建設業の人手不足が当たり前と言われる5つの理由とは?若者離れを防ぐ具体的な対策を解説
建設業は日本の経済や社会に欠かせない重要な産業です。しかし、近年、建設業に従事する人材が減少しているという問題が深刻化しています。
建設業界では、特に若者の人手が不足し、それが当たり前といわれるほどです。
若手の新規人材を求めているにもかかわらず、建設業界で人材不足が起こっている要因としては、建設業界の職場環境や昔からのイメージの定着が挙げられるでしょう。
そこで今回は、建設業の人材不足の原因や具体的な対策、すぐに人材を確保する方法を徹底解説します。
建設業に携わる方で、若手を含め、人材採用にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
建設業の現状と課題|建設需要の高まりに反して建設業は人材不足が深刻な問題
日本全体の建設需要は徐々に増加しており、建設業は将来性のある仕事といわれています。
引用:[建設業を巡る現状と課題]
実際に国土交通省の発表したデータを見ると、平成23年度あたりまで低下していた建設需要は、徐々に増加していることがわかります。
建設需要に伴い、建設業界の人材を増やす必要がありますが、データのグラフから、建設業全体の就業者数は年々減少傾向です。
引用:[(参考)建設業を取り巻く現状について]
さらに建設業界の有効求人倍率を見ると、建設業の職種別で見ても、全産業のデータと比べて求人倍率が高いことがわかります。
建設業全体の需要に対して人材が不足している状況や有効求人倍率が他業種と比べて高いことからも、建設業の人材不足問題は深刻といえるでしょう。
今後の建設需要に対処するためにも、建設業は人材不足の原因を突き止め、適切な対策をする必要があります。
建設業の人手不足は当たり前?建設業から人が離れる理由と特徴6つ
ここからは人が離れる原因になっている、建設業界の悪い特徴を6つ解説します。
- 業界全体で少子高齢化が進行
- 休日・有給休暇が取りにくい職場環境
- 残業時間が全業界トップレベル
- 事故や怪我が多い現場作業
- 転勤や出張が多い仕事
- 給与が低い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
業界全体で少子高齢化が進行
建設業界の人材不足の主な原因は、建設業界全体で少子高齢化が進んでいるからです。
引用:[最近の建設業を巡る状況について]
少子化の原因は人材が集まらないだけでなく、採用した人材の早期退職も要素の一つです。
引用:[(参考)建設業を取り巻く現状について]
若い世代が定着しないことで、高齢者の建設業で働く人材の負担が大きくなっています。
建設業は体力を使う仕事や屋外での労働が多いため、若手の体力やエネルギーが求められています。
高齢者の技術者がこのまま増え続け、若手が定着しない状況が続くと、グラフ上の55歳以上の人材が定年などで大量に退職した場合、もっと深刻な人材不足に陥ってしまうかもしれません。
人材の確保だけでなく、若者の離職率を減らす対策も重要視されています。
休日・有給休暇が取りにくい職場環境
建設業は工事の進捗進行や期限の厳しさから、従業員が休日を取りにくいという課題があります。
引用:[最近の建設業を巡る状況について]
データを見ると、建設工事全体では技術者の約40%が、1ヶ月間の休日が4回以下ということがわかります。
普段の休日ですら取りづらい状況を見ると、有給休暇を取得するのも困難であることが想定できます。
実際に令和3年度の建設業の有給休暇の取得率は以下のとおり。
業界 | 労働者1人平均付与日数 | 労働者1人平均取得日数 | 労働者1人平均取得率 |
建設業 | 18.4日 | 9.8日 | 53.2% |
引用:[令和3年就労条件総合調査の概況]
データを見ると、付与された有給休暇のうち取得している休暇数は半数ほどです。
家族がいる人や、プライベートの時間を確保したい人にとって、仕事の優先度を上げなければいけない建設業は、働きにくい職場と敬遠されるのかもしれません。
残業時間が全業界トップレベル
dodaの調査した、「平均残業時間の多い職種 ランキングTOP20」の上位3つの職種は以下のとおりです。
順位 | 職種 | 業界 | 平均残業時間 |
1 | プロデューサー/ディレクター/プランナー | 出版/広告/Web/映像関連 | 37.1時間 |
2 | ビジネスコンサルタント | コンサルタント/不動産専門職 | 37.1時間 |
3 | 施工管理 | 建築/土木系エンジニア | 35.3時間 |
引用:[doda]
建設業の職種の中で、施工管理の残業時間は全業界と比較してもトップレベルで長いことがわかります。
施工管理の残業時間が長くなる理由の一つは、業務内容が多く、1日で捌ききれないから。
日中は複数の現場の現場監督をする必要があるうえ、資材発注やクライアントとの打ち合わせ、書類作成作業にも対応する必要があり、残業時間がどんどん増えている状況です。
建設業の現場では、施工管理以外にも工期のずれや天候の関係で残業時間が増える職種はさまざまです。
残業時間が長いことから、仕事のモチベーションが低下し、離職率につながっているといえるでしょう。
事故や怪我が多い現場作業
建設業は、他の業種と比べて危険が伴う高所作業や肉体労働がメインです。
全産業と比較した、建設業の事故や怪我の発生率は以下のとおり。
引用:[工事事故の発生状況]
特に死亡者の割合は、建設業がトップクラスです。
危険な作業に対する不安から、離職者が増えている可能性も考えられます。
転勤や出張が多い仕事
建設業の中でも、施工管理は日本国内、世界各地の工事の対応をすることがあり、転勤や単身赴任の可能性が高い職種です。
引用:[2021年時短アンケート]
データを見ると、建設業全体のうち30%近い人が単身赴任をしていることがわかります。
単身赴任が多い会社であれば、引っ越し作業が面倒・自宅に帰る費用がかかるなどデメリットを感じる人が多いのかもしれません。
特に家族を持つ人であれば、単身赴任や転勤が多い環境は、退職や転職を検討する要因になる可能性が高いでしょう。
給与が低い
建設業の人手不足が当たり前と言われる理由のひとつに、給与が低いということが挙げられます。しかし、これは一概には言えません。なぜなら、建設業の給与は、企業規模や地域、職種や資格などによって大きく異なるからです。
たとえば、企業規模別に見ると、従業員数10人~99人の小規模企業の平均年収は463.3万円ですが、従業員数1000人以上の大企業の平均年収は698.6万円と、約200万円もの差があります。また、地域別に見ると、北海道の平均年収は444.5万円ですが、東京都の平均年収は605.4万円と、約160万円もの差があるのが現実です。
さらに、職種や資格によっても、給与に大きな差が出ます。たとえば、建設業で働く男性の平均年収は561.9万円ですが、土木施工管理技士の平均年収は512万円、建築士の平均年収は451万円と、資格によって約100万円もの差があります。また、建設業で働く女性の平均年収は378.5万円ですが、これは男性の平均年収の67.3%にしかなりません。
以上のように、建設業の給与は、一概には低いとは言えないことがわかります。しかし、給与が高いというだけでは、若者が建設業に就きたいと思うとは限らないでしょう。
建設業には、長時間労働や休日が少ない、在宅勤務ができない、3Kのイメージが強い、雇用が不安定など、他の理由もあります。これらの問題を解決するためには、建設業界全体で労働環境の改善やDXの推進、イメージアップの取り組みなどが必要です。
弊社は、建設業界特化の総合ソリューション企業として、人材紹介から事業承継型M&A仲介など、経営に関するあらゆるお悩みを解決いたします。
- 即戦力人材紹介・ヘッドハンティング
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どんな些細なことでもお気軽にお問い合わせください。専任のコンサルタントが貴社のお悩みにお答え致します。
建設業の人手不足・若者離れを解消する5つの対策
上記で説明した人材不足の原因を踏まえて、建設業の会社が取り組むべき内容は「若手人材の確保」です。
ここからは、人材不足の解消に効果的な5つの対策を解説します。
- 給与体系を改善する
- 従業員が働き続けたいを思う職場環境を作る
- 若者を育成する環境を整備する
- 積極的に働き方改革を進める
- 自社の魅力を発信する仕組みを作る
それぞれ詳しく見ていきましょう。
給与体系を改善する
建設業の有効求人倍率が高まっていることからわかるように、現在の建設業は売り手市場です。
優秀な人材の確保・定着を目指すには、給与面の充実度は必須の要素といえるでしょう。
ただ給与を高くするだけでなく、継続的に働き続けるメリットを感じさせるために昇給制度やボーナス、手当などを充実させる方法も効果的です。
従業員が働き続けたいを思う職場環境を作る
給与以外で対応すべき要素は、職場環境です。
働き続けたいと思う会社には、どんな要素があるか考えてみてください。
- 女性の働きやすい環境の整備
- 住宅手当・通勤手当の充実
- 有給休暇の取得促進
- 仕事とプライベートのバランスの取れる労働時間
- リモートできる環境
有給休暇の取得促進や働きやすい労働環境の整備など、従業員が働き続けたいと感じる職場環境を見つけることが大切です。
自社の従業員にアンケートをとって、今の会社で改善できそうな要素を探してみましょう。
若者を育成する環境を整備する
人材不足を解消するには、人材の確保だけでなく、定着させるまでの流れが重要です。
若者離れが問題になっている点を踏まえて、未経験でも学びながら仕事を身につけられる環境を整備してみてください。
具体的な対策は以下のとおり。
- マニュアルの作成
- OJT制度の充実
- 新入社員研修の実施
- 先輩・後輩との交流を増やす取り組み
- 資格取得支援制度の設置
- 資格手当
若者離れ・人材不足によって発生するデメリットは、技術の継承ができなくなることです。
事前に建設業で働くためのノウハウや仕組みをマニュアルにまとめられれば、会社の資産として今後も活用できるでしょう。
将来のリーダー候補の育成を進めるために、新しく入った社員には何が必要かを考え、定着させるための準備をしていくのが大切です。
積極的に働き方改革を進める
建設業全体で、働き方改革の動きが活発になっています。
なぜなら2024年4月から建設業でも36協定が適用されるため。
従業員の労働時間に対する制限が厳しくなることから、IoTツールやDXツールを活用して業務効率化を進める必要があります。
建設業の働き方改革の推進は、職場環境の改善につながるため、積極的に取り組むことで人材不足を解消させる要素になるでしょう。
今すぐ取り組むべきDX化の方法を知りたい人は、こちらの記事をご覧ください。
自社の魅力を発信する仕組みを作る
会社の制度を改善し、働きやすい職場の確保ができたら、企業の強みや働く魅力をPRしましょう。
現在はSNSやホームページなどを活用した発信をすることで、新しい人材との接点が作りやすくなっています。
SNSやホームページの作り込みを強化することで、今後の人材確保の手間を省くことにもつながります。
自社の働き方や実際に働く社員の意見を積極的に発信することで、自社に興味を持つ人材を集められ、自社の成長につなげられるでしょう。
今すぐできる建設業で人材を確保する方法
人材確保に向けた対策をした後は、実際に人材確保に向けた取り組みを進めましょう。
ここでは以下の3つの方法を解説します。
- ハローワークや求人サイトに求人票をのせる
- 自社のホームページに採用サイトを作成する
- 人材マッチングサービスを活用して人を集める
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ハローワークや求人サイトに求人票をのせる
人材確保の一番基本となる方法は、求人サイトやハローワークに求人票を掲載する方法です。
ハローワークは無料で求人を掲載できますが、求人サイトはサイトによって掲載期間・条件などを踏まえて料金が発生する可能性があります。
予算を踏まえ、自社にあった求人サイトで求人活動を行いましょう。
自社のホームページに採用サイトを作成する
長期的に人材を確保する仕組みを作りたい人は、自社のホームページに採用サイトを設置するのがおすすめです。
求人サイトやハローワークの掲載は金額や期間が決まっていることがほとんどですが、一度自社のホームページや採用サイトを設置すれば、一生使える求人ツールになるでしょう。
ただ、求職者の目に止まるためには、設置するだけでは不十分です。
インターネット広告などを活用して認知を広げる必要があるため、お金と時間がかかることを認識しておきましょう。
自社ホームページの作成を検討している人は、こちらの記事を参考にしてください。
人材マッチングサービスを活用して人を集める
自社にあった人材をすぐに手に入れたい人は、人材マッチングサービスの活用が効果的です。
人材マッチングサービスでは、自社の要望にあった人材を登録者の中から探し出せるからです。
ただ、登録者のクオリティや採用までのやり取りはサービスによって異なるので、事前に比較するのがおすすめ。
人材マッチングサービスの活用を検討している人におすすめなのは、建設業界に特化したま人材マッチングサービス「ビーバーズ」です。
「ビーバーズ」では、実際にサービスを利用前に会社の求める人材をヒアリングするため、自社の手間を省いて効率よく必要な人材を集められるでしょう。
「今すぐ人材が欲しい」「自社にあった人材が欲しい」という人は一度ビーバーズに相談してみてください。
建設業の人材不足はますます深刻になっており、特に1級施工管理技士を有するベテランの高齢化による引退と人材の流出により現場即戦力人材の採用はより困難になっていく事でしょう。
ベテランの即戦力人材の募集に最も有効的な方法は、アナログなリサーチを用いた「ヘッドハンティング」が最も有効です。
日本ではヘッドハンティングという採用方法にまだあまり馴染みがなく、ヘッドハンティングを行っている会社は10社程度しかありません。
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弊社のヘッドハンティングサービスの特徴は下記です。
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フィルタリング、候補者への手厚いフォローとコンタクト(応募意欲を高めて入社させる) - 30~40代の将来有望な後継者、役員、部長、幹部候補クラスの施工管理技士の有資格者を採用できる
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まとめ
今回は建設業の人材不足の原因や具体的な対策を解説しました。
建設業は、今後も新規の建設需要や既存の建物の修繕・立て直しの需要などがあるため、将来性のある業界の一つです。
ただ、従来の悪いイメージの定着や働き方改革が進んでいない状況によって、若手の採用が難しい・離職率が高いといった課題があります。
建設業の会社の中で、自社の人材確保に課題を感じている人は、記事で紹介した人材不足を引き起こす原因が当てはまっていないか分析してみましょう。
分析して自社の課題を把握したら、紹介した対策を実施し、自社の人材確保に役立ててみてください。
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