建設DXとは?すぐに取り組むべき6つの建設DXの手法や成功事例を解説
建設業界動向・情報建設DXとは、IT技術を活用して建設業における生産性の向上・最適化する取り組みのことです。
今後の建設業における人材確保や事業拡大を検討している会社は、建設DXを活用して自社の労働環境を改善し、生産性を上げることが重要です。
今回は、建設DXが注目されている理由やすぐに取り組むべき6つの手法、成功事例を解説します。
建設業の会社で今後の経営に悩んでいる人や、建設DX化を具体的にどう進めればいいかわからない人はぜひ参考にしてください。
建設DXとは建設業にIT技術を導入による作業の最適化
そもそもDXとは、「デジタルトランスフォーメーション」の略語で、組織や業界がデジタル技術を活用し、業務の効率化や新たな価値の創出を目指す取り組みのこと。
建設DXは、従来の建設手法にIT技術やAI技術を組み合わせることで、人材不足の解消や従業員の長時間労働などの労働環境を改善する取り組みなどが当てはまります。
建設DXで主に利用される機能や技術は以下のとおり。
- AI
- IoT
- ドローン
- クラウドシステム
- BIM・CIM
DX化によるペーパーレス化やリモートでの働き方が浸透すれば、建設業のネガティブなイメージが改善できることが期待できます。
細かいDX化の手法に関しては記事の後半で解説します。
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建設DXが注目されている3つの理由
なぜ今の段階で建設DXが注目されているのでしょうか。
ここからは建設DXが注目されている3つの理由を解説します。
- 2024年問題に向けた働き方改革が必要だから
- 2025年の崖へのシステム対策が求められるから
- 建設業への就業者数を維持する必要があるから
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2024年問題に向けた働き方改革が必要だから
建設業の2024年問題とは、2024年から建設業に導入される時間外労働の上限規制をはじめとした働き方改革関連法を受け、建設業全体で働き方の改善が求められている状況のこと。
引用:[建設業及び建設工事従事者の現状]
データを見ると、建設業界は所定労働時間、所定内労働時間ともに全産業と比較して多い結果が出ています。
建設業は業界全体で人材不足が深刻なため、従業員1人に対する業務量が溢れており、長時間残業や週休を確保ができない状況が問題になっています。
建設DX化を行うことで作業員の業務量を減らし、働く環境を改善する必要があるでしょう。
2025年の崖へのシステム対策が求められるから
2025年の崖とは、経済産業省のDXレポートで話題になった言葉です。
DXレポートの内容は以下のとおり。
現状 | 多くの業界・会社では、デジタル技術を活用したDX化の重要性を感じている一方で、自社で扱う既存システムの複雑化や老朽化・ブラックボックス化の対処に課題を感じている |
2025年以降 | 既存システムの維持管理費が高騰し、経済損失が最大で年間12兆円(現在の約3倍)にまで増加する |
経済損失を回避するには、自社のシステムの状況を把握したうえで適切なシステム以降や導入を進める必要があるでしょう。
建設業全体でも、設計図や施工図のデータ化や書類のオンライン管理など、クラウドサービスの導入を踏まえたDX化が求められています。
建設業への就業者数を維持する必要があるから
引用:[建設投資、許可業者数及び就業者数の推移]
データを見ると、建設業では建設需要が高まっている状況に対し、就業者数が年々減少しています。
建設業は、今後も大阪万博に向けた建設需要の高まりや都市インフラの整備の需要が期待されており、将来性の高い分野であることは確かです。
自社の中でDX化を進め、従業員が働きやすい環境を整備して従業員を増やすことが、事業を維持・拡大するための重要な要素といえるでしょう。
建設業が取り組むべき建設DXの6つの手法
ここからは、建設業が取り組むべきDX化の6つの手法を解説します。
- AI(人工知能)が搭載されたロボット・システムの活用
- クラウドサービスを使ったペーパーレス化
- 情報通信技術を用いた作業の効率化
- ディープラーニングによる作業の省力化
- ドローンを使った測量・施工の手間の削減
- BIM・CIMを使った設計作業の簡略化
それぞれ詳しく見ていきましょう。
AI(人工知能)が搭載されたロボット・システムの活用
AI(人工知能)を搭載したロボットは、危険な作業や高度な精密作業が必要な現場で活躍します。
たとえば建設業の怪我や事故が多い資材の運搬作業をAIが担当するようになれば、従業員作業量を軽減し、安全を確保できます。
さらに、メンテナンス事業でAIを取り入れた監視システムを活用すれば、24時間365日の監視作業が人の作業なしで実現するでしょう。
AIは教育することで対応できる業務が増えるため、継続的にAI機能を活用して事業の生産性を上げることがおすすめです。
クラウドサービスを使ったペーパーレス化
建設DXのうち、今すぐできる対策はクラウドサービスを使ったペーパーレス化です。
クラウドサービスを活用すれば、以下の作業をクラウド上でデータの作成・管理できるようになります。
- 設計図
- 設計図
- 見積書
- 請求書
- マニュアル
- 施工管理計
- 勤怠管理
クラウド上で保存したデータを同時に複数人が閲覧・編集できれば、印刷するために必要な紙やインクのコストを削減できるでしょう。
さらに、書類の管理が楽になり、管理者の作業コストを減らすことにもつながります。
情報通信技術を用いた作業の効率化
情報通信技術とは、ICTと略されることもあります。
ICT(Information and Communication Technology)とは、通信技術を活用して人と人をつなぐ取り組みのこと。
たとえばスマートグラスを利用して、現場の作業員とオフィスにいる施工管理者が連絡をとりながら作業を進めれば、遠隔で作業内容を細かく指示できます。
他にも、ICT重機を使った施工に取り組めば、すでに取り込んだ施工データをもとに機械による自動的な施工作業を実施可能。
作業員が働けない環境でも施工を進められます。
ディープラーニングによる作業の省力化
ディープラーニングとは、AIに教育することで、状況に応じて適切な判断ができる状態を作る仕組みのこと。
ディープラーニングを活用した事例の一つは、安全衛生管理システムです。
画像認識機能を活用して、カメラに映った作業員の服装・ヘルメットや安全帯の有無を確認できます。
ディープラーニングは何千枚ものデータをAIに学習させることで正確な判断ができるようになります。
今後の技術の拡大により、工事の作業のほとんどをAIに任せられるようになるかもしれません。
ドローンを使った測量・施工の手間の削減
ドローンを活用すれば、測量や施工の手間が削減できます。
たとえば、ドローンによる上空からの画像を活用すれば、地面からの撮影の手間をすることなく測量データの取得が可能です。
また、施工現場でドローンが撮影した映像は、離れた現場にいる施工管理者の安全確認作業に活用できます。
現場での確認が不要になるため、会社と現場を行き来する必要がありません。
建設業の技術者不足の課題は、ドローンを使った施工管理で解消できるでしょう。
BIM・CIMを使った設計作業の簡略化
BIM・CIMとは建設情報のモデリング手法の一つで、3次元モデルとして完成を可視化できる点が魅力です。
BIMは主に建設現場で、CIMは主に土木関係のインフラ整備の現場で利用されます。
BIM・CIMを活用すれば、2次元の図面を作成するのと比べ、完成図をイメージしやすくなる点が特徴の一つ。
修正する際は一部を修正するだけで、関連するデータの更新も完了するため、作業の手間が削減できます。
設計作業が簡略化することで、着工までのスピードを早めることができるでしょう。
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会社ごとの建設DXの成功事例を5つ解説
実際に建設DXに成功している会社の事例を5つ紹介します。
- 東急建設株式会社|360°カメラの導入
- 清水建設株式会社|BIMデータを使った施工管理支援
- 鹿島建設株式会社|AIロボットの導入で作業員の労働力を削減
- 平山建設株式会社|クラウドツールを活用した作業効率化
- 株式会社上東建設|発注者と受注者の検査作業のリモート化
それぞれ詳しく見ていきましょう。
東急建設株式会社|360°カメラの導入
東急建設株式会社では、施工管理作業の効率化を目指すために360°カメラを導入しました。
施工管理は、作業の進捗を工事写真に残す必要がありますが、必要な情報が抜けている、確認したい箇所の写真がないなどのトラブルが発生することもあります。
360°カメラの導入により、撮影の撮り忘れを気にしなくても良くなり、現場の安全管理としても活用できています。
施工管理の工事写真の撮影の手間が削減できたことで、生産性が向上した事例といえるでしょう。
清水建設株式会社|BIMデータを使った施工管理支援
清水建設株式会社では、現場に行かなくても現場の状況がわかる状況を作るために、BIMデータや360°カメラ、VR技術や3D点群計測を活用しています。
BIMデータとクラウドシステムを連携し、360°カメラの映像とVR技術を取り込むことでVR空間内で施工管理について話し合えるということ。
設計担当者や技術担当者、協力業者や作業員、クライアントが一度に集まって施工について相談できるため、完成までの打ち合わせ回数を削減するメリットがあります。
さらに、クラウド上で施工管理を進めることができるようになったことで、現場巡回の手間が省けます。
結果として往復4時間かけて行っていた現場巡回の時間が、30分で済むようになり、労働生産性は8倍に向上。
施工管理の業務効率化に効果的な手法といえるでしょう。
鹿島建設株式会社|AIロボットの導入で作業員の労働力を削減
鹿島建設株式会社は作業員の資材運搬の手間を減らすため、AIロボットを導入しています。
たとえば追従運搬ロボットは、作業員を追尾して自動で資材の運搬が可能。
不整地の走行にも対応しており、屋外の建設現場など舗装されていない環境下でも活躍できます。
他にも配筋結束ロボットは、コンクリートへの埋め込みを目的に敷設した鉄筋を結束する機能を持っています。
通常であれば、作業員の中腰での作業が求められる作業をロボットが代わりに対応できるため、作業員の負担を減らせるでしょう。
ロボットの活用箇所を増やしながら、作業員の労働環境を改善しています。
平山建設株式会社|クラウドツールを活用した作業効率化
平山建設株式会社は中小企業の取り組むべき建設DXを成功させた事例です。
平山建設株式会社では、中小建設業でもできるスモールDXとして、クラウドをベースとしたコミュニケーションツールを活用しています。
ツール上では、工事に必要な図面や書類、写真などの作成が可能で、作成したデータはクラウドのストレージにて保管できます。
それぞれの書類や写真にメモを残せるため、他の作業員が資料を見た場合も情報の共有が可能です。
近年では、協力業者間での情報共有もデータを使って進めており、相手方に負担をかけずに効率よく作業を進められています。
社内全体でクラウドツールを使いこなせるように、社内研修やセミナーなど、社員教育にも力をいれている点が魅力の一つ
中小企業では、いきなり大規模なDX化は難しいかもしれません。
社員教育の環境を備えたうえで、クラウドサービスの導入から始めてみると良いでしょう。
株式会社上東建設|発注者と受注者の検査作業のリモート化
株式会社上東建設では、システムを活用することで、発注者と受注者の検査作業のリモート化に成功しています。
発注者と受注者の円滑なコミュニケーションを実現する「受発注者間工事情報共有システム」を導入することで、チャットやスケジュール管理、データ共有をシステム上で行うことが可能です。
遠隔臨場機能を活用すれば、リモートでの検査を進められ、発注者と受注者が直接現場で対面することなく納品できます。
コロナ禍の対面作業が制限されたことで、現場確認の効率化が実現した事例の一つといえるでしょう。
まとめ
今回は、建設DXの概要や、必要性が高まっている背景、具体的な取り組み方法や成功事例を紹介しました。
建設DXはすべての建設業の会社に取り入れる必要性がありますが、中小企業や法人化したばかりの会社では予算やリソースなどの関係ですぐに導入できない場合もあります。
まずは成功事例を参考に、自社の問題点や改善できるポイント、どんな建設DXで改善できるかを検討し、計画を立てることが重要です。
徐々に建設DXの割合を増やしていきながら、自社の強みを育てていきましょう。