技術士として独立開業するには?働き方や年収目安、必要準備を解説
独立・フリーランス現在、正社員として一生、働き続けるといった働き方は破綻しつつあります。今後に対する不安やワークライフバランスをとるために独立したいと考える方が以前よりも増えてきています。
実際に技術士として独立する方も増えていて、正社員よりも多くの年収を得ているといった方もいらっしゃいます。しかし、実際のところ、正社員時代との違いは何なのか、独立して本当に年収は上がるのか、どうすれば独立できるのかといった詳しい話が気になる方はたくさんいらっしゃるかと思われます。
この記事では現在、技術士として働いている方で、独立しようか迷っている、または独立を考えているといった方に向けて、独立後の実態を年収面などを含めて詳しく解説していきます。
技術士として独立に成功している人の特徴とは?
正社員として安定して仕事を得ている技術士の方々にとって、独立は大変勇気のあることにも思われます。では実際、独立をして成功している方々にはどのような特徴があるのでしょうか?いくつか特徴を挙げて解説していきます。
優秀な若手人材が独立する
若くて優秀な人材は独立するのに一番向いている人材だとも言えます。なぜなら技術士になるには短くても4年、最長で7年の実務経験が必要で、試験に合格するにはかなりの努力が必要だからです。
早い段階で技術士となり、また、自分の市場価値を理解している優秀な方は、独立することで正社員時代よりも多くの収入が得られるので、独立に向いています。このように早い段階(30歳以降)で企業や研究機関から独立開業が実現できている人は、エンジニアとしてもかなり優秀で、かつ、ビジネスマンとしての感性や資質も優れている人だと言えるでしょう。
リスクを背負って所属していた組織を飛び出して起業しているのですから、推進力や周囲との関係構築の能力も含めて、かなりのやり手であることが想像できます。エンジニアとしての優秀さや人間力に加えて、マネタイズについても資質がある方々であるはずです。
定年退職後や早期離職で独立する
若い方だけでなく、退職してから独立開業して技術士事務所を開設し、自らの専門分野の業務を請負ったりコンサルタントをしているパターンもあります。会社にいても自分のやりたいことが実現できているなら、若くから独立するのではなく定年まで会社にいてから独立するのはリスク回避として優れていると言えます。
このようなキャリアアップの過程で、早期退職や定年退職を見越してしっかりと企画を立てて技術士資格の受験に臨むことができるので、とてもリスクの少ない方法だと言えます。早期退職や定年後の企業チャレンジとして、自分の健康と経済状況が続くかぎり技術士として生涯エンジニアの活動が継続できるので、この選択をする技術士の方々も多いと思います。
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独立開業した技術士は年収が上がる?
技術士は科学技術の分野で最高峰の資格で、高等の専門的応用能力を有する技術者です。独立することで年収が上がるのは簡単に予想できるかと思いますが、ここでは実際、どれくらい上がるのか見ていきます。
まずは技術士全体の平均年収をご紹介します。
正社員技術士の平均年収
正社員技術士の男女別平均年収とその年齢は、以下のとおりです。
- 男性:632万3,400円(平均年齢46.6歳)
- 女性:542万8,600円(平均年齢39.8歳)
もちろん、経験年数や企業規模、地域によってもやや差が生じます。また、一口に技術士と言っても、そのなかには21の部門があるので、業種によっても年収は大きく左右されます。
これから技術士を目指す方は、資格手当やお祝い金が出る企業を選ぶのも選択肢の一つです。既に資格を取得している場合は、技術コンサルタントとして働くこともできます。
技術士が持つ技術力や能力は、今後も多くの企業から求められるはずです。
独立した技術士の年収
正社員として働く場合でも技術士は高い年収を得ることができますが、大企業に採用されたり独立開業した場合は、年収1,000万円超えも狙えます。技術系資格の最高峰なので取得するのは困難ですが、そのぶん資格取得によるメリットは大きいと言えるでしょう。
技術士が独立開業する際に抑えるべきポイント5選
技術士になるには国家資格である技術士の試験に合格する必要があるので容易なことではありません。さらに資格を取得したとして、独立開業というのは形だけなら手続きをすれば簡単にできますが、実際に生活できるほどの収入を得るのは、それほど簡単なものではありません。
実際に独立開業するにあたって、事前に抑えておかなければならないポイントを5つ解説します。
1.技術士の資格取得
技術士資格を取得するには、一次試験と二次試験にそれぞれ合格する必要があります。一次試験は受験資格がなく、学歴や年齢を問わず誰でも受験できる試験です。
しかし、二次試験の受験資格を得るには、4〜7年の実務経験を積まなければなりません。一次試験に合格すれば技術士補として実務経験を4年積むことで二次試験を受けることができますが、どちらにしてもかなりの時間と労力を要します。
独立したい方はなるべく早く試験に合格し、資格を取得する必要があります。
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2.独立する目的を明確にする
会社を退職後に独立技術士になる場合、独立する目的や目標、優先順位を明確にする必要があります。独立する目的は「収入を得たい」「技術を広めて社会貢献したい」「定年後のやりがいを得たい」など、人それぞれです。
収入目的の場合、目標とする年収や受注できる仕事の見込み件数、1日の業務時間、業務を行う人数など、具体的な方向性を決めなければなりません。目的によって独立後の行動や計画が大きく変わるので、独立する前に目的を決めておくことが大切です。
3.家族や親戚の理解を得る
自宅で独立技術士として活動する場合、事前に家族の理解を得ておきましょう。たとえば独立する目的や具体的な仕事内容、生活リズムや収入の見込みといった会社員時代から大きく変わる点は家族の了解が必要です。
また、仕事内容によっては、家族に仕事を手伝ってもらえるように協力を依頼してもいいでしょう。
4.仕事を請負うために人脈を広げておく
独立技術士として仕事を獲得するには、人脈をいかに獲得するかが重要なポイントです。退職した会社や出身大学などの人脈を維持する他に、技術士同士の部会、セミナー、SNSなどで名前を売る営業活動を積極的に行いましょう。
5.独立する際の手続きを知っておく
独立をするということは、法的に保護される「労働者」から、自己責任の「個人事業主」になることを指します。自分で企画・経営・経理・営業などすべてを担当することになり、開業届の提出や青色申告の提出をする必要もあります。
これらの書類の提出の他にも会社用の銀行口座やクレジットカードの作成など、さまざまな手続きも必要になってきます。仕事を始めた後に手続きのことで困らないように、あらかじめ必要なことを調べた上で独立するようにしましょう。
実際に独立開業した技術士の主な働き方
独立開業した技術士が実際に「どのような仕事をしているのか」「どんな働き方をしているのか」具体例を出しながら解説していきます。
建設コンサルタントとして働く
技術士事務所を設立・開業し、自分の専門分野についてその分野のコンサルタントとして仕事を受注し業務遂行するパターンです。建設コンサルタント協会所属企業の年間総受注高は、約1兆円です。
協会に所属していない企業の方が多いので、実際の市場規模はそれ以上あります。外注比率は、受注額の2〜3割程度なので、建設コンサルタントの下請け市場規模は3,000億円くらいあると考えられます。
コストのほとんどが直接人件費なので、建設コンサルタントに従事する人の年収をおよそ600万円として計算すると、おおよそ全国で5万人の従事者が存在する計算になります。このことから非常に多くの人が建設コンサルタントとして働いていることがわかります。
専門知識を活かし、得意領域の案件を請負う
技術士の専門知識を活かす場合、設計者や知財関連、環境監査やISO監査など、専門分野に特化した業務を行うことになるかと思われます。加工・組立て・機械設備の納入まですべて行うとなると個人では不可能なので、機械設計のように仕様書を顧客から受取り、それに基づいて設計して図面を納入するようなイメージです。
知財ならば特許関連の相談や申請、環境やISO、労働安全については、企業や工場の監査や指導など事前のコンサルタントとの区分もなくなってきます。
語学力のある方は海外案件にも携わる
国際活動、つまり海外での活動ですが、実際に独立開業している技術士の人で海外の仕事に携わっている人もいます。企業や研究機関に所属している会社員時代に海外駐在をしていて海外になじみがあったり生活イメージができている人にとってはピッタリです。
前職のネットワークや技術士のつながりから仕事を稼げるパターンが多いようです。
独立開業した技術士が案件を獲得する方法
技術士事務所を開業しても、設計や特許事務所などにて仕事を請負うにしても、やはり重要なのが「どうやって仕事を取ってくるか」という部分です。具体的な案件獲得方法を紹介していきましょう。
新規開拓営業する
営業は案件獲得の方法のなかではもっとも単純ですが、一からスタートするには営業が必須になります。営業で得た案件をこなしていくことで実績ができていくので、その後の案件も受注しやすくなります。
ずっと営業を続けていくのも一つの手ではありますが、営業だけでは案件を安定して受注できなくなります。そのため流れとしては新規の顧客からどんどん案件を獲得していき、最終的には定期的に案件を受注したり、知合いから案件を受注するといった形になるかと思います。
SNSを活用する
現代はパソコンやスマートフォンでSNSを活用して人脈を広げることも主流になってきました。「Facebook」「Instagram」「Twitter」など大量のSNSユーザーや、流れる広告からさまざまな情報を吸収し、案件を見つけにいくのも一つの方法です。
また、SNSは受け身の形で案件を請けるだけでなく、自分から情報を発信できるのも良さの一つなので、可能なかぎり活用すると案件受注の可能性も上がります。
人脈・知人から紹介を受ける
自分の人脈から紹介を受けるのも有効的な案件獲得方法の一つです。前職の人的ネットワークから仕事をもらう場合は、在職中に積極的に人的ネットワーク、人脈を作っておくことが大事です。
また、自分の技術力を高めておくことも大切になります。「あなたに仕事を頼むと相手にとって利益になる」「あなたに頼めば希望どおりの品質で早く安く納品できる」というくらいビジネスにおける信頼関係を築いておくこと、そしてそれを相手に認識してもらう必要もあります。
そのためにはあなたにしかない付加価値を取引先に与える必要があります。会社のなかの一人ではなく、一人の個人として取引先と関わることができるのも個人事業主の良さなので、どのような案件でも積極的にコミュニ―ケーションを取り、相手の希望に合った仕事をすることで次の案件受注につなげましょう。
フリーランスエージェントを活用する
フリーランス専門のエージェントを活用するのも非常におすすめな案件獲得方法です。独立して間もない状態の時には、案件の単価や案件の取り方などがまったくわからないと思います。
また、会社を既に辞めている状態なので、案件が獲得できないことが長く続くと、生活に影響を及ぼすことになります。しっかりと貯金をしておくことでこのような状況は回避できるかもしれませんが、安定して生活できるような状態にするにはそれなりの時間がかかります。
そのような時、フリーランスエージェントに相談することで、過去の経歴をもとに自分に合った案件を受注することができたり、ネット上では公開されていない案件の獲得をすることができます。独立に不安がある方は一度、フリーランスエージェントに相談しましょう。
建設業界に特化した弊社「ビーバーズフリーランス」は、他のエージェントにはない案件も多数あります。あなたに経験やスキルに併せて最善の案件をご紹介させていただくので、ぜひお気軽にご相談ください。
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技術士として独立開業した人の体験談
最後に、技術士として独立開業された方の体験談をいくつか紹介します。独立した後の働き方を具体的にイメージするためにも、参考にしてみてください。
一度は家族から反発されたが、納得してもらった
独立したら通勤はしたくないと思っていたので当然、自宅で業務を開始しました。家庭を持っているため、子どもたちのことが気になって仕事に集中できず、子どもも自分のことを「仕事がないのでは」と心配する状況でした。
さらには仕事の電話をしたり、常に部屋にいることで家事に集中できないなど、家族からの反発もありました。そのような感じで、最初は家にいることで仕事とプライベートの境目がなくなってしまい、なかなか成果が上がらないなど、家にいることで得られるメリットよりもデメリットのほうが多くなりました。
家族で一度しっかり話し合って、休憩時間を定める、仕事中は一切、家事に関わらないように別の部屋に行くなどの改善策を考えました。自分も家族も、家にいながら仕事をすることにだんだんと慣れてきて、今では仕事の合間に子どもと遊んだりすることができて、正社員のころよりも家族と関わることができるようになっています。
ホームページは自作せずにプロに頼んだ
今の時代、自分で事業をやっていく上でホームページは必須だと思い、作ることを決めました。自分で営業をして案件を取り続けるのはなかなか大変だと思いますが、しっかりとしたホームページがあれば、自分で営業をかけずとも案件が来るので安定して仕事をすることができます。
最初は自分で作ろうと思い、ネットでやり方を検索し、試行錯誤していました。しかし、ホームページを作っていても直接、収入にはならないので、生活に余裕がなかった最初のころは時間がなく、ほとんど手が回りませんでした。
かといって生活できるくらいに案件が来るようになると、忙しくなって手がつけられません。案件があまり来ない時期に作ろうと思ったのですが、営業をする必要があるので結局、外注することにしました。
ウェブ制作会社に依頼したところ、企画の部分からすべて替わりにやってもらうことができたので、とても楽で、できばえもいいものができました。自分で作ったらここまで依頼も来なかったと思うので、私の場合は依頼してよかったと感じました。
自宅事務所をやめて、オフィスビルに事務所を構えた
自宅を事務所にする場合、もっとも費用がかからず簡単ですが、問題は生活と仕事の切り分けがしにくいところです。もし、自宅がレンタルオフィスからそう遠くないのであれば、レンタルオフィスを借りることをおすすめします。
運営会社によっても異なりますが、受付サービス、デスクチェア、インターネット完備は基本で、新聞閲覧コーナー、リラックスコーナー、給茶器などもあります。大型オフィスビル内のレンタルオフィスは、銀行・郵便局・クリニック・薬局・コンビニ・食堂などが揃っており、仕事の効率が上がります。
また、自宅を事務所にしてしまうと名刺に自分の住所を載せる必要が出てくるので、私はあまりよくないと感じ、収入が安定してからはオフィスは別の場所に構えるようにしました。
まとめ
今回は技術士がフリーランスとして働く方法や仕事内容などについてご紹介しました。フリーランスになるというのは、どうしても正社員より不安定なので勇気のいることです。
しかし、開業する前に適切な準備をして、着実に案件をこなしていけば、正社員よりも充実した暮らしをしていけるのは確かです。もし今、フリーランスとして働きたいという気持ちがある方は、すぐに何かしらの行動を起こしましょう。
独立すると、最初は苦労も多いかもしれませんが、何度も試行錯誤することでだんだんと成功に近づいていきます。若いうちに独立したほうが、失敗してもそのことを活かしてまた新たに挑戦ができるので、悩んでいる方は早めに貯金をするなど、独立への準備を始めましょう。