建設業の働き方改革は無理といわれる原因を解説|今すぐできる対策や転職を考えるべき人の特徴を紹介
建設 働き方やキャリア 転職建設業の働き方改革は、2024年4月に実施される36協定の導入に向けて着実に進められています。
ただ、会社によって働き方改革に対する取り組みのスピードが異なり、特に中小企業と大企業の間で大きな差が生まれています。
「建設業の働き方改革は無理」という声も聞こえますが、なぜ無理といわれるのでしょうか。
今回は、「建設業の働き方改革は無理」といわれる理由や今から始めるべき働き方改革の取り組み、建設業で働く人の将来性を解説します。
建設業で働く人で、自社の働き方改革の進まなさにモヤモヤしている人や、働き方改革にむけて何か行動したいと考えている人はぜひ参考にしてください。
建設業で働き方改革の実施は無理といわれる5つの理由
「建設業で働き方改革は無理」といわれる背景には、以下の現状があります。
- 人材不足が深刻化しているから
- 週休2日は工期が伸びてコストがかかるから
- 工事現場の仕事だけでなくデスクワークがあるから
- 予算の関係でDX化を進められない会社が多いから
- 元請け会社の状況で残業を強いられるから
それぞれ詳しく見ていきましょう。
人材不足が深刻化しているから
建設業は他産業と比較しても人材不足が深刻です。
引用:[建設産業の現状と課題]
データを見ると、平成22年度から建設需要が再び高まっているのに反して就業者数は減少傾向です。
さらに、建設業では優秀な技術者や経験豊富な作業員の不足が深刻です。
施工管理や現場監督など工事の進行に重要な役割を果たす人材が不足することで、施工管理一人当たりの仕事量が膨大になり、残業時間が増えてしまう現状があります。
働き方改革を進めようにも、人が足りないギリギリの状況で仕事を回していることから、新たな取り組みの時間が取れず、働き方改革は無理と考える人がいるのでしょう。
週休2日は工期が伸びてコストがかかるから
働き方改革の取り組みとして、週休2日制を推進していますが、公共工事と民間工事で導入率が異なります。
引用:[時短アンケート2021]
データを見ると、2019年と比較すると週休2日を実施できている工事現場の数が増加していることが分かります。
引用:[時短アンケート2021]
一方で、発注者別のデータを比較すると、国土交通省が発注する公共工事での週休2日制の導入率は65.1%、デベロッパーが発注する民間工事は8.5%です。
公共工事と民間工事の週休2日制の導入率には、50%以上の差があることが分かります。
公共と民間工事で差が出る理由としては、週休2日制を踏まえた工期設定をすればその分コストが上がるリスクがあるからです。
小規模の工事であれば、短期間で工事を終わらせた方が人件費をかけずに済むうえ、次の仕事をすぐに始められるメリットがあります。
上記のような発注者の思惑によって短い工期を指定する場合もあるため、工期どおりに工事を進めるには週休を無くして工事を進めなければいけない現状もあるようです。
工事現場の仕事だけでなくデスクワークがあるから
建設業の中でも特に長時間残業が深刻なのは、施工管理の仕事です。
施工管理の残業時間が増え続けている理由は、工事現場の仕事だけでなくデスクワークがあるからです。
働き方改革の取り組みに従って、定時で仕事を終えるようにすれば、工事現場が終わった後にやるべき書類作成作業や次の日の工事計画表の作成、資材発注作業ができなくなってしまいます。
工事現場でできない作業を終業後に対応する必要がある業務の特性上、残業時間を減らすのが難しく、働き方改革は無理といわれる要素の一つになっています。
予算の関係でDX化を進められない会社が多いから
建設業の会社によっては、予算の制約やリソースの不足からDX化推進が難しい状況です。
引用:[株式会社フォトラクション]
データを見ると、47%の建設会社がデジタルツールの導入に至っていないという結果が出ています。
新しいツールやシステムを導入するには、コストがかかります。
さらに導入後に従業員はシステムの使い方に慣れる必要があるため、新システムを導入することで作業効率が下がるタイミングもあるでしょう。
予算がない・システム導入する時間がないという理由から、働き方改革に消極的な会社も一定数いることが分かります。
元請け会社の状況で残業を強いられるから
建設業は、多重下請け構造が定着しています。
つまり元請け会社のスケジュールに合わせて、下請け会社が調整する必要があるということ。
会社の働き方改革で週休2日制を導入したいとしても、元請け会社が休みなく働けば、元請け会社に合わせて休日がなくなる可能性があります。
引用:[時短アンケート2021]
実際に週休2日制の導入に関するアンケート調査では、発注者や元請け会社が原因になっている回答がいくつか見受けられました。
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建設業の働き方改革を無理なく進めるために今からやるべき3つの行動
建設業の働き方改革は徐々に取り入れていくことが大切です。
ここからは最初に取り入れるべき働き方改革の3つの項目を紹介します。
- ペーパーレス化
- BIMやCIMを使った設計業務の効率化
- 施工管理ツールなどクラウドアプリの活用
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ペーパーレス化
建設業が最初に取り組むべき働き方改革はペーパーレス化です。
建設工事は、見積書や請求書、工程表や完了報告書など書類のやり取りが多い業界です。
それぞれの書類作成をデータ化してテンプレートを作成することで、書類作成や管理の手間を省けるでしょう。
いきなりツールの導入を検討するのではなく、エクセルやワードを使って書類作成を進めることで、段階的にデジタルツールの使い方に慣れていくことが可能です。
書類を電子化することで、取引先とのやりとりもメールやオンライン上で進められるようになり、ビジネス拡大のチャンスも出てくるでしょう。
BIMやCIMを使った設計業務の効率化
BIMやCIMとは、3Dモデリングを使って設計や施工図の作成を効率化するツールのことです。
BIMは主に建設工事で、CIMは主に土木工事で利用されます。
BIMやCIMを使って設計や施工図の作成を進めれば、完成図を3Dで確認できるだけでなく、途中で変更が発生した際も入力した材料情報や変更点まで一瞬で対応できます。
従来であれば設計図の書き直しや施工計画の作り直しなどの手間が発生した作業がスムーズに進むようになり、業務全体の効率化に役立つでしょう。
引用:[これまでのBIM/CIM事業の実施状況]
実際にBIMやCIMの導入率は建設業の中でも徐々に増加しています。
BIMやCIMを導入するには、ツールを使える人材の確保も必要になる可能性があるため、予算と相談しながら徐々に進めていくのがおすすめです。
施工管理ツールなどクラウドアプリの活用
施工管理の業務を効率化するには、クラウド上で書類の管理ができる施工管理ツールの導入を検討しましょう。
クラウドベースの施工管理ツールを利用すれば、施工管理業務中にもスマートフォンやタブレットを使って施工図や工程表の確認がすぐにできます。
さらに、書類の書き込み機能を活用すれば、リアルタイムで書類の更新や注意点の共有が可能です。
施工管理の業務を効率化することで、会社全体の働き方改革を促進していきましょう。
働き方改革の取り組みとして実施できる項目をもっと知りたい人は、こちらの記事をご覧ください。
建設業の残業規制によって給料が減る人の特徴
建設業の残業規制によって、給料が減ってしまう人もいます。
以下の特徴がある人は、今のうちに別の働き方や転職を検討するのがおすすめです。
- 残業手当を踏まえて生活している人
- 残業手当を踏まえて生活している人
- 管理監督者で働く人
それぞれ詳しく解説します。
残業手当を踏まえて生活している人
基本給が低い会社に勤めている人にとっては、残業手当が生活に必要な要素になっている場合があります。
働き方改革によって残業時間が制限されれば受け取れる給与が低くなり、生活ができなくなるかもしれません。
自分の給与の内訳を確認して、残業が減った場合に生活できるのか、できない場合はどう対処するかを今のうちに考えておくことが重要です。
基本給の高い会社に転職して、残業代を気にしない働き方を手に入れましょう。
在職中に転職活動を進める人は、細かい手続きをすべて代行してくれる転職エージェントの利用を検討してみてください。
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日雇いや時給制で働いている人
日雇いや時給制の労働者は、労働時間が制限されることで収入が落ちる可能性があります。
収入を維持するには、複数の働き口を確保する、正社員への転職を検討するなどの対策が必要です。
自分がどんな対策をすればいいか分からない人は、転職エージェントなどの第三者に相談するのもおすすめです。
管理監督者は業務量が増えるリスクもある
管理監督者は他の社員と比べて責任の大きな立場にいることから、収入が高い代わりに残業代が発生しません。
36協定が適用された後も、管理監督者と呼ばれる役職には残業代が発生しないため、他の社員の仕事のカバーを求められるようになるリスクがあります。
ただ、残業が出ないとはいえ勤怠管理は求められるため、月100時間以上の残業が続く状況が続けば労働基準法の安全配慮義務に違反する可能性があります。
働き方改革によって管理監督者の業務が超過しないように会社全体で配慮する必要があるでしょう。
建設業の働き方改革をうまく活用するための方法
建設業の働き方改革によって、仕事が楽になる人と仕事がなくなる人に分かれる可能性があります。
今のうちに対策をしておくことで、働き方改革が進んだ後もワークライフバランスの整った働き方ができるでしょう。
- 基本給の高い会社に転職する
- 元請け会社に転職する
- 発注者側の業種に転職する
それぞれ詳しく解説します。
基本給の高い会社に転職する
働き方改革によって労働環境が改善される会社は、基本給が高い会社です。
基本給が高い企業は、残業手当に依存しにくく働き方改革が進みやすく、会社の労働環境の改善に積極的である可能性が高いです。
今の会社の基本給が低い、働き方に消極的だと感じる人は、安定的な収入を確保するために基本給の高い会社への転職を検討しましょう。
元請け会社に転職する
働き方改革の有無に関わらず、職場環境を改善するには多重下請け構造の上流を目指すことが重要です。
元請け会社は工事全体を統括できるため、スケジュール調整の柔軟性が高い特徴があります。
元請け会社はゼネコンや大手建設会社など、大企業が多いため、働き方改革の推進に積極的で、残業時間のないワークライフバランスの整った働き方を実現できるでしょう。
発注者側の業種に転職する
元請け会社を目指す他に、工事を発注する側の業種に転職するという方法もあります。
建設業界以外の発注者側の仕事は以下のとおりです。
- デベロッパー
- 建設コンサルタント
- プロジェクトマネージャー
発注者側で働くことで、工事に携わる業務でも残業の影響を受けにくくなります。
たとえば施工管理から建設コンサルタントに転職すれば、施工管理で培ったマネジメント力や施工の流れを理解している経験値を活かせるでしょう。
建設業でのスキルを活かせる業種に転職して、スキルアップを目指すのがおすすめです。
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まとめ
今回は建設業の働き方改革の現状を踏まえ、実現が無理といわれる理由や今からできる働き方改革の取り組みの事例を解説しました。
働き方改革は建設業全体で推進されていますが、中小企業では推進のスピードが遅い現状があります。
働き方改革を積極的に実践している会社とそうでない会社では、今後の働く環境の良さに違いが出てくるでしょう。
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