢化の影響により都市部以外では、人口の減少が深刻化し空き家が増えてきました。空き家の解体には多額の費用が発生するため、行政が主体となり空き家をリフォームして売りに出す動きが見られます。

外装への塗装は古い見た目を新しく見せることが出来るため、リフォームの需要が高まり続ける限りなくなりません。

しかし、板金塗装の市場は縮小していく恐れがあります。自動車の販売台数が減少するといった背景もありますが、自動車による事故数が減少したことが大きな要因として挙げられます。

「ブレーキアシスト」や「踏み間違い防止装置」の台頭により、車の衝突事故数が減少してきました。自動運転への需要も高まりつつあるため、板金塗装業界は今後縮小していく恐れが考えられます。

環境に対応した塗料が展開される

SDGs(持続可能な開発目標)への関心が高まったことで、住宅塗装にも環境に優しい塗料が使われるようになりました。

例えば、溶剤系塗料はシックハウス症候群や光化学スモッグの原因になるという理由から現場での使用機会が減ってきています。また、新型コロナウィルス禍での社会情勢を踏まえ抗ウィルス作用を含む塗料も開発されてきました。

塗装業界でも時代の変化や顧客ニーズに合わせた塗料の登場が見られるため、新規で参入を行う場合や既に塗装業界で働かれる人はニーズへの対応が求められます。

人材不足が加速する

塗装業界での人材不足問題が今後さらに加速すると予想されます。技術の継承者が減ることで業界全体のレベルが低下してしまう恐れがあるため、早急な改善が必要になります。

昔から塗装業界では3Kと呼ばれる「きつい」「汚い」「危険」のイメージが強く持たれていました。最近ではさらに「給料が安い」「休日が少ない」「カッコ悪い」の項目が加わり6Kと呼ばれるようになってしまいました。

人材不足を解消する上でも業界自体の根本的なイメージ改革を行い、既存で働いている人の労働環境の改善が求められます。

塗装業界は儲かるの?職人の給料事情を紹介

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塗装業界は人材の採用が課題と言われていますが、実際に塗装業界で働く人の給料事情はどうなのでしょうか。実際の職人の給料事情を解説します。

ご自身の給料事情と比較をしながら今後の職業選択に活かしてみてください。

平均年収は他の業種と比べて高い?

塗装業界で働く人には技術力と専門的な知識が求められるため、建築や工場系の現場で働く人と比べると年収の相場が高い傾向があります。

塗装工の年収は都心部で約439万円、地方では約300万円程度です。月給に換算すると約25万円から35万円ほどになります。経験を積んだ塗装屋であればさらに年収は高く、年収500万円以上を稼ぐ人も中にはいます。

他の建築系や工業系の仕事と比較すると高い給与水準となっています。しかし、体力的に負担が多い仕事であるにも関わらず、年収が低いという声も見られます。

請負で仕事ができれば儲かる

塗装屋として働く人の中にも年収が1000万円を超える人もいます。下請けと元請けのどちらで仕事を引き受けるかにより、同じ仕事内容でも年収に差が出てしまいます。

下請けの場合、仕事を仲介してくれた会社に仲介手数料というものが発生してしますため通常の報酬よりも低い金額になってしまいます。

元請けで仕事を引き受けることができれば、報酬が中抜きされることないため利益を多く残せます。

塗装屋として独立するのであれば、なおさら元請け仕事を引き受けるようにしましょう。

また、独立をしていても自分一人だけの稼ぎであれば年収に限界が出てしまいます。さらに年収を上げたい人は会社の規模を拡大する必要があります。従業員を雇用して、一緒に働いてくれる職人を集められると受けられる案件数も増えるため稼ぎやすいです。

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塗装業界への転職に役立つ資格3選

今後も需要が見込まれる塗装業界に参入をして年収を上げていきたいと考える人や、塗装屋として独立をしたい人にとって取得しておきたい資格は3つあります。

塗装屋は資格がなくても就職や開業ができる特徴のある仕事ではありますが、資格を取得しておくことで得られるメリットもあります。

各資格を取得するとどのようなことが出来るのかを詳しく解説していきます。

塗装技能士

塗装技能士は、塗装技能士検定の合格者を指します。1級から3級までに分かれ、受験には実務経験が必要になります。1級では7年以上、2級では2年以上の実務経験が必要になるため、受験をする予定の人は気をつけておきましょう。

一定の知識や技術を持つ職人であることを対外的に示すため、塗装技能士の試験を受験される人の多い試験になります。

塗装技能士の資格がなくても塗装の仕事は行えますが、資格を習得していることで自身の技術に対して信頼が得られるようになります。

特に塗装屋として独立を予定している人は、営業をしていく上で資格を取得しておくことをおすすめします。

建設業許可(塗装工事業)

建設業許可は法人を対象とした資格で、500万円以上の工事を請け負う場合に許可を受けることが義務付けられています。

一般的な住宅の塗装工事であれば請負金額が500万円を超えることが少ないため、建設業許可は必要ありません。

しかし、建設業許可の取得には「実務経験が10年以上もしくは有資格者の職人を配置している」ことや「自己資本が500万円以上」などの厳しい条件を満たしていなければいけません。

建設業許可の取得が難しい分、取得をしている会社に対しての信頼度は高くなります。今後の会社としての方向性や取得が可能かどうかで建設業許可を取得するべきかを考えてみましょう。

溶接技能士

溶接技能士は国家資格であり、板金塗装を行う人におすすめの資格です。溶接技能士にはいくつか種類があり「アーク溶接作業者」「ガス溶接技能者」「アルミニウム溶接作業者」「ボイラー溶接士」などに分かれます。

なかでも「アーク溶接作業者」と「ガス溶接技能者は板金作業において優先的に取得をしたい資格になります。

アーク溶接作業者の資格を取得するとアーク溶接や自動溶接などの溶接に関わる作業が出来るようになります。また、ガス溶接作業者を取得すると可燃性ガスや酸素混合ガスを用いる溶接などが出来るようになります。

アーク溶接作業者を取得すると、手アーク溶接(被覆アーク溶接・ガスシールドアーク溶接など)、半自動アーク溶接、自動溶接ができるようになります。

素材の加工や穴埋め作業などで溶接を行う機会は多くなります。資格を取得しておくことでご自身のできる作業の幅が広がり、多くの経験を積むことが出来ます。

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塗装業界に今後求められるものとは?

塗装業界では今後どのような動きが求められるのかを解説します。既に塗装業界で働いている人やこれから塗装業界に参入を考えている人は特に意識するようにしましょう。

情報発信力

チラシなどの紙媒体から注文を受けるだけではなく、最近ではインターネットからでも塗装の仕事を引き受けるようにもなりました。

インターネットの需要は今後も拡大するため、発注者の多くがチラシなどの紙媒体よりもインターネットを使用して注文を行うことが考えられます。

自社の集客力を高めるため、自社のWEBサイトを作成するなどのインターネット上での情報発信が必要になります。

技術の継承

人材不足問題の解消のためには、質の高い職人の定着が求められます。IT技術の発展によりマニュアル化された仕事が多くなりつつありますが、現場での経験などはIT技術ではカバーできません。

また、塗装業界でも高齢化が進んでいるため若い人材の定着も必要になります。年齢が高めの職場であれば特に若い人材の教育に力を入れるようにしましょう。資格の取得を促すのも本人のやる気を底上げする上では必要になります。

教育もただ経験を積ませるだけではなく、見習いの職人が自ら考えて行動をするよう促してあげましょう。

人材の採用

将来的に活用をする人材の採用が企業にとって重要になります。採用をした人材は自社の即戦力にならなくても、将来的には会社を支える重要な人材になります。

働きやすい環境の整備や見習い職人への教育体制を整えることから始め、積極的に人材の採用を行うことが必要です。

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塗装業界で稼いでいくために必要な3つの方法


緩やかに市場規模が拡大している塗装業界で稼ぐために必要な方法を3つ解説します。

体力的に負担のかかる仕事が多い業界であるため、解説をした内容を踏まえながら効率的に稼いでいきましょう。

1.資格を取得する

塗装会社に就職をする人であれば基本給以外にも取得した資格に応じて給料が上がる場合があります。また、塗装技能士などの実務経験に応じた資格であれば、取得しておくことで自身の技術の担保にも繋がるため信頼が得られやすいです。

塗装業界では、出来る限り多くの経験を積みながら技術を向上させる必要があるため、経験を積む機会を増やすためにも塗装に関わる資格は取得しておくと良いでしょう。

2.施工実績を積む

資格を取得しただけでは技術の成長に繋がりません。実務経験が出来る環境が整えば、あとは施工実績を積むようにしていきましょう。

個人で独立をしたい人は特に施工実績が重要になります。施工実績が10件以上ある人は施工実績集を作成しておくと紹介で仕事がもらいやすくなります。

3.技術力を磨く

とにかく技術力を上げることを意識しましょう。塗装を行う人材が減少傾向にはありますが、今後職人の需要が低くなってしまうと技術力が高い職人が自然と選ばれるようになります。

一人前の職人になるためには10年から15年ほどの期間が必要と言われます。学歴が重視されない業界であるからこそ、技術力を磨き、選んでもらえるような職人を目指しましょう。

塗装技能士などの資格の取得を目指し、施工実績を積むことで技術力の向上に繋がります。しかし、働く環境によっては職人の育成に力をあまり入れてない場合もあります。ご自身の置かれている状況を改めて考え、スキルアップが見込める職場なのかもこの機会に考えてみてはいかがでしょうか。

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まとめ

新型コロナウィルスの影響でさまざまな業界が縮小傾向にあるなか、塗装業界の市場規模は緩やかに拡大傾向にあります。環境に合わせた塗料の登場や技術の進化によるマニュアル化など塗装業界も時代にあって変化しています。

しかし、職人が不足傾向にあることから技術の継承も難しい現状があります。塗装業界で稼いでいくためには、自分自身のスキルアップだけではなく、施工実績を積むなどの現場経験を増やす必要があります。

実績を築いた人の中には、独立をして年収1000万円以上を稼ぐ人もいます。これから塗装業界に挑戦しようと考えている人や既に塗装業界で働かれている人は、自身の技術を向上させるために「資格の取得」や「施工実績を積む」ことを意識していきましょう。

この記事の監修者
agent-yamanaka2
山中 健太キャリアコンサルタント
コンサルティング会社にて建設会社の成長戦略型提案業務を経験。「ビジネス会計検定1級」を保有しており、採用責任者や経営者など企業側の目線を最も理解したキャリアサポート、就職支援を得意とする。

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