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一人親方になるには?事前準備や独立に必要な手続き、注意点を解説

一人親方として独立し、高収入かつ自由な働き方をしたい。そんなことを考えつつも、さまざまな不安から一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、一人親方になる方法や注意点、また税金にかかわる新制度についてもわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

一人親方の定義とは

一般的に、一人親方とは「建設業などで自分と家族だけで事業を行なう事業主」とされています。家族以外に労働者を雇用した場合にも、条件を満たせば一人親方として認められますが、その特徴として、

  • 個人として、請負/常用での事業を行なっている(会社との雇用関係にない)
  • 個人として、グループの仕事に参画している(相互の雇用関係にない)
  • 個人として、親方(師匠)のもとで技術を習得している(師弟での雇用関係にない)

と、個人事業主であることがポイントとなっています。

一人親方になるメリット

一人親方になると、独立する前と比べて様々なメリットがあります。まずは一人親方になるメリットを簡単におさらいしましょう。

メリット1:仕事のスケジュール調整が可能

一人親方になると、自分の仕事量を自分自身で調整することが可能となります。「収入UPを目指して仕事量を増やしたい」、「家族との時間を作るために仕事量を減らしたい」、そんな時々の要望に対して柔軟に対応することができます。

メリット2:案件の価格交渉が可能

会社の従業員であれば労働単価が定められていますが、一人親方であれば単価交渉が可能となります。事実、一日当り約7,000円高い場合もあり、社会保険料を考慮しても、十分に高収入を目指すことができます。

メリット3:請負・常用を自身で選べる

建設業務を外部委託する場合、請負か常用の契約形態があり、一人親方であれば交渉に応じてどちらの契約形態かを選択することができます。

  • 請負:業務範囲を完遂した際に代金を受領できる契約
  • 常用:業務範囲の作業に対し、一定の時間で作業を実施し代金を受領できる契約

請負は人件費、材料費、運搬費などをすべて含めた金額のため高額の利益になりますが、一方で不具合などは請負側に責任義務があります。また、常用では材料費・運搬費は発注元が負担するため少額の利益になりますが、一方で未払いリスクを回避することができます。

仕事量や利益率、契約相手の状況に応じて適切な選択をするといいでしょう。

一人親方になる際に必要な5つの手続き

上述のとおり、一人親方は個人事業主となります。そのため一人親方になるには、注意すべき点や押さえるべきポイントがいくつか存在します。具体的に一人親方になる際に必要な手続きは以下の5つです。

  • 1.開業届と口座開設
  • 2.所得税の青色申告承認申請
  • 3.青色事業専従者給与に関する届
  • 4.源泉所得税の納期における特例の承認届
  • 5.建設業許可申請

それぞれ詳しく解説していきます。

1.開業届と口座開設

所轄税務署に「開業届」を提出する必要があります。提出期限は原則として、事業開始日から1ヶ月以内の提出となります。これにより、社会的に独立した一人親方となり、様々なメリットを得ることができます。

たとえば「屋号名での講座開設」です。個人用口座と事業用口座(屋号名での口座)を分けることにより、以下のメリットが得られます。

  • 事業での現金フローが明確になり、現金管理を効率化できる
  • 顧客 (請負もと)への信頼感が上がる
  • 個人用と事業用の現金を明確に分けられる

このように開業届の提出によりさまざまな利点メリットがあります。一人親方になる際には「開業届」の提出、「事業用口座(屋号の口座)」の開設を、まとめて行ないましょう。

2.所得税の青色申告承認申請

所轄税務署に「青色申告」を承認申請しましょう。申請期限は原則として、申告したい年の3月15日まで(1月16日以降の場合は開業日から2ヵ月以内)の提出となります。

青色申告とは「複式簿記にもとづき取引を帳簿に記録し、所得税を計算し申告する」ことですが、これにより以下のメリットがあります。

  • 最大65万円の所得金額控除が受けられる
  • 青色事業専従者(青色申告者の家族)の給与を必要経費とすることができる
  • 赤字分を3年間繰越し、所得と相殺することができる
  • 減価償却資産(30万円未満)を経費とすることができる

このように節税対策につながるため、一人親方になる際には「青色申告」を行ないましょう。

3.青色事業専従者給与に関する届

所轄税務署長に「青色事業専従者給与に関する届」を提出しましょう。原則として、青色事業専従者給与額を経費算入しようとする年の3月15日までの提出となります。

これにより、15歳以上の家族への給与を必要経費として計上できるようになるため、節税対策になります。給与を出さずに配偶者控除を受けるということも可能なので、節税効果が高いものを選択しましょう。

4.源泉所得税の納期における特例の承認届

所轄税務署に「源泉所得税の納期における特例の承認届」を提出しましょう。期限は特にありませんが、常時雇用者が10人未満であることが対象条件となっています。

これにより、雇用者の所得税計算を月ごとから、年2回とすることができます。事務処理の作業時間、コストの大幅削減につながるので、積極的に活用しましょう。

5.建設業許可申請

条件を満たすことで、一人親方でも建設業許可を取得することが可能です。これにより請負金額500万円以上の事業を請負うことができるようになります。

また社会的信用度が向上するため、業務依頼を受けやすくなります。主な条件は以下の通りです。

  • 1.建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有していること
  • 2.専任技術者の要件を満たすこと
  • 3.誠実性があること
  • 4.財産に関する要件を満たすこと
    (詳しくは国土交通省のホームページをご覧ください)

法人として建設業許可を取得する場合に比べて、個人で取得する場合には手続きの内容が簡単になります。建設業許可を取得して同業他社との差別化を目指しましょう。

一人親方になる前にやっていたほうがいいこと

一人親方になり立ての際は、社会的に安定した収入を得られない可能性もあるため、独立する前に準備しておくべきことがいくつかあります。一人親方になる前に行なうべき手続きは主に次の4つです。

  • 1.初期費用の資金調達
  • 2.作業車に関するローン契約
  • 3.クレジットカードの作成
  • 4.人脈作り

それぞれ詳しく解説していきます。

初期費用となる資金を調達しておく

銀行などでの「資金の借入れ」を事前に行ないましょう。一人親方として資金調達をする場合、不安定な収入では審査に落ちてしまったり、高額の借入れができない場合があります。

現在、従業員として働いているなど収入が安定している場合は、事前に資金調達を行なうことをおすすめします。

作業車の購入に関するローン契約を済ませておく

事業で特に重要な「作業用車両のローン契約」を結んでおきましょう。資金調達の場合と同様に、ローンの審査でも安定した収入(社会的信用)が重要となります。

そのため一人親方としてローンを組む場合には、審査に落ちてしまったり、高金利での契約しか結べないなど、事業に支障が出る問題になりかねません。特に重要な作業用車両に関しては、事前にローンを組んでおくといいでしょう。

クレジットカードを作成しておく

クレジットカードを事前に作成しておきましょう。事業を行なう上では、現金決済ではなく「インターネット決済」の場合が多くあります。

クレジットカードの審査においても安定した収入が重要になるので、事前にクレジットカードを作成しておくといいでしょう。

仕事を受けるための元請業者・下請業者との人脈を作っておく

一人親方として収益を安定させるには、人脈形成が重要となります。独立後も仕事の依頼を貰うためには、元請業者との信頼関係構築や、下請業者(同業者)とのグループ作業・情報共有など協業の関係構築が欠かせません。

そのために人脈は必要不可欠と言えます。独立する以前から、業務において誠心誠意、取り組む姿勢が非常に重要です。

一人親方になった後にするべきこと

ここまで一人親方になるための必要手続き、事前に準備しておくべきことを解説してきましたが、一人親方になった後にもやるべきことがあります。具体的には以下の5つです。

  • 1.確定申告
  • 2.社会人保険・共済への加入
  • 3.労災保険特別加入
  • 4.民間保険加入
  • 5.会計ソフトの導入

それぞれ詳細を見ていきましょう。

1.確定申告

所轄税務署に対し、1年間分の所得税等を計算し確定申告する必要があります。原則、2月16日〜3月15日の間に1年分の所得を申告します。従業員(会社員)であれば給料から天引きされますが、一人親方は事業主として扱われるため、自身で申告書を作成し提出する必要があります。

上述の青色申告での確定申告を行なうことにより所得控除が受けられるため、積極的に利用しましょう。

2.社会保険・共済加入

まず国民健康保険に関して、一人親方は建設業の「国保組合」か、市区町村の「国民健康保険」のどちらか一方に加入できます。建設業の国保組合では傷病手当金(ケガや病気の際の支給金)などサポートが手厚い場合が多く、まずは建設業の国保組合への加入を検討しましょう。

また年金に関して、一人親方は国民年金(基礎年金)に加入し、第1号被保険者となります。そのため会社員(第2号被保険者)が加入できる厚生年金に比べ、老後の年金受給額は少なくなります。

そこで付加年金を活用しましょう。付加年金とは第1号被保険者のみに適応される制度で、月額400円を国民年金に上乗せすることで年金受給額を増やすことができます。

また国民年金基金(掛金限度は月6万8,000円で全額所得控除)を利用することでも年金受給額を増やすことができます。ただし、付加年金と国民年金基金の併用はできません。

退職金に関して、一人親方は事業主なので退職金はありませんが、小規模企業共済を利用して退職金を積立てることが可能です。さらに小規模企業等掛金控除が適応されるので、全額を所得控除とすることができます。

節税対策としても重要な制度なので、抑えておくといいでしょう。

3.労災保険特別加入

一人親方(個人事業主)には、労災保険への特別加入制度があります。業務中、通院途中での事故に対し労災保険が適応されるようになるため、事故リスクが高い建設業では加入しておくといいでしょう。

4.民間保険加入

これら保険制度の範囲外については、民間保険への加入が重要となります。一人親方の場合、特に「賠償責任保険」と「収入保証保険」がおすすめとなります。

  • 賠償責任保険:第三者への賠償責任を負った際、 賠償金の支払い費用を補填する保険
  • 収入保証保険:契約者死亡の際、遺族に一定期間、一定額が支払われる保険

収入保障保険は毎月、払込みを受けられるため、万が一の場合にも家族を守ることができます。難しい知識も多いので、必要な場合には社労士など専門家に相談しましょう。

5.会計ソフトの導入

お金の管理については、会計ソフトを活用しましょう。現在では月額利用(サブスクリプション)の会計ソフトが多く、安価でかつ初心者も利用しやすいソフトが増えてきています。

簿記の知識がなくても帳簿づけや確定申告を効率化できるので、「お金の管理に自信がない」「会計の時間も人手も足りない」といった方におすすめです。

一人親方になるなら知っておくべきインボイス制度とは?

2023年10月1日より、インボイス制度が導入されます。消費税に関する変更のため一人親方に大きな影響がある制度なので、ぜひポイントを抑えておいてください。

インボイス制度とは?

インボイス制度は別名「適格請求書等保存方式」と呼ばれ、消費税が複数税率になったことにより制度化された、仕入税額控除に関する新制度です。たとえば現在の消費税率は10%(標準税率)ですが、飲食物や新聞などには8%の軽減税率が課されています。

このように複数の税率が適用されているため(複数税率)、売り手と書い手の間で商品の税率を共有する必要があります。そのため、適格請求書(インボイス)を利用し消費税を計算する、というのが主なインボイス制度の概要です。

インボイス制度による一人親方(個人事業主など)への影響は?

これに伴い、「仕入税額控除」に影響が生じます。つまり今までの「仕入税額控除」の適用要件に、このインボイス制度が加えられることとなりました。
※適格請求書を発行できない事業者との取引では「仕入税額控除」ができない

しかしこの適格請求書の発行ですが、年収1,000万円以上の課税事業者に限られています。つまり年収1,000万円未満の免税事業者(ここでは一人親方)との取引では、元請側は仕入額控除を受けられないため、従来と比べコストがかさむことになります。
※免税事業者は適格請求書を発行できない

これにより、免税事業者(一人親方)としては、

  • 課税事業者が優先され、仕事の依頼が減少する
  • コスト削減のため、無理な値下げ交渉をされる

といった悪影響が生じる可能性があります。

一人親方はどうすればいいのか?

年収1,000万円以下の免税事業者でも課税をすることで、適格請求書を発行することが可能になります。その流れは以下の通りです。

  • 1.「適格請求書発行事業者」の登録申請を行なう
  • 2.「消費税課税事業者選択届出書」を提出する

2023年からインボイス制度を利用するためには、2023年3月31日までに「適格請求書発行事業者」の登録申請が必要となります。申請先は所轄のインボイス登録センターです。

早めの提出が望ましいですが、困難な事情がある場合には2023年9月30日の申請で2023年10月1日から登録を受けることができます。提出先は所轄税務署長です。

このように課税事業者となることで、インボイス制度を適用することができます。免税事業者と課税事業者では会計が異なるため、会計ソフトも活用するといいでしょう。

一人親方になる際の注意点やデメリットとは?

ここまで一人親方になることのメリットや、具体的な手順を解説してきましたが、一人親方になると事業者特有の困難も存在します。簡単にまとめると、以下の通りです。

  • 社会的信用が低い
  • 収入が安定しにくい
  • 事務手続きを自分で行なう必要がある

ただしこれらのデメリットは、ここまでのポイントを抑えることで対策が可能です。しっかりと準備をして、不測の事態に備えましょう。詳しくはこの記事を参考にしてみてください。

一人親方が仕事や収入を安定させるには?

上述の通り、一人親方として独立直後はどうしても収入が安定しにくいです。人脈がなければ、十分な収入を得るのは困難でしょう。

そこでエージェントサイトやハローワークを活用するというのも一つの手段になります。
弊社でも「ビーバーズフリーランス」として仲介を行なっています。一人親方を探している企業とのマッチングや、就業までのサポートも行なっているため、まずは気軽にご相談ください。

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まとめ

個人事業主である一人親方は、資金調達、税金、保険と、お金に関する煩雑な処理を自分自身で行なわなければなりません。それだけでなく、人間関係の構築、資材の調達、仕事の情報収集など考えなければならないことが山積みです。

「自由な働き方をしたくて一人親方になったのに」「収入を上げたかったのに事務処理で働く時間がない」「一人親方になったけど仕事の依頼が全然来ない」そんなことにならないために、手続きなど事前準備を済ませておき、会計ソフトやエージェントサイトなどのツールを活用しつつ業務を遂行していきましょう。
ぜひ他の記事も参考にしてみてください。

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