
1級建築施工管理技士の合格率は? 試験対策や資格取得後の働き方を紹介
1級建築施工管理技士の合格率|1発合格に必要な対策と勉強時間、資格取得後の働き方を解説
建設 働き方やキャリア 転職 施工管理1級建築施工管理技士は、建設業界でのキャリアアップに欠かせない国家資格です。
その合格率は難関資格として知られていますが、効率的な対策と適切な勉強時間を確保することで、1発合格も可能です。
資格取得後は、主任技術者や監理技術者として活躍の場が広がり、収入や働き方の選択肢も増えます。
試験の概要や勉強方法を理解し、目標達成への道を切り開きましょう。
そこで今回は、1級建築施工管理技士試験の試験概要や合格率、試験合格に向けた対策方法や資格取得後の働き方を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

1級建築施工管理技士試験の概要|合格率や難易度を解説
ここからは1級建築施工管理技士試験の概要や合格率の推移を紹介します。
- 1級建築施工管理技士試験の概要
- 一次試験の合格率
- 二次試験の合格率
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1級建築施工管理技士試験の概要
受験資格
検定段階 | 受験資格 | 備考 |
第一次検定 | 19歳以上(受験年度末時点) | 学歴や実務経験は不問 |
第二次検定 | 第一次検定合格後、以下のいずれかを満たす者
|
実務経験のうち1年以上は特定実務経験が必要 |
試験の概要
第一次検定
- 試験内容:建築学、施工管理法、法規などの知識を問うマークシート方式の試験です。
- 試験日程:年に1回実施されます。
第二次検定
- 試験内容:実務経験に基づく応用力を問うマークシート方式と記述式の試験です。
- 試験日程:第一次検定の合格者のみが受験可能で、年に1回実施されます。
受験申請と手数料
- 申請方法:インターネット申請または書面申請が可能です。
- 受検手数料:第一次検定と第二次検定それぞれに手数料が設定されています。
1級施工管理技士の試験は、建設業界でのキャリアアップを目指す方にとって重要な資格です。試験に合格するためには、建築に関する幅広い知識と実務経験が必要とされます。また、試験制度や受験資格は変更されることがあるため、最新の情報を確認することが大切です。
詳しくは、一般社団法人建設業振興基金 1級建築施工管理技術検定のご案内をご参照ください。
なお、令和6年度に施工管理技士の試験制度が改正されています。下記の記事で最新情報をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
関連記事:令和6年の施工管理技士の受験資格改正とは?具体的な対策と注意点を解説
1級建築施工管理技士試験の一次試験の合格率
ここでは2020年から2023年までの1級建築施工管理技士試験の一次試験の合格率をまとめました。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2020 | 22,742人 | 11,619人 | 51.1% |
2021 | 22,277人 | 8,025人 | 36.0% |
2022 | 27,253人 | 12,755人 | 46.8% |
2023 | 24,078人 | 10,017人 | 41.6% |
引用:[施工管理技術検定]
合格率は40〜50%の年が多いですが、2021年の試験では合格率が36.0%です。
受験者の半分以下が不合格になるという認識を忘れず、過去問の対策を徹底しましょう。
1級建築施工管理技士試験の二次試験の合格率
次に2020年から2022年までの1級建築施工管理技士試験の二次試験の合格率を見ていきましょう。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2020 | 16,946 | 6,898 | 40.7% |
2021 | 12,813 | 6,708 | 52.4% |
2022 | 13,010 | 5,878 | 45.2% |
引用:[施工管理技術検定]
二次試験の合格率は40〜50%程度。
記述式の問題と選択問題が組み合わされているため、知識を理解した上で誰かに説明できるくらい定着させることが必要です。
1級建築施工管理技士の難易度
1級建築施工管理技士の難易度は、第一次検定と第二次検定の両方に合格する必要がある点が最大の特徴です。
令和6年度(2024年度)の第一次検定合格率は36.2%、第二次検定は40.8%で、両試験をストレートで突破する実質合格率は約14.8%と極めて低くなっています。
難易度を左右する3大要素
出題範囲の広さ
第一次検定は、建築学・施工管理法・法規など6科目から構成され、午前(2.5時間)と午後(3時間)で合計89問中60問を選択解答します。
特に「応用能力問題」(10問中6問以上正解必須)は施工計画書の読解力を問う難問が多く、2024年度はこの分野の難化により合格率が前年比5.4ポイント低下しました。
第二次検定は、施工経験記述(1,000字程度)と工程管理・法規問題で構成されています。
経験記述では「工期短縮事例」や「品質トラブル対応」を具体的な数値(例:工期20日短縮)と根拠を示す必要があります。
合格基準の厳格さ
第一次検定は総合60%以上かつ応用能力問題60%以上のダブル基準です。
2024年度は応用能力問題の合格ラインが10問中6問に引き上げられ、部分点が認められないため、戦略的な学習が不可欠です。
第二次検定は記述式中心で、施工管理の実践力が問われます。特に「工事写真の分析問題」では、瑕疵箇所の指摘と改善策を時系列で説明する能力が求められます。
実務経験との連動性
第二次検定では3年以上の実務経験が事実上必須で、未経験者が独学で合格するのは困難です。
具体的には「4,500万円以上の工事」での施工計画立案経験や、RC造・鉄骨造の違いを踏まえた工程管理能力が問われます。
関連記事:【令和6年度試験制度改訂版】施工管理技士資格の難易度ランキング|合格率や偏差値まで徹底解説
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1級建築施工管理技士試験に合格するためにやるべきこと
1級建築施工管理技士試験は一次試験、二次試験ともに合格率は35〜50%程度となっており、ストレートで合格するには徹底的な対策を取る必要があるといえるでしょう。
ここでは試験合格に向けてやるべきことをまとめました。
- 過去問を何度も解き直す
- 経験記述の対策を徹底する
- 試験問題を自分の言葉で説明できるまで理解を深める
それぞれ詳しく見ていきましょう。
過去問を何度も解き直す
試験に合格するには、過去の試験問題を何度も解き直すことが重要です。
なぜなら過去問を解けば、試験の形式や出題傾向を把握でき、解答する中で自身の弱点を特定できるからです。
間違えた問題や分からなかった部分を詳しく復習し、同じミスを繰り返さないようにしましょう。
過去問を繰り返し解いて、どんな問題でも解答できるように対策しておけば、試験に落ち着いて取り組めるはずです。
経験記述の対策を徹底する
1級建築施工管理技士試験では、経験記述と呼ばれる実務経験に関する記述問題が含まれます。
過去の経験記述の問題の内容は以下のとおり。
出題年度 | 問題内容 |
2020 | あなたが実施した現場における労務工数の軽減、工程の短縮などの施工の合理化の事例を2つあげ、次の①から④について記述しなさい。
① 工種又は部位等 ② 実施した内容と品質確保のための留意事項 ③ 実施した内容が施工の合理化となる理由 ④ ③の施工の合理化以外に得られた副次的効果 |
2021 | あなたが現場で重点をおいて実施した品質管理の事例を2つあげ、次の①から④について具体的に記述しなさい。
① 工種名 ② 施工に当たっての品質の目標及びそれを達成するために定めた重点品質管理項目 ③ ②の重点品質管理項目を定めた理由及び発生を予測した欠陥又は不具合 ④ ②の重点品質管理項目について、実施した内容及びその確認方法又は検査方法 |
2022 | あなたが実施した現場作業の軽減の事例を3つあげ、次の①から③について、具体的に記述しなさい。
① 工種名等 ② 現場作業の軽減のために実施した内容と軽減が必要となった具体的な理由 ③ ②を実施した際に低下が懸念された品質と品質を確保するための施工上の留意事項 |
参考:[建築施工管理技士試験]
経験記述では具体的な実務経験を示し、自身のスキルや成長を的確に伝えることが求められます。
試験に合格するには、経験記述の対策を徹底的に行うことが重要です。
試験問題を自分の言葉で説明できるまで理解を深める
試験問題をただ覚えるのではなく、問題の背後にある原理や理論を理解し、自分の言葉で説明できるようにしましょう。
なぜその答えが正しいのか、どのようにしてその結論に至ったかを明確に理解することで、応用力や論理的思考力が身につきます。
試験の問題を深く理解することで、幅広い状況に対応できる力を養えば、試験でも高得点につながり、実際の仕事にも役立つでしょう。
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1発合格に必要な対策と勉強時間
効率的な学習計画の立て方
効率的な学習計画を立てるには、目標を明確にし、逆算してスケジュールを組むことが重要です。
まず、試験日から逆算して年間計画を作成し、基礎固め、応用力養成、過去問演習の段階を設定しましょう。
次に、月間計画では具体的な学習内容を決め、週間計画で日々のタスクを細分化します。
これにより、進捗状況を把握しやすくなり、効率的に学習を進めることが可能です。
過去問の活用方法
過去問は試験対策の最重要ツールです。
まず、過去問を解くことで出題傾向を把握し、頻出問題を重点的に学習しましょう。
次に、解答後は必ず間違えた箇所を分析し、弱点を克服するための復習を行います。
また、時間を計って解くことで試験本番のペース配分を練習することも効果的です。
試験対策講座の利用メリット
試験対策講座は、効率的な学習をサポートする強力なツールです。専門講師による解説で難解な内容を理解しやすくなり、最新の出題傾向に基づいた対策が可能です。
また、模擬試験や個別指導を通じて、弱点を克服し、合格に向けた自信を高めることができます。
さらに、学習仲間との交流がモチベーション維持に役立つ点もメリットです。
これらの方法を組み合わせることで、1発合格に向けた効率的な学習が可能となります。
1級建築施工管理技士資格を取得するメリット
1級建築施工管理技士になると、以下の3つのメリットがあります。
- 年収が上がる
- 監理技術者や主任技術者、専任技術者として働ける
- より条件の良い企業への転職が可能となる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
年収が上がる
1級建築施工管理技士の資格を取得すれば、年収を上げることが可能です。
なぜなら建設会社の多くは資格手当を支給しており、1級建設施工管理技士の資格を取得すれば基本給に資格手当が追加されるから。
引用:[株式会社ナベカン]
資格手当の金額は会社によりますが、8,000〜10,000円程度が相場です。
自社の会社に資格手当があるかを確認してみるのもおすすめ。
資格取得のモチベーションのひとつになるでしょう。
監理技術者や主任技術者、専任技術者として働ける
1級建築施工管理技士の資格を取得すると、監理技術者や主任技術者、専任技術者を担当できるようになります。
監理技術者や主任技術者は、工事の合計金額が4,000万円以上の大規模な工事(特定建設業)で現場ごとに設置しなければいけない役職のひとつです。
つまり、1級建築施工管理技士の資格を取得して監理技術者や主任技術者として働けるようになれば、工事で必ず求められる人材になれるということ。
工事現場の責任者として工事をまとめる役割も果たすので、仕事の難易度が上がり年収アップも期待できるでしょう。
より条件の良い企業への転職が可能となる
1級建築施工管理技士の資格は、転職活動で大きな強みになります。
なぜなら大手ゼネコン企業は、高度なスキルと知識を持つ1級建築施工管理技士を積極的に採用しているから。
資格があることで、より条件の良い企業に転職するチャンスが広がります。
施工管理として働く人で、将来的にステップアップを検討している人は今から資格取得の計画を立てておきましょう。
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準大手ゼネコン各種施工管理
年収560万円~
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必須条件:2級以上建築施工管理技士
- 備考:
- 転勤なし
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単価42万円~
単価:42万円~
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1級建築施工管理技士試験に関するよくある質問
ここでは1級建築施工管理技士試験に関するよくある質問をまとめました。
- 1級建築施工管理技士試験に合格するにはどのくらいの勉強時間が必要?
- 1級建築施工管理技士試験の難易度はどのくらい?
- 1級建築施工管理技士試験に合格したらすぐに転職した方がいい?
それぞれ回答していきます。
1級建築施工管理技士試験に合格するにはどのくらいの勉強時間が必要?
1級建築施工管理技士試験に合格するには、個人の学習ペースや勉強方法により異なりますが、一般的には70〜80時間程度の勉強が必要です。
毎日コツコツと勉強を積み重ね、隙間時間のインプットや定期的なアウトプットを行うことが合格の近道です。
計画的な勉強スケジュールを立て、睡眠や休息もしっかり確保しながら効率的に学習を進めましょう。
1級建築施工管理技士試験の勉強はどうやって進めるのがおすすめ?
1級建築施工管理技士試験の勉強を進めるには、まず過去問を解いて出題傾向を理解することから始めると良いでしょう。
過去問を解く間は、専門書や参考書を活用して基礎知識をしっかり学ぶことが重要。
二次試験の対策としては、実践的な問題解決力を養うために、専門書にある模擬試験を解いてみるのも効果的です。
二次試験は記述式の問題があるため、誰かに添削してもらうのも対策のひとつでしょう。
スクールや書籍を使った独学など、自分に合った勉強方法で試験対策を進めてみてください。
1級建築施工管理技士試験に合格したらすぐに転職した方がいい?
1級建築施工管理技士試験に合格した場合、現在の会社がどんな工事を担当しているかによって、転職を検討すべきかどうかが変わります。
たとえば、中小企業の建築会社で規模の大きな工事に対応していない会社に勤めている人であれば、1級建築施工管理技士の資格を有効活用するためにもすぐに転職するのがおすすめです。
1級建築施工管理技士になれば、仕事の幅が広がりスキルアップがしやすくなるため、資格取得をきっかけに転職活動を始めてみてはいかがでしょうか。
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1級建築施工管理技士のまとめ
今回は1級建築施工管理技士試験について、試験概要や合格率、勉強方法や資格取得後の働き方について解説しました。
1級建築施工管理技士の資格は、建設会社で施工管理として働く人が持つ資格の中ではトップレベルの資格です。
1級建築施工管理技士試験の資格を取得すれば、監理技術者や主任技術者、専任技術者として働けるため、年収アップや対応できる業務の幅が広がるでしょう。
今の職場から転職してキャリアアップを目指すことも可能です。
施工管理としてステップアップしたい人やより高い年収を目指す人は、1級建築施工管理技士を取得してより条件の良い会社へ転職しましょう。
転職を成功させたい人は、転職エージェントのサポートを受けながら自分に合った会社を見つけることが大切。
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