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構造設計者として転職するには? 必要な資格、仕事内容や平均年収を徹底紹介

構造設計者として転職するには?未経験でもなれる?必要な資格やスキル、仕事内容や平均年収を紹介

設計士 転職

構造設計とは、建築物の安全性を確保するために、建物の土台や骨組みを設計しする仕事です。

建築物の構造計算を行い、建物の基礎や骨組みを設計図に落とし込む仕事は、正確な計算能力や想像力が必要です。

構造設計に転職するにはどんなスキルや資格が必要なのでしょうか。

今回は構造設計に転職する方法について、構造設計の仕事内容を紹介したあと、必要な資格や働ける転職先、平均年収などを詳しく紹介します。

設計の仕事に興味がある人や構造設計に転職したいと考える人はぜひ参考にしてください。

この記事の監修者
agent-hagi2
萩 祐太キャリアコンサルタント
業界最大手の保険会社での経験と「2級ファイナンシャルプランニング技能士」の知識から金融面のアドバイスも含めたキャリアサポートが可能。職人や施工管理、建設コンサルタントなどのマッチング実績を多く保有している。
目次

構造設計の仕事内容・1日の流れを紹介

まずは構造設計の仕事内容について紹介します。

  • 構造設計は建築設計の業務のひとつ
  • 構造設計の1日の流れ

それぞれ詳しく紹介します。

構造設計は建築設計の業務のひとつ

構造設計は建築設計と呼ばれる設計業務のうちのひとつです。

建築設計とは以下の3つに分かれます。

  • 意匠設計
  • 設備設計
  • 構造設計

意匠設計は建物の間取りやデザインを設計し、設備設計は空調や音響、排水などの配置を計算し、快適に過ごせる環境づくりを計画します。

そして構造設計は、意匠設計のデザインをもとに建物を支える柱や壁などのサイズや形状を決め、デザイン通りになる配置を調整します。

さらには建築基準法に適合した建築物になるように、設計全体を確認するのが構造設計の仕事です。

設計と一言で表現しても、さまざまな分野がまとめられていることが分かります。

設計士を目指す人は、どの分野に関わりたいかで、転職したい職種が変わることを理解しておきましょう。

構造設計の1日の流れ

ここからは構造設計の1日の流れを紹介します。

構造設計の転職を目指す人は、働き方の参考にしてください。

時間 業務内容
9:0 メールチェック

今日の仕事内容の確認

10:00 構造計算

図面作成

12:00 昼休憩
13:00 午前の業務の続き

構造計算

図面作成

15:00 社内ミーティング

意匠設計との打ち合わせ

18:00 終業

場合によって打ち合わせ内容の報告書作成など

参考:[セカコンラボ]

構造設計の1日の仕事には意匠設計との打ち合わせなどが含まれますが、これは案件の進捗によって内容が異なります。

案件が始まってすぐは設計図への落とし込みの関係で意匠設計との打ち合わせが多いですが、中盤になると設備設計や施工管理との打ち合わせ、書類の申請作業が増えます。

工事開始前には現場確認や検査の立会い、工事終了後には現場完了検査の立会いが必要です。

案件の進捗によって業務内容が変化する点も理解しておきましょう。

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構造設計者に必要なスキル・能力3選

ここからは構造設計に必要なスキルや能力を紹介します。

構造設計者に必要なスキル・能力は以下の3点です。

  • 空間把握能力
  • 力学的な解析の能力
  • 想像力

それぞれ詳しく見ていきましょう。

空間把握能力|頭の中ですぐに立体的にイメージする能力

構造設計者に必要なスキルは、空間把握能力です。

なぜなら構造設計の仕事の目的は建物として安全性や耐震性の確保であるため。

意匠設計のデザインを見た上で、実際に設計を進めても建物の構造に問題はないかを、イメージして設計を進める必要があります。

現在は3Dの設計データを利用できるので、以前よりはイメージがしやすくなっていますが、平面のデータでも空間把握ができる能力があれば、どんな現場でも即戦力となるでしょう。

力学的な解析の能力|建物の仕組みに関する深い知識

構造設計者は、力学的な解析の能力も求められます。

構造設計者は建物の強度を上げるための対策や安全性を高める設計の改善など、建物そのものの構造を理解して設計することが重要です。

構造計算をはじめ、建物の仕組みに関する知識があれば、意匠設計のデザインにあった最適な提案ができる構造設計者になれるでしょう。

想像力|クライアントのイメージを形にする能力

構造設計者に必要なスキルは、想像力です。

なぜなら、構造設計や意匠設計、設備設計によって作成された設計図に基づいて建物ができるということは、実際にできていないものをイメージして必要な設備や構造を作り上げなければいけないため。

クライアントの要望を聞きながら、必要な建物の構造や対策をすぐにイメージできるようになれば、構造設計者としての仕事の幅がさらに広がるでしょう。

構造設計者になれば働ける転職先

構造設計者が働く職場は大きく分けて以下の3つです。

それぞれの職場での構造設計者の働く方を比較して、どこに転職したいかを検討しましょう。

  • 設計事務所
  • ゼネコン
  • デベロッパー

それぞれ詳しく説明します。

設計事務所|設計のプロフェッショナルになる

構造設計者が働く場所には、設計事務所があります。

設計事務所とは建設工事の中でも、建物の設計部分を担当する会社です。

ゼネコンや建設会社から建物の設計に関する依頼を受けて、クライアントとの打ち合わせや設計図の作成を行います。

設計事務所には意匠設計や設備設計も所属しており、設計に関するスペシャリストが集まる職場といえるでしょう。

ゼネコン|建設業務を一貫して対応する

ゼネコンは建物の設計から施工、保守管理まで一貫して担当する総合建設会社です。
ゼネコンの中には建物の建設に必要な過程に沿って部署が存在しています。
構造設計がゼネコンで働くには、建築設計に関する部署への転職を狙いましょう。

ゼネコンで働く場合、場合によっては意匠設計や設備設計の仕事をしたり、設計以外の部署で働く可能性もあります。

建設業で働くための幅広い実績を積むチャンスなので、建設業界の他分野を学びたい人におすすめです。

デベロッパー|土地や町の開発に携わる

デベロッパーとは、土地や街の開発を担当する仕事です。

商業施設やマンション開発、大規模宅地開発などの計画に対して、土地の調査や企画を作成します。

デベロッパーはゼネコンや建設会社とは異なり、建物を建てる前の段階に関わります。

建物が立つ前の周辺の土地の調査を行い、建設された建物によって地域がどう活性化するかまでを考える仕事です。

構造設計として、設計することはないかもしれませんが、構造設計の知識はデベロッパーには欠かせません。

設計図を書く以外の分野でも構造設計の知識を活用したい人におすすめです。

構造設計の平均年収

ここからは構造設計の平均年収を見ていきましょう。

厚生労働省が運営するjobtagによると、建設設計技術者の平均年収は620.4万円です。

国の平均年収と比べると、下記のとおり。

建設設計技術者 国の平均年収
平均年収 620.4万円 443万円

引用:[jobtag],[国税庁]

平均年収を比較すると、建設設計技術者の平均年収は国の平均よりも100万円以上高いことが分かります。

構造設計という職種は、建設設計や設計士などの平均年収とまとめて記載されていることがほとんど。

他に調査したデータによると、構造設計の平均年収の金額帯は400〜800万円という結果でした。

上で説明したように、構造設計の働く場所はさまざまです。

働く場所や勤務年数、資格の有無などによっては1,000万円以上を狙うことも可能です。

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構造設計に転職する際に取得しておくべき資格

ここからは構造設計に転職する際に取得しておくべき資格を3つ紹介します。

  • 一級建築士
  • 構造設計一級建築士
  • JSCA建築構造士

それぞれ詳しくみていきましょう。

一級建築士|建築士の中で1番レベルが高い資格

建築士の資格には、木造と二級、一級に分かれます。

一級建築士は3つの資格の中で最もレベルの高い資格。

一級建築士の資格を取得すればどんな規模の建物の設計もできるようになります。

一級建築士に合格するには、建築物の設計・工事監理に関する深い知識が必要です。

ちなみに令和4年度の一級建築士の合格率は下記のとおり。

学科試験 設計製図試験 総合合格率
合格率 21.0% 33.0% 9.9%

引用:[TAC]

まずは木造、二級の試験に合格してから一級の試験に臨みましょう。

構造設計一級建築士|一級建築士の資格からさらに5年が必要

構造設計一級建築士の資格は建築士資格の上位に当たる資格で、平成20年に創設されました。

資格が創設されたきっかけは平成17年に起こった「耐震偽装問題」です。

耐震偽装問題とは、建物の建設費を抑える目的でコンクリートなどの量を減らすよう構造計算書を偽装した事件です。

耐震偽装問題をきっかけに構造設計に対する信頼性を求める声が高まり、構造設計一級建築士の資格が創設されました。

現在は、大規模な建築物を建設する案件では、設計士が設計した内容を構造設計一級建築士が確認する必要があります。

構造設計一級建築士の資格を取得するには、一級建築士の資格を取得してから5年の構造設計の実務経験が必要です。

資格を取得するまでにかなりの年数がかかる可能性もあるため、構造設計として働きながら資格の取得を目指しましょう。

JSCA建築構造士|構造設計一級建築士からさらに2年が必要

JSCA建築構造士は、一般社団法人日本建築構造技術者協会が主催する民間資格のひとつです。

受験資格を取得するには、構造設計一級建築士の資格に加えて、2年以上の構造設計や工事管理の実務経験が必要です。

受験難易度の高い資格だからこそ、取得していだけで自分の価値を高められます。

上記で紹介した資格を含め、下記のスケジュールで資格の取得に取り組めば、構造設計者としてどこでも通用できる人材になれるでしょう。

  1. 一級建築士
  2. 構造設計一級建築士
  3. JSCA建築構造士

取得までかなり時間がかかることが予想されるため、早い段階で実務経験を積んでおくなど計画を立てて取り組みましょう。

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未経験でも構造設計に転職できるのか?答えは「できる」

未経験でも構造設計に転職できます。

今回は未経験でも構造設計に転職できる理由を3つ紹介します。

  • 人材を育てていく必要があるため
  • 建設業界は人手不足であるため
  • 建設業界は高齢化が深刻であるため

それぞれ詳しくみていきましょう。

未経験でも構造設計に転職できる理由1|人材を育てていく必要があるため

構造設計の仕事には、未経験でも募集している募集もあります。

引用:[求人ボックス]

未経験を募集する理由は、確保した人材を将来戦力になるように育成するため。

実際に未経験の構造設計を募集する求人の多くは、資格取得支援制度や研修制度が充実しています。

資格や経験がない段階では、給与が低い可能性はありますが、働きながら知識をつけ実績を積める環境は未経験から構造設計を目指したい人には好条件といえるでしょう。

未経験で募集している求人を探す場合は、研修制度があるか、資格取得に関する手当はあるかなど条件を確認してみてください。

未経験でも構造設計に転職できる理由2|建設業界は人手不足であるため

未経験でも構造設計に転職できる理由は、建設業界の人手不足です。

建設業界は深刻な人手不足に直面しています。

実際に、国土交通省のデータによると建設業界で働く人材は年々減少しているデータがでています。

引用:[最近の建設業を巡る状況について]

データを見ると、令和2年度の建設就業者は492万人で、建設就業者数が最も多かった平成9年と比較すると28%も低下。

特に平成27年以降からは建設投資が増加しているにもかかわらず、建設就業者数が減少しています。

建設会社の多くは仕事があるのに人が足りないという状況に陥っていることが想像でき
るでしょう。

そのため、未経験でもいいから人材を確保したいという会社があるのかもしれません。

未経験でも構造設計に転職できる理由3|建設業界は高齢化が深刻であるため

建設業界は、人材不足に加えて高齢化が深刻です。

引用:[最近の建設業を巡る状況について]

データを見ると、令和2年の建設業の働く人材の36%が55歳以上であることが分かります。

さらに、29歳以下の人口は11.8%。

つまり、若者が建設業に就職しないため、どんどん建設業全体が高齢化しているということ。

就業者が高齢化していると、退職するタイミングで一気に人材は減ってしまう。

人材を確保するために、未経験でもいいから人を募集していることが多いのでしょう。

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構造設計の仕事は海外で働けるのか?答えは「努力次第では働ける」

構造設計として海外で働きたい人は、ゼネコンへの転職を目指しましょう。

大手ゼネコンは国内外にクライアントを保有しており、海外の工事を対応することもほとんど。

海外で働きたい人は、準大手ゼネコンやスーパーゼネコンに転職して、実績を積んでいく方法がおすすめです。

海外で働くには、構造設計としてのスキルを磨くだけでなく英語力もつけなければいけません。

初めから海外で働きたい意思を会社に伝え、いつでも海外で働けるように準備しておきましょう。

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構造設計の仕事に向いている人の特徴

ここからは構造設計の仕事に向いている人の特徴は以下のとおりです。

  • 常に新しい技術を学び続けられる人
  • 正確に仕事をこなす真面目な人
  • コミュニケーション力が高い人
  • イメージを具体的な形にできる想像力がある人

構造設計は建物の構造を管理し、安全な建物を作るために必要な存在です。

そのため、構造計算や力学的な知識が豊富で、正確に仕事をこなす真面目な生活が向いているでしょう。

ただ、正確さや几帳面さだけでは構造設計の仕事は務まりません。

構造設計は建設設計の一部であるため、その他の意匠設計や設備設計と意思疎通をしながら設計を進める必要があり、コミュニケーション力は必須です。

さらに常に進化し続ける技術に対応するために、常に学び続けられる姿勢があれば、構造設計として活躍できるでしょう。

構造設計に転職したい人は転職エージェントに相談すべき

構造設計に転職したい人は、転職エージェントに相談しましょう。

なぜなら構造設計の仕事内容は会社によって異なるため。

事前に知識を持つエージェントが仲介した方が、入社後のギャップを防げます。

さらに、転職エージェントから応募文の添削や面接対策などのサポートが受けられれば、転職準備の手間が省けます。

構造設計の転職を成功させたい人は、建設業界に特化した転職エージェントであるビーバーズにご相談ください。

建設業ならではの悩みに寄り添い、その人にあった転職先を一緒に考えます。

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まとめ

今回は構造設計の転職について、転職に役立つ資格や平均年収、構造設計に向いている人の特徴などを紹介しました。

構造設計は、設計士の中でも建物そのものの仕組みを理解し、安全性を確保するための設計を行う仕事です。

建物の構造に関する理解が深く、立体的にイメージが素早くできる人に向いている仕事と言えるでしょう。

構造設計の仕事は未経験でも挑戦できる仕事です。

仕事をこなして実績を積みながら、必要な資格を取得して経験値を積んでいきましょう。

構造設計への転職を目指す人は、転職エージェントに相談するのがおすすめです。

必要な対策やサポートを受けながらスムーズに転職活動を進められるでしょう。

本記事が参考になれば幸いです。

この記事の監修者
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萩 祐太キャリアコンサルタント
業界最大手の保険会社での経験と「2級ファイナンシャルプランニング技能士」の知識から金融面のアドバイスも含めたキャリアサポートが可能。職人や施工管理、建設コンサルタントなどのマッチング実績を多く保有している。

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