一人親方におすすめの労災保険3選と選び方や加入時の注意点などを徹底解説
独立・フリーランス 働き方やキャリア 職人・一人親方一人親方として働く方には、業務災害はもちろん、通勤中などのさまざまな災害リスクがあります。そこで、一人親方の皆様の中には、労災保険への加入をお考えの方も多いのではないでしょうか。
しかし、労災保険にはさまざまな保険商品を提供する保険組合などがあるため、どれを選べば良いかとお悩みの方も多いはず。
そこで今回は、一人親方におすすめの労災保険3選と、その選び方や加入時の注意点などを徹底解説します。
労災保険を選ぶ基準や、比較する上で注意すべきポイントもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
一人親方とは?一人親方が加入できる労災保険の基礎知識
一人親方とは、労働者を使用せずに、特定の事業をおこなう人のことを言います。特定の事業とは、次の7つの職種です。
- 建設業
- 林業
- 漁業
- 鉱業
- 製造業
- 運輸業
- サービス業
一人親方の代表的な例としては、建設業を自分のみ、あるいは自分を含めた家族だけで営んでいるケースなどが挙げられます。
ただし、上記の職種で労働者を使用する場合でも、使用日数の合計が100日未満であれば、一人親方だとみなされます。
一人親方になると、労災保険に特別に加入できるのが最大のメリットです。
一人親方が加入できる労災保険の基礎知識を解説
労災保険とは、本来、従業員などの「労働者」が、業務上の事由または通勤時に傷病などを負った場合などに、必要な保険給付を行う制度のことです。
労災保険は、一人でも労働者を雇っている事業主が加入する義務があります。労災保険の給付には、休業補償、医療補償、障害補償、遺族補償などがあります。
一方、一人親方労災保険とは、建設業などの一人親方の業務の実態や、災害発生状況が限りなく労働者に近いため、国が労働者ではない一人親方に対して特別に労働保険の加入を認めているものです。
この制度を「一人親方労災保険特別加入制度(一人親方労災保険)」と言います。
なお、一人親方労災保険は、労働局により承認を受けた「一人親方労災保険特別加入団体」を通じて加入する必要があります。
一人親方労災保険の特別加入制度については、こちらの厚生労働省の資料をご参照ください。
一人親方におすすめの労災保険3選
一人親方労災保険組合
- 入会金:1,000円
- 組合費:500円/月
- 給付基礎額:16段階
- 追加費用:なし
- 団体加入割引:2名以上の申込みで、入会金無料
- 加入までの時間:最短翌日
一人親方労災保険組合の労災保険で、一括で支払う場合の初期費用は以下のとおりです。
【初期費用(基礎額3,500円 建設業の場合)】
- 入会金:1,000円
- 組合費:500円×4ヵ月分
- 労災保険料:2万2,986円
一人親方労災保険組合の強みは、給付基礎額の段階の多さです。3,500円から2万5,000円まで、細かく16段階に分類されます。
そして、通常の労働者の場合、給付基礎日額は収入に応じて自動的に算出されるものですが、一人親方の場合は算定の基礎となる給料がありませんので、ご自身で「給付基礎日額」を決定し、労働局局長が承認をします。決め方としては、前年の収入÷365日で算出された金額に近い給付基礎日額を選択するのが一般的です。
給付基礎日額は保険料や保険給付の基礎となるものです。高い給付基礎日額を選択すると労災保険料は高くなりますが、そのぶん補償も厚くなります。
ご自身のライフプランに応じた給付基礎日額を選択してください。
出典:一人親方労災保険組合
労災センター共済会
なるべく初期費用を抑えたいなら、労災保険センター共済会がおすすめです。
- 入会金:1,000円
- 組合費:3,600円または450円/月
- 給付基礎額:4段階
- 追加費用:1,100円(会員証の再発行・加入証明書の郵送発行手数料)
- 団体加入割引:なし
- 加入までの時間:最短翌日
労災センター共済会の労災保険で年会費を一括で支払う場合の初期費用は、以下のとおりです。
【一括払いの場合の初期費用(労災保険料除く)】
- 入会金:1,100円
- 年会費:3,600円
- 計:4,600円
- 加入証明書郵送発行手数料:1,100円
- 合計:5,700円
すなわち入会金と年会費の合計4,600円と労災保険料のみで労災保険へ特別加入できます。加入証明書を郵送で発行する場合には手数料がかかりますが、サイトから無料でダウンロードすることも可能です。
給付基礎日額の選択肢は4段階のみとなっていますが、9割以上の方が選択すると言われている、もっとも安い3,500円の他、5,000円・7,000円・1万0,000円が選択できます。給付基礎日額が1万0,000円を超えると、それだけ支払わなければならない労災保険料額の負担も増えるため、特別な希望がなければ4段階でも十分でしょう。
出典:労災センター共済会
建設組合
建設組合の労災保険は、在住している各自治体によって変化します。ここでは、東京都建設組合を例にして挙げていきます。
- 手数料:1万0,000円
- 給付基礎日額:6,000〜2万5,000円の13段階
建設組合は自治体運営なので、入会金などが不要な点や行政が運営のため安心感があるなどがあります。しかし、費用などは企業が運営する労災保険が勝るため、比較対象にしましょう。
建設組合は自治体運営なので入会金などが不要です。また、行政運営であるため、安心感がある点もメリットでしょう。
しかし、費用などは企業が運営する労災保険よりも高い傾向にあるため、その点は注意が必要です。
出典:建設組合
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一人親方が労災保険を選ぶ際のポイント5つ
一人親方が加入する労災保険の保証内容は、どの特別加入団体に加入しても変わりません。なぜなら、労災保険の保証内容は国が運営する労働保険制度であり、一人親方の補償内容も全国一律で決まっているからです。
具体的には、就業中の災害や通勤途中の災害による損害に対して、次の保険給付があります。
- 療養(補償)給付
- 休業(補償)給付
- 傷病(補償)給付
- 障害(補償)年金
- 障害(補償)一時金
- 介護(補償)給付
- 遺族(補償)年金
- 遺族(補償)一時金
- 葬祭料・葬祭給付
※業務災害の保険給付名のみ「補償」が付きます
どの特別加入団体に加入しても補償内容や保険料は同じですが、労災保険加入にかかる費用やサービスに違いがあります。
そこで、以下のポイントを参考基準にして特別加入団体を選びましょう。
1.入会金・組合費・労災保険料を確認する
労災保険に特別加入する際には、労災保険料以外に、少なくとも入会金や団体の組合費がかかります。入会金や組合費が負担にならない金額かを確認しましょう。
なお組合費に関しては、1年分の一括払いと月ごとの分割払いが選択できる団体もあるため、自分に合う支払い方法や入会金などが安いものを検討してください。
2.給付基礎日額の選択肢の幅を確認する
給付基礎日額とは平均賃金に相当する額のことで、労災保険料などの基礎となるものです。給付基礎日額とは、3,500円から2万5,000円までの最大16種類のなかから選べますが、一般的には「前年の収入÷365日」で算出した金額と近い給付基礎日額を選択します。
ただし、算出した金額よりも高い給付基礎日額を選べば、そのぶん補償も厚くなるため、労災保険を選ぶ際にはライフプランに合う給付基礎日額を選択できるか確認しましょう。
3.保険に加入できるスピードを確認する
「現場に入るため、すぐに労災保険に加入しなければならない」などといった状況なら、即日もしくは翌日に手続きが完了する労災保険かを確認しましょう。なお即日もしくは翌日に手続きは完了できるものの、追加で費用がかかる労災保険もあるので注意が必要です。
4.割引制度など特典の有無を確認する
労災保険の特別加入に複数名のグループで同時に申込む場合は、団体割引が適用される労災保険もあります。複数名で申込む予定があるなら、割引制度があるか、何名から割引になるかを確認しておくといいでしょう。
5.追加費用の有無を確認する
更新手数料や労災事故発生時の手続き費用、退会時の脱退手続き費用、組合証再発行手数料などの追加費用の有無も確認する必要があります。入会金や組合費を安く抑えられても追加費用が高額だと、結果として負担が大きくなってしまいます。
一人親方の労災保険に加入する際の注意点3つ
条件を満たしていても、即加入は禁物です。以下の3つのポイントに注意してから労災保険に加入するようにしましょう。
1.団体の対応地区は範囲内か?
加入団体の対応地域について注意しましょう。気に入った団体が見つかっても、団体の対応地域外なら加入できません。
団体の対応地域は、所在地によって都道府県単位で決まってくる可能性があります。主に所在地と近隣の都道府県です。
地域ごとに加入団体を検索できるサイトなどを利用して、確認しましょう。また、全国に支部を設けてすべての都道府県に対応している団体もあります。
しっかり調べてから加入しましょう。
2.政治や宗教など特定の団体うあ業者との関わりはないか?
加入団体のなかには政治活動を行っているところもあります。政治団体への加入や選挙活動の手伝いを求められることもあるため、政治活動に関心のない人は注意が必要です。
また、宗教団体と関係のある特定加入団体もあり、集会への参加や寄付を勧められる可能性もあります。こうした活動を望まない場合は、政治団体や宗教団体に関係のない加入団体であることを事前に確認しましょう。
また、特定の業者との繋がりがないかどうかも、注意しましょう。特定の業者と繋がりがあると、一人親方が別の業者の仕事で事故に遭った場合に、労災保険を使いにくい状況に陥ってしまう場合があります。
たとえば建築関係の一人親方が元請け会社から勧められて、ゼネコン系の労災保険に加入していた場合です。ライバル会社の現場で怪我をした場合、元請け会社に気がねして、労災申請を控えてしまうといったことがあります。
また、ライバル会社の仕事を請負う時、労災保険の加入先を伝えにくいなど、業務上でも支障が出てくることでしょう。
3.事務手数料がかかるか?
労災事故で保険金を請求するには、団体に保険金請求を代行してもらわなければなりません。この保険金請求時に事務手数料を請求する団体が生じます。
その金額は数千円から数万円。どれだけ団体費が安くても保険金請求の事務手数料で調整されてしまいます。
任意労災に加入していてそもそも労災事故請求をする予定がない場合は、事務手数料は関係ありませんが、そうでない場合は加入前に要チェックです。
一人親方におすすめの労災上乗せ保険を紹介
一人親方の労災保険ではカバーできないようなリスクを補償するのが、労災上乗せ保険です。これらはもちろん任意ですが、一人親方の方ならではのトラブルに備えて、以下の上乗せ保険の加入をぜひ検討してみてください。
損害賠償補償
損害賠償補償とは、仕事上の事故などが理由で損害補償請求された時の補償です。労災保険は加入者自身の怪我や休業、死亡などを補償するもので、第三者に損害を与えた場合の補償はありません。
建設関係の一人親方は、事故などで他人の身体や所有物に被害を与える可能性があります。また、事故によっては高額の損害賠償を求められるケースも想定されるため、「請負賠償責任保険」などの加入がおすすめです。
さらに元請け会社から労災保険に加えて損害賠償保障の加入を求められるケースもあります。
上乗せ補償
上乗せ補償は、労災保険と同じ理由で保険給付される補償です。労災保険では、足りない費用を補うために加入します。
補償内容は損害保険会社によって異なりますが、労働災害による加入者の怪我や休業、死亡、障害などに対する保険です。労災保険の保険給付に上乗せして補償が受けられるため、労災保険だけでは不安だという人は検討してみましょう。
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一人親方が加入する労災保険でよくある質問Q&A5選
Q1.労災保険への加入時に健康診断は必要ですか?
A1.特別加入の申請を行う際、以下の業務に従事した方は健康診断を受ける必要があります。
- 防塵作業を3年以上行う業務
- 振動工具使用の業務を1年以上行う業務
- 鉛業務を6か月以上行う業務
- 有機溶接業務を6か月以上行う業務
また、健康診断の結果によって特別加入が制限される場合があります。なお、加入前の疾病が発症した場合には保険給付を受けられないこともあるため、注意が必要です。
Q2.通勤災害は補償されますか?
A2.一人親方労災保険でも通勤災害は補償されます。ただし、個人タクシー業者、個人貨物運送業者、漁船による自営業者は通勤災害の保護の対象外です。
Q3.他府県の現場でも補償されますか?
A3.日本国内であれば、都道府県を問わず補償を受けることができます。
Q4.仕事中に怪我をした場合はどうすれば良いですか?
A4.仕事中に怪我をした場合は、まず病院で治療を受けてください。その際、仕事中に怪我をしたことを伝えてください。保険給付に必要な手続きを行ってくれます。
Q5.給付基礎日額はどのように決めればよいですか?
A5.給付基礎日額は、休業給付などの現金給付の算定に用いられるものです。ご自分の収入とのバランスを考えて決めると良いでしょう。一般的には、前年の年収を365で割った金額に近い給付基礎日額を選ぶことが多いです。
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一人親方の労災保険のまとめ
一般的には個人事業主である一人親方ですが、労災保険の特別加入団体に所属すれば、労災保険に加入することができます。しかし、労災保険の特別加入団体にもたくさんの種類、数があります。
その際には、入会金・組合費・労災保険料、給付基礎日額の選択肢の幅、保険に加入できるスピード、割引制度など特典の有無、追加費用の有無などを参考基準にすると、円滑に選ぶことができます。また、団体の対応地区は範囲内か、政治や特定の業者との関わりがあるか、事務手数料がかかるかなどにも注意してください。
そして上乗せ費用もぜひ活用しながら、ご自身にもっとも適応した労災保険を選びましょう。