
測量士の年収はいくら?
気になる手取りや年収を徹底解説
測量士の年収はいくら?気になる手取りや年収1000万は可能なのかを解説
建設コンサルタント測量士は工事や地図を作る際の測量をする専門家で、測量会社や建設会社など、さまざまな職場で活躍しています。測量士を目指している人の中には年収などが気になるのではないでしょうか?
測量士の年収は日本全体の平均年収よりも高く、実務経験が長いほど年収が上がっていきます。測量士になるには国家試験を受けることが必要ですが、大学や専門学校でも一定の条件があれば登録だけで取得できます。
今回は測量士の年収や資格取得方法などを解説します。

測量士の年収と業務内容
工事や地図を作る際に面積などを測定する測量士の年収は気になるところです。まずは測量士の業務内容と年収について解説します。
測量士とは?具体的な業務内容を解説
測量士とは住宅やダム、道路などの建築・建造を行う際に必要な土地の高さや面積を測り、測量計画を立てる仕事です。
測量は以下の3つに分類されます。
- 土木測量:土木工事を行う上での測量を行います。
- 地図測量:地図を作る際の測量を行います。
- 地積測量:土地の面積を測る際の測量で、地積測量図を作る上では必要です。
測量士は測量を行う国家資格で、測量業者では測量士の資格保有者の配置が義務付けられています。
測量士の年収
測量士の年収は以下の通りです。
- 正社員:453万円
- アルバイト・パート:1,025円(平均時給)
- 派遣社員:1,495円(平均時給)
測量士の平均年収は453万円で、日本の平均年収(433万円)と比較すると高い傾向です。月給で換算すると38万円で、アルバイト・パートでは平均時給が1,025円、派遣社員では平均時給が1,495円と高い傾向にあります。
実務経験による年収では以下の通りです。
- 入社して1~2年:200~300万円
- チームリーダー・主任:500万円
- 10年以上で係長以上の役職の方:700~800万円
入社して1~2年では250万円前後ですが、実務経験が長いほど年収も上がってきます。
独立した場合は平均500万円前後で、保有資格や稼働時間によっては1,000万円を目指す方もいます。ただし、独立初月からいきなり大きな収入を得ることは難しいですが、徐々に信頼と実績を獲得することで収入アップに繋がっていきます。
年齢・男女別の年収
年齢・男女別の年収は以下の通りです。
- 20~24歳:(男性)322万円(女性)285万円
- 25~29歳:(男性)397万円(女性)346万円
- 30~34歳:(男性)420万円(女性)348万円
- 35~39歳:(男性)457万円(女性)345万円
- 40~44歳:(男性)506万円(女性)412万円
- 45~49歳:(男性)520万円(女性)370万円
- 50~54歳:(男性)552万円(女性)419万円
- 55~59歳:(男性)572万円(女性)347万円
男性の場合は20代では350万円前後ですが、30代以上になると400万円以上と、年齢や経験とともに年収が上がってきます。
しかし、女性では平均で350万円前後と大きな差が出ています。出産・子育てに伴う育児休業や時短勤務、パート・アルバイト・派遣社員として勤務する方が多いためです。
都道府県別の年収
地域別の年収は以下の通りです。
- 北海道・東北:420万円
- 甲信越・北陸:429万円
- 関東:462万円
- 東海:446万円
- 関西:464万円
- 中国地区:429万円
- 四国:417万円
- 九州・沖縄:407万円
地域別で最も平均年収が高いのが関西で、その次が関東、東海の順です。
関西では和歌山県が490万円と高く、その次が大阪府の478万円、奈良県の474万円の順です。関東では東京都が全国トップの519万円で、東海では岐阜県が462万円です。
反対に最も給与水準の低い都道府県では鹿児島県の382万円で、東京都との差が137万円、和歌山県との差は108万円となっています。
測量士で年収1000万円を稼ぐことは可能か?
測量士の平均年収は453万円で、普通の会社員と比較するとやや高い傾向ですが、年齢や性別、地域によって年収は異なります。
結論、測量士1本で年収1,000万円を稼ぐことは不可能です。同じ土木関係の資格である土地家屋調査士の平均年収は879万円で、測量士の半分以上の年収です。
測量士で年収1,000万円を目指す方法では独立開業が近道ですが、土地家屋調査士などの資格を取得して、測量士プラスアルファの実績を積む方が高収入の可能性があります。
測量士補の年収と業務内容
測量士補は測量士の作成した計画に従い、測量に従事する者のことで、測量士の補助的業務が中心となります。ここで、測量士補の具体的な業務内容と年収について解説します。
測量士補とは?具体的な業務内容を解説
測量士補も測量士と同じ測量業務を担う国家資格ですが、測量士は測量作業の主任者として測量計画を作成します。
一方で、測量士補は測量士の作成した計画に基づいて測量するのが主な仕事です。測量士が指示を出して、測量士補はそれに従って実際の測量を行います。
測量士補の年収
測量士補の平均年収は310万円(全国)で、測量士に比べて低い傾向にあります。地域別では東京都の424万円が最も高く、北海道や沖縄県などの地方では250万円前後と低めです。測量士補として高年収を目指したい方は都市部で働く方が一番の近道でしょう。
測量士補は将来的にAIや最新機器に代替される可能性が高くなり、今後はなくなる恐れがあります。測量の仕事を続けたい、もっとスキルアップしたい方は、測量士を目指すことをおすすめします。
未経験からでも測量士補になれるのか?
未経験から測量士補になるには測量士補養成学校または大学や短大、専門学校で建築・土木関連の学科に進学して、必要な科目を修得しなければなりません。
また、測量士補の国家試験に合格すると取得できます。
測量士として年収を高くするための3つの方法
測量士の主な就職先は測量会社・事務所が基本です。土木・建設会社や地図作成会社、建設コンサルタント会社、自治体など幅広い分野で活躍しています。
先ほど紹介した実務経験による年収では入社して1年ほどでは250万円前後ですが、経験を積むうちに年収も上がってきます。測量士として年収を高くする方法はあるのでしょうか?
1.同じ企業に勤務し続ける
測量士は多くの方が測量会社や建設会社などに勤務し続けるのが一般的となります。測量士の業界の給与形態は基本給が安く、ボーナスが多いです。
規模が大きい大手の場合は基本給が上がりますが、ボーナスの額は期待できない傾向です。
逆に規模の小さい事務所では売り上げのよいときはボーナスで還元し、業績が厳しくなるとボーナスが減っていく傾向にあります。
しかし、一番大切なのが「社内評価」です。社内評価は給与や昇給などさまざまな要素に関わっており、実績や勤務態度、クライアントからの評価なども対象となります。
同じ会社で長く勤務し、高い収入を得たい場合は、社内から評価されるなどの技術以外のスキルを身に付ける必要があります。
2.建設コンサルタント会社へ転職する
測量士の就職先は建設コンサルタント会社も選択肢の一つです。一般の測量会社や建設会社などに比べると年収が高くなります。
しかし、測量士以外の建設コンサルティングに関連する資格の取得や測量士と建設コンサルティングの両方の実績が必要になります。
また、最新機器をうまく使うこなせる技術も必要で、近年はドローンを操縦しながら測量を行う「ドローン測量士」の仕事も増えています。
測量士は測量士の資格を取得するだけでなく、建設コンサルティングやドローン操縦などの資格取得も高い年収を稼ぐ必要要件となります。
3.個人で独立する
測量士の資格を取得して会社などで実績を上げている方は、このまま会社に残らずに独立する人も増えています。
独立開業は測量士に限らず、医師や弁護士などの資格保有者やパソコンやコミュニケーションスキルを積んで、個人で仕事をしていきます。
独立開業のメリットは自分の好きな時間・場所で仕事ができ、自分ががんばった分だけ収入が増えていくため、仕事にやりがいを見出せます。
しかし、実績がゼロの状態のまま独立開業してしまうと仕事が舞い込んでいく可能性は低く、収入が途絶えてしまいます。
測量士として独立開業を目指す方は、まずは以下を目指していく必要があります。
- 測量会社や建設コンサルタント会社などで実績を積み、人脈を広げる
- 測量士以外の資格を取得する
測量士以外の資格では土地家屋調査士や行政書士などは独立開業を目指す上ではおすすめの資格です。
まずは測量会社などで実績を積み、人脈を広げてから独立を目指していきましょう。
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測量士はこんな方がおすすめ!
測量士は工事などで土地を測量する専門職で、資格取得が必須ですが、その前に測量士に向いている人と向いていない人を解説します。
測量士に向いている人
1.まじめな性格の人
測量士の仕事は正確さと同時に非常に高い精度も求められます。広い土地の中で何度も作業位置を変えながら座標や長さ、角度などのさまざまなデータをほんの少しの誤差も許されないレベルの精度で測定していかなければなりません。
以上の作業を毎日朝から晩まで手を抜かずに続けられるまじめで辛抱強い人が向いています。
2.最先端技術が好きな人
測量士の仕事はカメラや専用の測定器で測定するのが基本ですが、近年はコンピュータを使用した測量技術が登場しています。
新しい機械やソフトが登場すると、興味深く仕事に取り入れられる好奇心がある方は向いています。
3.足腰の強い人
測量士は足場の悪い山奥や急な斜面などで測量する場合があります。そうした道を重い測量機器などを担ぎながら歩かなければなりません。また、暑い夏や寒い冬、天候が悪くても外で仕事をしなければなりません。
いくら測量の技術はあっても体力に自信がないようでは意味がないので、悪い場所などでも体力があり、足腰が強い人が向いています。
測量士に向いていない人
1.飽きっぽい人
毎日同じ仕事をくり返して行う測量士は一つのことにのめり込んでいく人には向いていますが、飽きっぽい人には向いていません。
飽きっぽい性格だと、同じ作業を毎日繰り返すのに嫌気がさして、仕事のモチベーションを失ってしまいかねません。
2.数学が苦手な人
現在では測量機器がコンピュータによって自動計算してくれますが、測量技術に用いられる理論の理解は不可欠です。
子どもの頃から数学が苦手な人は測量士には向いていません。高度な数学の知識は必要なくとも、高校レベルの数学についての基本は理解しておく必要があります。
測量士を目指している方は高卒レベルの数学のマスターが必要です。
測量士として働くために必要なものとは?
測量士になるにはどうしたらいいのでしょうか?ここで、測量士の資格の取得方法やスキルについて解説します。
スキル・能力
測量士は資格だけ取得しても必要なスキルや能力がなければ意味がありません。測量士に必要なスキルは「根気」「協調性」です。
測量データはパソコンを使って処理されますが、測量機器の進化によってデータ量は複雑かつ膨大です。データはすべて機械的に処理することは難しく、ある程度のバグは発生します。毎日人の手で処理したり、整合性を確認するための作業も発生します。測量士は根気強さや粘り強さ、忍耐力が求められます。
また、測量作業は2~5人ほどのチームを組んで行われるので、スタッフのコミュニケーション能力や協調性が求められます。
職場での人間関係はどこの職場でも発生しますが、測量の現場では自分の会社のスタッフだけでなく、取引先や外注業者との良好な関係を築いていかなければなりません。
資格
測量士の資格は国家資格である「測量士」「測量士補」があります。測量士・測量士補の取得の流れを紹介します。
1.測量士補
測量士補の国家試験の内容は以下の通りです。
- 受験資格:年齢・性別・学歴・実務経験などに関係なく受験可能
- 試験方法:筆記試験(択一式)
- 受験地:東京・愛知・大阪など14会場
- 受験料:2,850円
700点満点中、450点以上が合格となります。
また、以下の方は登録申請書を提出し国土地理院へ登録すれば、測量士補になれます。
- 大学・短大・高専卒の方で測量に関する科目を修めた方
- 測量に関する専門の養成施設にて1年以上測量士補となるのに必要な専門の知識・技能を修得した方
2.測量士
測量士を目指している方は測量士国家試験を受験しなければなりません。測量士の国家試験の内容は以下の通りです。
- 受験資格:年齢・性別・学歴・実務経験などに関係なく受験可能
- 試験方法:筆記試験(択一式・記述式)
- 受験地:東京・愛知・大阪など14会場
- 受験料:4,250円
測量士試験は午前と午後に分かれており、午前中が択一式、午後が記述式です。試験科目は以下の通りです。
- 測量に関する法規及びこれに関連する国際条約
- 多角測量
- 汎地球測位システム測量
- 水準測量
- 地形測量
- 写真測量
- 地図編集
- 応用測量
- 地理情報システム
択一式の問題は5択方式で、出題数は28問です。記述式の問題は必須科目問題が1題、選択科目問題は「基準点測量」「地形・写真測量」「地図編集」「応用測量」の中から2題選択します。
午前の択一式の点数が400点以上で、かつ午前の点数と午後の点数の合計910点以上が合格となります。
測量士試験では計算問題があるため、国土地理院で用意した電卓に限り使用できます。電卓の機種はカシオの「SL-910GT-N」です。電卓は持ち帰りが不可で、個人が用意した電卓は使用できませんのでご注意ください。
以下の方は登録申請書を提出し、国土地理院へ登録することによって測量士になることができます。
- 大学・短大・高専卒の方で測量に関する科目を修め、測量に関する実務経験(大学が1年以上、短大・高専が3年以上)を有する方
- 測量に関する専門の養成施設にて1年以上測量士補となるのに必要な専門の知識・技能を修得し、測量に関する2年以上の実務経験を有する方
- 測量士補の方で、測量に関する専門の養成施設で高度の専門知識及び技能を修得した方
測量士・測量士補試験の受験を検討されている方は国土地理院のサイトをご覧ください。
(参考:令和5年測量士・測量士補試験について(受験案内))
3.測量士・測量士補を目指せる学校
測量士・測量士補は専門の学校に進学する方が近道です。
現在、測量士・測量士補を目指せる大学・短大が50校、専門学校が23校あります。建築や土木などのカリキュラムの中に測量が組み込まれています。
測量士・測量士補の養成施設は全国に8校あり、そのうち測量士の養成施設は「中央工学校」「東海工業専門学校金山校」の2校です。
測量士・測量士補の養成施設または測量の科目がある大学・学校の卒業者または卒業後一定年数の実務経験者は登録申請書を申請することで、測量士または測量士補に登録できます。
進学を希望される方は、お近くの大学・学校に測量士・測量士補を目指せるカリキュラムがあるか確認するとよいでしょう。
4.収入を伸ばしたい時に役立つ資格
測量士の資格を取得したけど、もっと収入を伸ばしたい方は以下の資格がおすすめです。
地理空間情報専門技術認定:公共測量業務に関する業務発注機関に高い評価を得ている資格です。
- シビルコンサルティングマネージャ(RCCM):建設コンサルタント業務を円滑かつ的確に実施するため、管理技術者としての業務には欠かせない資格です。
- 補償業務管理士:補償コンサルタントの国土交通大臣登録に必要な保証業務管理者に就任するための要件とされている資格です。
- 土地家屋調査士:不動産登記に関する国家資格です。
- 行政書士:法律的な権利義務・事実の証明に関するさまざまな書類の作成や手続を行う国家資格です。
- 宅地建物取引士:不動産の売買や賃貸物件のあっせんをする際の国家資格です。
- 不動産鑑定士:不動産の鑑定評価に関する国家資格で、土地の有効利用なども考慮したコンサルティング業務が可能になります。
上記の資格取得は仕事をする上でさまざまな視点から提案できるため、測量士だけしか持っていない時に比べて業務で明らかな差がつけられます。また、独立開業を目指す上でも有利になります。
まとめ
測量士は建築や土木の工事や地図を作る際の測量をする専門家で、測量会社を中心にさまざまな職場で活躍しています。測量士の平均年収は453万円で、日本の平均年収より高い傾向にあります。実務経験のある方では500万円以上稼ぐ方もいます。ただし、年齢や性別、地域などによって年収が異なります。
測量士になるには国家試験受験が必要で、受験資格は特に年齢制限を設けていません。大学や専門学校で測量を学ばれている方は、一定の条件を満たせば登録申請書を申請することで測量士の登録ができます。また、根気強さや協調性、体力がある人などが測量士に必要なスキルです。
これから測量士を目指している方は、まずは資格取得から始めましょう。
