ビルメンテナンスはきつい仕事?仕事内容や辛いポイント、仕事のやりがいや向いている人の特徴を紹介
働き方やキャリア 転職ビルメンテナンスとは、高層ビルや商業施設、ホテルやマンションなどの建物の維持・管理する仕事です。
ビルメンテナンスは建物の管理が主な業務で業務量や残業が少ないことから、働きやすいと考える人がいる一方で、業務内容によっては「きつい」と考える人もいます。
ビルメンテナンスとして働きたい人は、業務のメリット、デメリットどちらも把握しておけば、必要な対策を取れるでしょう。
今回はビルメンテナンスの業務内容について、きついポイントや仕事のメリット、会社のタイプによる業務の違いや仕事が向いている人を紹介します。
ビルメンテナンスの仕事について気になる人、転職を検討している人はぜひ参考にしてください。
ビルメンテナンスの4つのきついポイント
ここではビルメンテナンスのきついポイントを4つ紹介します。
- 夜勤や宿直がきつい
- 汚れ仕事の処理がきつい
- 覚えることが多くてきつい
- 年収が低くてきつい
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.夜勤や宿直がきつい|生活リズムが崩れるのが嫌な人には不向き
ビルメンテナンスは建物を24時間365日管理する仕事です。
そのため、働く時間が朝になることもあれば、夜になることもあります。
基本的に下記のように3つの時間でシフトを管理します。
日勤 | 8:30〜17:30 |
夜勤 | 17:30〜翌8:30 |
宿直 | 8:30〜翌8:30 |
日勤であれば残業のない快適な働き方といえますが、夜勤や宿直の働き方は、生活リズムが崩れたり長時間労働がきついと感じるかもしれません。
夜勤や宿直での働き方を避けたい人であれば、仕事先での働き方を事前に確認するのがおすすめです。
2汚れ仕事の処理がきつい|トラブル対応が苦手な人には不向き
ビルメンテナンスは、ビルの利用者が快適に生活できるように設備の点検やメンテナンスを行う仕事です。
たとえばトイレが詰まった・空調機が壊れたなどのトラブルが発生すれば、汚れまみれになりながら対処する必要があります。
トラブル対応などで汚れ仕事が発生する点で、きついと感じる人がいるかもしれません。
ただ、こういった汚れ仕事は、担当する設備によって避けることができます。
自分が対応できる設備を増やし、汚れ仕事トラブルが少ない業務を担当すれば、きついポイントが解消されるかもしれません。
3.覚えることが多くてきつい|勉強が苦手な人には不向き
ビルメンテナンスは、未経験からでも挑戦できる仕事ですが、設備の点検やメンテナンスを行う上で資格の取得は必須です。
資格の勉強に加え、基本的な設備の使い方やトラブルが起こった際の対処法まで、さまざまな知識を学ぶ必要があります。
基本的にビルメンテナンスとして働く際に、すぐに覚えるべき設備内容は下記のとおり。
- 電気設備
- 給湯・給排水設備
- 冷凍・冷却設備
- ボイラー
- ダクト
- 空気調和設備
- ガス設備
- 警報設備
- 消火設備
- 誘導・避難設備
- エレベーター・エスカレーター設備
- 駐車場設備
工場などの大型の設備になれば、機械ごとの特徴の深い知識が求められるため、覚える量はさらに増えます。
日常の業務量は少ないのは、ビルメンテナンスはトラブルが発生した際に本領を発揮する仕事であるため。
いざという時に対応できるように、普段から勉強し続ける必要のある業務ともいえるでしょう。
4.年収が低くてきつい|高年収を狙う人には不向き
ビルメンテナンスのきついポイントは、年収の低さです。
はたらいくの調査によると、ビルメンテナンスの平均年収は287万円で、月収にすると21万円程度です。
低い年収が原因で、生活するのがきついという人もいるかもしれません。
しかし、この数値はあくまでも平均年収です。
働く場所や業務内容によっては500万円以上の年収を稼いでいるビルメンテナンスもいます。
自分が年収を上げるために何ができるかを考えながら行動できれば、ワークライフバランスの取れたビルメンテナンスの仕事で高い年収を狙えるでしょう。
ビルメンテナンスの年収について詳しく知りたい人は、下記の記事を参考にしてください。
ビルメンテナンスの仕事内容や1日の流れ
ビルメンテナンスのきついポイントがわかったところで、ここからはビルメンテナンスの仕事内容や1日の仕事の流れについて紹介します。
日勤の場合、1日の仕事の流れは以下のとおりです。
時間 | 業務内容 | 作業の詳細 |
8:30〜9:00 | 出勤・朝礼 | 宿直や夜勤担当者から夜間の出来事に関する報告 業務の引継ぎ 1日の業務の確認 |
9:00〜10:30 | 点検作業 巡回 |
施設内の巡回 設備に異常がないかを確認 |
10:30〜11:30 | 打ち合わせ | 工事業者との打ち合わせ |
12:00〜13:00 | 昼休憩 | |
13:00〜14:00 | 設備点検 | 施設内の巡回 設備に異常がないかを確認 |
14:00〜16:00 | 待機時間 | 点検終了後は待機時間 場合によって打ち合わせあり |
17:00〜17:30 | 退勤準備 引き継ぎ |
夜勤や宿直に対して引き継ぎ報告 |
17:30 | 退勤 |
1日の作業内容を見てわかるように、基本的に設備の点検ができれば業務は終了です。
たまに新しい設備に関する打ち合わせや図面チェック、書類作成などを行うこともありますが、日常的に発生する仕事はわずかです。
設備の点検が終われば、待機時間となり書類作業や引き継ぎに関する申し送り事項を確認します。
ビルメンテナンスとして働く場合は、ビルの種類や特徴によって点検時間が異なることもあり、場合によっては日中の作業がもっと減る場合もあります。
働く職場での1日の業務内容は、事前に確認しておくのがおすすめです。
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ビルメンテナンスできつい・激務と言われる現場とは?
ビルメンテナンスの1日の業務は少ない印象でしたが、施設によっては多忙で業務量が多い場合もあります。
ここからはビルメンテナンスの中でもきつい・激務と言われる現場を4つ紹介します。
- ホテル
- 商業施設
- 病院
- 工場
それぞれ詳しくみていきましょう。
ホテル|顧客が多種多様でクレーム対応に疲弊
ホテルのビルメンテナンスは、激務であることが多いです。
なぜならホテルでのトラブルが起こる場合、客室にてトラブル対処をすることが多いから。
顧客の種類も多様であるため、クレームの対応に疲弊してしまうかもしれません。
また、利用客の少ないチェックアウトからチェックインまでの少ない時間の中で全ての設備を点検する必要があります。
ホテルによっては温泉やジムなどを設置していることもあり、対応する設備の数が増えてしまう点も激務になる原因のひとつでしょう。
商業施設|夜勤の業務が多忙
商業施設では、利用客が多い分クレームの数が多い傾向があります。
テナントごとの特徴を把握した上でメンテナンスを行う必要があったり、店が閉まった後の点検を求められたりするため、夜勤の業務量の方が多いと考えられます。
イベント開催時には、場所提供側として安全管理や設備の調整、準備を行う必要も発生するかもしれません。
幅広い要望に対応しながら設備管理を行う点からは、成長できる環境だというメリットがありますが、ビルメンテナンスの中では激務な職場といえるでしょう。
特に夜勤で働く場合に業務量を増やしたくない人には、おすすめできない職場です。
病院|命に関わる業務に対する緊張感が必要
病院のビルメンテナンスは、夜勤の業務量が多く不安や責任の多い仕事です。
病院の設備の多くは、患者の治療に使うものです。
停電が起これば、患者の命に関わる危険もあるため、細心の注意が必要。
基本的には病院が閉館した夜のうちにメンテナンスを進めるため、夜勤の仕事量が多いのが特徴です。
また、病院でのビルメンテナンス業務は、メンテナンスにおける緊張感以外にも、衛生面での不安が挙げられます。
感染症や病気にかかるリスクは、他の設備のビルメンテナンスよりは高くなる可能性があるため、衛生面の不安を避けたい人は病院での勤務はおすすめできません。
工場|機械に関する幅広い知識が求められる
工場での業務が忙しい理由は、設備の種類が多く、求められるスキルが高いからです。
工場は、毎日複数の機械を稼動させながら製品を生産しています。
ひとつの機械にトラブルが起きれば、工場自体の稼働がストップしてしまい、大規模な損害につながります。
工場のビルメンテナンスとして働くには、トラブルを防ぐためにより一層慎重なメンテナンスや点検が必要です。
機械のメンテナンスを適切に行うために、ビルメンテナンスとして一定のスキルや実務経験、資格の取得を求められるかもしれません。
求められる実力は高いですが、その分年収が上がるなどのメリットもあるため、ビルメンテナンスで高年収を狙いたい人とっては向いているかもしれません。
ビルメンテナンスのメリット3選
ビルメンテナンスの働き方は、きついと言われる一方でいくつかのメリットがあります。
ビルメンテナンスのメリットは以下の3つです。
- 休みが多く残業がない
- 年齢を問わず働きやすい
- 安定した業界で将来なくなる心配がない
それぞれ詳しくみていきましょう。
休みが多く残業がない|シフト制で自分の時間を作れる
ビルメンテナンスのメリットは、休みが少なく残業がない点です。
先ほども説明したとおり、ビルメンテナンスはシフト制で業務内容が分けられています。
業務内容に関してもシフトで入る人全てが対応できる業務がほとんであるため、引き継ぎができていれば、次のシフトの人に業務を任せることも可能。
そのため、基本的に残業がありません。
シフト勤務であるため、「土日祝日が必ず休み」というわけにはいきませんが、シフトの調整範囲内での休みは十分に取れます。
仕事量が少なく休みが多い点は、ビスメンテナンスの大きなメリットといえるでしょう。
年齢を問わず働きやすい|誰でも何歳でも働ける
ビルメンテナンスは年齢を問わず働ける職場です。
長時間労働や体力のいる業務がないため、何歳からでも挑戦できます。
ビルメンテナンスに関係する資格を取得していれば、年齢を問わず需要が高まるでしょう。
そのため、施工管理として働いていた人が定年退職後にビルメンテナンスとし再就職するという事例もあるほど。
長く働ける職場という点は、ビルメンテナンスのメリットといえるでしょう。
安定した業界で将来なくなる心配がない|将来性があって安心できる
ビルメンテナンスは将来性のある仕事です。
なぜなら、現時点で大量のビルが建設されており、建設されたビルは長期的に維持管理する必要があるため。
建物がある限り、ビルメンテナンスの需要がなくなることはありません。
どんな時でも建物を管理する人材は必要であるため、景気や時勢に影響されない点も魅力のひとつです。
将来のことを考えて、安定した職業に就きたいという人は、ビルメンテナンスを検討するのもおすすめです。
ビルメンテナンスに有利になる資格
ビルメンテナンスとして働く場合、資格を取得すれば給与が上がったり、対応できる業務が広がったりとメリットになります。
ビルメンテナンスが取得すべき資格は以下のとおりです。
ビルメン4点セット | 第二種電気工事士 |
二級ボイラー技士 | |
危険物取扱者乙種四類 | |
第三種冷凍機械責任者 | |
ビルメンの三種の神器 | 建築物環境衛生管理技術者(通称:ビル管理士) |
エネルギー管理士 | |
第三種電気主任技術者 |
少なくとも、ビルメン4点セットがあれば基本的な設備のメンテナンスができます。
ビルメン三種の神器を取得すれば、大型の機械に対する点検ができるようになるため、働ける場所が広がります。
未経験からビルメンテナンスに挑戦する人は、まずはビルメン4点セットのどれかの資格取得に向けて勉強を始めてみてください。
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ビルメンテナンスに向いている人の特徴3選
ビルメンテナンスが向いている人は、下記のような特徴がある人です。
- ワークライフバランスを重視する人
- 定年後もゆっくり働きたい人
- 施工管理など激務な職場から転職したい人
それぞれ詳しくみていきましょう。
ワークライフバランスを重視する人|休みや残業を重要視
少ない残業時間で、休日を確保しながら働きたい人は、ビルメンテナンスの仕事に向いています。
ビルメンテナンスの仕事は、業務量が少なく残業することもほとんどないため、ワークライフバランスを重視する人におすすめです。
シフト勤務であること、土日祝が必ず休みではない点が、他の働き方とは違いますが、休みが確保されていることに変わりはありません。
仕事とプライベートの時間をしっかり分けて、家族との時間を大切にしたい人は、ビルメンテナンスの仕事を検討してみてください。
定年後もゆっくり働きたい人|老後も働ける職場
ビルメンテナンスは、定年後でも働ける仕事です。
実際にビルメンテナンスとして働く人口のうち、60歳以上の割合は20%を越えています。
引用:[公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会 「ビルメンテナンス情報年鑑2020」]
ビルメンテナンスは年収が低いというデメリットがありますが、年金をもらっている人たちからすると、十分な金額とも考えられます。
定年までは、建設業界の多忙な職場でバリバリ働き、定年後はビルメンテナンスとしてワークライフバランスの整った仕事を続けていくのもひとつの方法でしょう。
施工管理など激務な職場から転職したい人|多忙な業務からの脱却
建設業の中でも、特に激務と言われる職種は施工管理です。
施工管理の多忙な働き方から、仕事量の少なく安定した仕事に転職したいという人にとって、ビルメンテナンスは適任かもしれません。
施工管理と比べ年収が下がるかもしれませんが、施工管理として働いていた頃に取得した資格によってはビルメンテナンスの中でも高い年収を獲得できる可能性もあります。
仕事量を調整しながら働きたい人であれば、ビルメンテナンスという働き方を検討してみてください。
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まとめ
今回はビルメンテナンスの業務について、きついポイントは働く上でのメリット、1日の業務の流れや向いている人の特徴を紹介しました。
ビルメンテナンスは、業務量が少なく休みを取りやすい仕事で、ワークライフバランスを重視した働き方を目指す人にはおすすめです。
しかし、夜勤や宿直業務がしんどい、クレーム対応が大変などきついポイントがあるのも事実です。
働く職場によっても業務の多忙さやきつさが異なるため、事前に働きたい施設や場所の情報を集めておくのがおすすめ。
ビルメンテナンスは将来性のある仕事で、定年後も働けるというメリットもあるため、長く安定した働き方をしたい人はぜひ検討してみてください。
本記事が参考になれば幸いです。