建設コンサルタント独立の方法!仕事獲得方法や独立のメリットを徹底解説
建設コンサルタント建設コンサルタントとして働く方の中には独立したいと考えている方もいらっしゃると思います。実際、建設業界では建設コンサルタントとして独立している方も少なくありません。しかし、同じ建設業界の独立とはいっても職人などの一人親方とは違い、完全に独立して開業するという人はほとんどいないため、独立のやり方には少し注意する必要があります。この記事では独立に必要な準備や手順について詳しく解説していきますので、最後までご覧ください。
そもそも建設コンサルタントは独立できる?
建設コンサルタントは独立することができます。ただし、独立とはいっても開業するということはほとんど現実的ではありません。なぜなら建設コンサルタントが取り扱う工事は大規模なものが多いため、個人では請け負うことがほとんどできないからです。
そのため、建設コンサルタントとして独立する際にはフリーランスのような形で、建設コンサルタントの下請けとして働くことになります。この記事では独立を開業するという意味ではなく、あくまでフリーランスとして会社に縛られずに働くという意味で解説していきます。
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建設コンサルタントが独立する上で必要なこと
最初に建設コンサルタントがフリーランスとして働くために必要な準備についてご紹介します。
独立に必要な経験
当然のことではありますが、フリーランスとして働くためには十分な経験と知識が必要です。そのため、独立の前に建設コンサルタントとして企業で十分に経験を積んでおく必要があります。建設コンサルタントには特別な資格が必要なわけではないので、大まかな目安にはなりますが最低でも10年は建設コンサルタントとして働き、自信をもって仕事ができるようにしておきましょう。
独立に必要な資格
フリーランスとして働く場合には特別な資格は必要がありません。しかし、建設コンサルタント登録制度というものがあるので、フリーランスとして安定して働くためにはそちらの登録を受ける方が良いかもしれません。登録には技術士の資格が必要になるので、建設コンサルタントとして働く中で実務経験を積み、技術士の資格を取得しておくのが望ましいでしょう。
独立に必要な資金
建設コンサルタントは特に道具などが必要というわけではないので、それほど資金は必要ありません。しかし、独立することで収入が不安定になり、特に最初の半年間は収入がほとんど入ってこないこともあるので、最低でも収入がなくても半年間困らない程度の貯蓄は必要です。
また建設コンサルタント登録制度の要件の中には、自己資本が1000万円というものがあるので、登録を受けるためには1000万円以上の資金が必要になります。
独立した建設コンサルタントが成功する手順
建設コンサルタントが独立して、安定して収入が得られるようになるための手順についてご紹介します。
1.まず下請けに徹するべきことを理解する
建設コンサルタントが独立すると、下請けとして働くことになります。そもそも建設コンサルタントが大規模な工事を受注して、依頼通りに工事の計画を立てていくものになりますが、個人ではそのような案件を直接受注することは不可能です。そのため、既存のコンサルタントの下請けとして働く以外に独立する手段はありません。建設コンサルタントとしてフリーランスで働く場合には顧客は元請けの建設コンサルタントの会社になることを理解しておく必要があります。
2.下請けの存在と市場規模を再認識する
建設コンサルタントの企業すべての受注額を合計するとおおよそ1兆円になります。その中で、外注比率は約3割なので、下請けの受注額はおよそ3000億円になる計算です。さらにここからどのくらいの人が下請けとして働いているか計算すると、下請けとしておよそ5万人が働いていることになります。
3.建設コンサルタントの実行予算を把握する
実際に下請けとして働く際に、どのくらいの単価が適正なのか理解するために、予算の把握が必要です。
建設コンサルタントの技術者一人当たりの売り上げノルマは3000万円、そのうちの利益がおよそ900万円程度です。2100万円は経費として使っていくことになりますが、外注費に使う予算はおよそ900万円です。このように、下請けのコンサルタントは取引先が外注費として使える予算を把握したうえで、いくらで仕事を受けるか検討する必要があります。
4.下請け発注の意思決定プロセスを把握する
上記の通り、建設コンサルタントの技術者は一人で3000万円の売り上げをつくり、900万円を利益として確保する必要があります。一見すると簡単そうに見えますが、技術者自身の給料や経費などを考えると、適切な下請けに発注しなければ利益の確保はできません。そのため、元請けの建設コンサルタントは予算内で、ある程度の技術力がある下請けを求めています。逆に言えばこの条件を満たしていれば仕事を発注してもらえるということなので、予算を理解しておくことは非常に重要です。
5.下請け仕事の具体的獲得手段を検討する
予算を把握し、どれくらいの単価で仕事を受けるか決定したら、どの規模のどのような工事を取り扱う建設コンサルタントの仕事を受けるかを検討する必要があります。建設コンサルタントの会社はおよそ4000社ほどあるため、その種類は多岐にわたります。それぞれ取り扱う規模などが異なるので、しっかりと方針を決めたうえで営業をする必要があります。
独立した建設コンサルタントの安定的な仕事獲得方法
独立するとどうしても収入が不安定になってしまいますが、やり方次第では安定して高収入を得ることもできますので、その方法についてご紹介します。
付き合いのある企業から下請けで受注する
建設コンサルタントは大規模な工事を請け負うことが多いので、新規で顧客を獲得することが難しいと考えられます。そのため、独立する前に仕事をしたことがある取引先から仕事を受注することが主な案件の獲得手段となるでしょう。下請けとして受注できるようにするためにも、独立する前からしっかりと信頼関係を築いておきましょう。
長期的目線で入札に参加する
短期的な仕事ばかり見ていると、頻繁に案件を受注する必要があるので、案件を安定して受けることが難しくなります。長期的な目線で入札に参加することで、次の案件までの見通しが良くなるので、安定して受注することができます。案件受注の際には長期的な目線を意識しましょう。
フリーランス専門サイトを活用する
個人ではなかなか難しい案件であっても、フリーランスエージェントの活用によって案件を受注できる場合があります。中でもビーバーズフリーランスは建設業界に特化しているので、建設業界の案件であればよい条件のものを見つけることができます。案件を受注した後のフォローも充実しているので、安心して案件の受注ができます。
独立で失敗する建設コンサルタントの特徴
独立した際、技術はもちろん重要ですが、それと同じくらい、経営面での能力も必要になります。独立するということは提供した価値の大きさに応じた報酬を受け取る意識が重要です。もう一つ、価値とは「顧客にとっての価値」です。あなたが「価値がある」と思っていても、顧客にとって価値があるとは限りません。特に、学歴、経歴、保有資格等は信用にはなりますが、それは「顧客にとって価値はない」ことを認識する必要があります。ステータス感は捨てた方がよいでしょう。そのため、顧客となる建設コンサルタントの技術者が、何を考えて何に困って、何を求めているのか理解している必要があります。そのために独立で成功したい方は元請けでの業務経験が重要になってきます。ここでは独立して失敗する建設コンサルタントの特徴をまとめているので、参考にしてください。
技術レベルが低い、対応範囲が狭い
技術レベルが低いことはフリーランスとしては致命的な問題です。独立すると、基本的に仕事は全て業務委託になるはずです。そのため、社員よりも仕事に対する責任が重くなります。技術レベルが低いと、取引先からの信頼を失ったり、報酬が減額されたりする可能性もあるので、しっかりと経験を積んでおくことが重要です。
また、業務の対応範囲が狭く、自分の得意な分野しかできなければ、取引先は発注しづらいので、自分のメインの分野の周辺の業務程度はできるようにしておくことが重要です。
仕事の請け方に工夫がない
下請けの際、いくらで工事を請け負うのか、ということは自分の収入に直結するのでとても重要な部分です。下請けの際やりがちなのが図面一枚でいくら、一日いくら、といった清算方法ですが、このやり方をしすぎるのは良くありません。なぜならこの方法では業務をいくら効率化しても収入が増えないからです。
確かに単価×数量のような報酬の決め方はわかりやすく、受注する側としてはリスクが少ないかもしれませんが、仕事に対するモチベーションがなくなって、高付加価値化することが難しくなります。なるべく図面一式でいくら、といったような決め方にするよう、気をつけましょう。
顧客選びが上手くない
取引先からの信頼も大切ですが、下請け側である建設コンサルタントも信頼できる発注元を選ぶ必要があります。例えば無理な工期を迫られたりするなど、いい取引先ばかりとは限りません。建設コンサルタントには仕事を選ぶということも重要ですが、それ以上にしっかりと顧客を見極める必要があります。取引先に振り回されないように、常に良好な関係を築けるように気を付けてください。
実際に独立した建設コンサルタントの声
ここでは実際に独立した建設コンサルタントの方の話を参考に、実際の独立の流れがどのようなものなのか、苦労したことなど、簡単にまとめていきます。
建設コンサルタントは図面数量ができなければ仕事が取れないと思われがちですが、実際は検討一式を受けることができれば、十分生活していけることが分かりました。かなり頑張れば一人で年間2000万円は稼ぐことができると思います。ただ、図面数量ができる人のほうが市場も大きく顧客もいるので有利です。
ただ、しっかりと稼いでいくためには下積みが必要です。過去に独立初年度2000万円の売り上げがあった人であっても元請けで10年、下請けで5年の下積みを経て独立しています。また、独立してすぐに軌道に乗るかもわからない上、下手をすると収入がゼロになってしまうこともあるので、それなりの覚悟が必要です。(40代経営コンサルタント)
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建設コンサルタントが独立を検討することによるメリット
建設コンサルタントとして働く方にとって、実際に独立するだけでなく、独立を検討するだけでもメリットがありますので、ご紹介します。
学習意欲や業務のモチベーションが沸く
今まで全く独立しようと思っていなかった方は、おそらく社内での評価に左右されてきたと思います。社内評価につながるような大きな業務に目が向きがちで、それ以外にはあまりモチベーションがわかないということもあったと思いますが、独立をしようと思うと、かえって地味な業務のほうが重要だったりもします。結果としてバランスよく業務経験を積むことができるので、客先や社内での評価が上がることにもつながるでしょう。
自分自身を客観的に捉えることができる
独立すると上司などはいなくなるので、自分の評価は自分でする必要があります。独立を意識すると、今の自分の良いところと悪いところを分析し、改善しながら働くことになるので必然的に自分を客観視するようになります。自分を客観視できれば上司に言われなくても能動的に働くことができるので、結果として評価は上がります。
利益を意識して仕事に取り組める
建設コンサルタントのフリーランスとして働くためには予算や売り上げ、利益などを考えながら仕事をいくらで請けるか、そのくらいの時間で終わらせられれば赤字にならないのか、判断していく必要があります。今までは給料のことしか考えていなかったとしても独立する見通しがあれば、自分ならいくらで請ける、時間単価と照らし合わせて進捗があっているか、などの利益を考えた仕事をするようになります。そうすることで業務のパフォーマンスが上がり、自分の仕事に対する見通しも立ちやすくなるはずです。
まとめ
ここまで、建設コンサルタントの方がフリーランスとして働く方法についてご紹介しました。建設コンサルタントは開業するというよりもどこかの会社の下請けとして働くフリーランスの形が多くなります。建設コンサルタントの会社はどこも基本的に人手不足なので、図面や数量ができなくても、計画が得意であればかなり高い年収が目指せます。
個人で案件を受注するのは少し難しいかもしれませんが、もともと働いていた取引先に声をかけてもらうか、フリーランスエージェントに相談することで請けられるかもしれません。プロのエージェントに頼むことで、手間をかけずに案件を受注することができます。独立することに少しでも興味がある方は、一度建設業界に特化したフリーランスエージェントのビーバーズフリーランスにご相談ください。