行政書士と司法書士の違いとは？ダブルライセンスのメリットも解説

行政書士と司法書士は、どちらも法律に関わる国家資格ですが、業務内容には明確な違いがあります。

行政書士は許認可申請や行政への書類提出を主に担当し、幅広い行政手続きの代行を行う仕事です。一方、司法書士は登記申請や供託、成年後見人業務、裁判所での訴訟代理など、より専門的な法律業務を担当します。

両者の強みを生かしたダブルライセンスは業務範囲の拡大や顧客サービス向上につながります。

そこで今回は、行政書士と司法書士の違いはもちろん、ダブルライセンスのメリットも解説しますので、ぜひ参考にしてください。

行政書士の業務内容

許認可申請の書類作成と代理

行政書士の主な業務の一つが、官公署に提出する許認可申請書類の作成と代理手続きです。

建設業や飲食店の営業開始、運送業の許可など、特定の事業を行うために必要な許可や免許の申請に関して、正確な書類作成から提出までを代行します。

許認可には複数の種類があり、行政手続きの複雑さから専門的な知識が求められるため、多くの事業者から依頼されています。

各種契約書や遺言書の作成

契約内容を明確にするための各種契約書類や、遺言書などの法的文書の作成も行政書士の重要な業務です。

不動産売買契約、賃貸契約、委任契約書など、個人や法人の日常的な取引に関わる書類の作成を手掛けます。また、遺言書作成は相続手続きの円滑化に寄与し、将来のトラブル防止に繋がります。

これらの文書作成は法律の専門性が必要なため、専門家への依頼が多いです。

生活に密着した法律手続きの代行

行政書士は、市民生活に関わるさまざまな法律手続きの代行を行うのが主な仕事です。

例えば、会社設立における定款作成や届出手続、相続・遺言手続き、外国人の在留資格申請など、多岐にわたる分野で相談や代理申請を担います。

これにより、複雑で煩雑な手続きを代行し、個人や中小企業の負担軽減に貢献しています。

司法書士の業務内容

不動産登記や商業登記の申請代理

司法書士の代表的な業務は、不動産登記や商業登記の申請代理です。

不動産登記では、土地や建物の所有権移転や抵当権設定・抹消、相続登記などを行い、法務局に必要書類を作成し申請します。これにより権利関係が公示され、トラブル防止に寄与します。

商業登記では、会社設立や役員変更、増資など法人に関する登記手続きを代行し、会社の法的な登記事項の管理をサポートするのが仕事です。

成年後見や保佐人業務

司法書士は成年後見制度の支援者として、判断能力が不十分な高齢者や障害者の財産管理や契約締結を代理します。

また、家庭裁判所からの選任を受けて、後見人や保佐人として利用者の生活と資産を守る役割を担い、適切な法的支援を提供するのも仕事です。

この業務により、安心して生活できる環境づくりに貢献しています。

裁判所での簡易訴訟代理

司法書士は簡易裁判所での訴額140万円以下の訴訟について、法務大臣の認定を受ければ代理人として弁論活動や和解交渉、調停手続などを行えます。

これには少額訴訟も含まれ、裁判の専門知識を活かして依頼者の権利や利益を守り、迅速な解決を図る重要な役割を果たしています。

行政書士と司法書士の業務範囲の違い

登記関連の業務独占権

司法書士は不動産登記や商業登記に関する書類の作成および申請代理の独占権を持っています。これは土地や建物の所有権移転、抵当権設定、会社設立や役員変更など法人登記を法務局に行う業務で、これらは司法書士の専門的な業務範囲です。

一方、行政書士は登記手続きは扱えず、司法書士が登記全般のスペシャリストとして権利義務の法的保護を担っています。

行政手続きの幅広さ

行政書士は、許認可申請や各種行政機関への書類提出、契約書の作成など生活に密着した行政手続き全般を扱います。建設業許可や飲食店営業許可、ビザ申請など多岐にわたり、数千種類以上の書類作成が可能です。

司法書士が扱わない分野の多くの行政手続きは行政書士の独壇場で、幅広い業務と高い汎用性が特徴です。

相続関連業務の違い

相続関連では、遺産分割協議書や遺言書の作成は両者可能ですが、相続登記や相続放棄、家庭裁判所への調停申立てなど法的に権利の変動が生じる手続きは司法書士のみが扱えます。

一方、行政書士は書類作成が中心で、複雑な法的代理業務や登記申請は行いません。

このように、遺産相続に関する業務の範囲に明確な棲み分けがあります。

司法書士と行政書士のダブルライセンスのメリット

業務範囲の拡大による顧客獲得に期待できる

司法書士と行政書士のダブルライセンスを取得すると、両資格の独占業務をワンストップで提供可能になります。

例えば、行政書士の許認可申請から司法書士の登記申請まで一括で対応でき、顧客からの信頼を得やすくなり、多様なニーズに応えられます。

業務幅の拡大は新規顧客獲得にもつながり、競合との差別化が図れる大きな武器となるでしょう。

総合的なトラブル対応力を強化できる

ダブルライセンス保持者は、法的手続きから行政対応まで幅広くカバーできるため、クライアントの抱える複雑な問題も総合的にサポート可能です。

相続問題から会社設立、許認可取得まで一貫した対応ができるため、対応力が高まり顧客満足度も向上します。

これにより案件の受注数や質の向上も期待できます。

独立開業や就業機会の増加

業務範囲が広がることで独立開業時の受注可能案件が増え、収入基盤が安定しやすくなります。

また、企業内での活躍の場も広がり、行政書士業務と司法書士業務を兼務するポジションや管理職など多様な就業機会が得られます。

このように、複数の資格保有は、キャリア形成の大きなアドバンテージとなるでしょう。

弊社では、数多くの方の転職を成功へ導いております。ベテランの方から未経験者まで幅広い方の転職をアシストします。

• 完全週休2日制の求人
• 年収800万～900万以上の高収入求人多数
• 50代60代70代の方でも応募可能な求人
• 無料登録から最短1週間で転職可能

まずは無料登録をして色々な求人・案件を見てみてください。専門エージェントからおすすめの求人・案件をご紹介することも可能です。

行政書士と司法書士の資格取得方法の違い

行政書士と司法書士の資格取得方法にはいくつかの違いがあります。

行政書士の資格取得方法3つ

行政書士の資格を取得する方法には、主に次の3つが挙げられます。

1.行政書士試験に合格する

最も一般的な方法で、年齢や学歴に関係なく誰でも受験できます。試験は毎年11月に行われ、合格率は約10〜15%程度です。

2.公務員で経験を積む

行政事務を一定年数（高卒で17年、中卒で20年以上）経験することで、試験を受けずに資格を取得することも可能です。

3.他の資格を取得する

弁護士、弁理士、公認会計士、税理士の資格を持っている場合、自動的に行政書士の資格を得ることができます。

司法書士の資格取得方法

一方、司法書士の資格を取得する方法には、次の2つが挙げられます。

1.司法書士試験に合格する

司法書士試験に合格する方法は、最も一般的な方法です。司法書士は、行政書士と同様に、年齢や学歴に関係なく誰でも受験できます。また、試験は毎年7月に行われ、合格率は約3〜5%程度と非常に低いのが特徴です。

2.法務大臣の認定を受ける

裁判所事務官や法務事務官として10年以上の勤務経験がある場合、法務大臣の認定を受けて資格を取得することが可能です。

どちらの資格も取得には努力が必要ですが、それぞれの業務内容や目指すキャリアに応じて選ぶことが重要です。

弊社では、数多くの方の転職を成功へ導いております。ベテランの方から未経験者まで幅広い方の転職をアシストします。

• 完全週休2日制の求人
• 50代60代70代でも応募可能なお仕事
• 未経験でも応募可能なお仕事
• 高収入求人、高単価案件多数
• 無料登録から最短1週間で就業可能

まずは無料登録をして色々な求人・案件を見てみてください。専門エージェントからおすすめの求人・案件をご紹介することも可能です。

行政書士と司法書士の難易度と合格率の比較

行政書士と司法書士の試験はどちらも難関ですが、難易度や合格率には違いがあります。

行政書士の難易度と合格率

行政書士の合格率は、ここ数年は約10〜15%程度で推移しています。直近の2023年度の合格率は13.98%でした。

行政書士の試験内容は、法令等科目（憲法、行政法、民法、商法など）と一般知識等科目（政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解）から構成されます。

なお、行政書士試験に合格するためには、約800〜1000時間の勉強が必要とされています。

司法書士の難易度と合格率

司法書士試験の合格率は、例年約4〜5%程度と非常に低い値で推移しており、直近の2023年度の合格率は4.31%でした。

司法書士の試験内容は、憲法、民法、商法、不動産登記法、商業登記法などの法律科目が出題され、筆記試験（マークシート式と記述式）と口述試験があります。

司法書士試験に合格するためには、約3000時間の勉強が必要とされています。

行政書士と司法書士の資格を比較

まず、資格を取得する際の難易度を比較すると、司法書士試験の方が合格率が低く、必要な勉強時間も長いため、難易度が高いと言えるでしょう。

また、試験範囲については、行政書士試験は幅広い一般知識も含まれる一方で、司法書士試験は法律に特化した内容が問われます。

どちらの試験も高い専門性が求められるため、しっかりとした準備が必要です。どちらの資格を目指すかは、将来のキャリアプランに応じて選ぶと良いでしょう。

弊社では、数多くの方の転職を成功へ導いております。ベテランの方から未経験者まで幅広い方の転職をアシストします。

• 完全週休2日制の求人
• 年収800万～900万以上の高収入求人多数
• 50代60代70代の方でも応募可能な求人
• 無料登録から最短1週間で転職可能

まずは無料登録をして色々な求人・案件を見てみてください。専門エージェントからおすすめの求人・案件をご紹介することも可能です。

行政書士と司法書士の年収とキャリアパスの違い

行政書士と司法書士の年収やキャリアパスにはいくつかの違いがあります。

行政書士と司法書士の年収の違い

まずは、行政書士と司法書士の年収の違いを解説します。

行政書士の平均年収と特徴

行政書士の平均年収は、令和5年度の厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると約551万円となっており、おおよその水準は約400万～600万円程度と言われています。

ただし、行政書士の業務内容や働き方によって大きく年収が異なるのが特徴で、独立開業して成功すれば1000万円以上を稼ぐことも十分可能です。

行政書士事務所に勤務する場合の初任給は20万～22万円程度ですが、例えば、薬局開設許可の申請業務などを専門にすることができれば、高収入に期待ができます。

司法書士の平均年収と特徴

司法書士の平均年収は、令和5年度の厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると約1,122万円となっていますが、おおよその水準は約300万～600万円程度と言われています。

平均年収が1,000万円を超えるケースは、独立開業している場合が多く、成功すればかなりの高収入に期待ができるでしょう。

なお、司法書士事務所に勤務する場合の司法書士の初任給は、約20万～30万円程度が一般的です。

このように、司法書士の年収は、不動産登記や商業登記、裁判所提出書類の作成など、業務内容によって大きく異なることがわかります。

行政書士と司法書士のキャリアパスの違い

次に、行政書士と司法書士のキャリアパスの違いを解説します。

行政書士のキャリアパス

行政書士の勤務先は、主に行政書士事務所や企業の法務部門、コンプライアンス部門などです。ただ、行政書士は比較的独立・開業しやすいため、自宅での開業も可能です。

行政書士は、他の資格（例：宅地建物取引士、FP、中小企業診断士）を取得して業務範囲を広げることも多いため、さまざまなキャリアパスが考えられるでしょう。

司法書士のキャリアパス

一方、司法書士の勤務先としては、司法書士事務所や企業の法務部門、総務部門などが一般的です。また、司法書士も独立・開業するのが一般的であり、特に登記業務や裁判所関連業務で独立する方が多くおられます。

なお、司法書士のキャリアパスについては、認定司法書士として簡易裁判所での代理業務を行うことができるようになるなど、専門性を高める方向でのキャリアアップが一般的です。

このように、行政書士と司法書士は、どちらの資格も高い専門性が求められる国家資格です。そのため、努力次第で高収入や多様なキャリアパスを実現できます。

どちらの道を選ぶかは、ご自身の興味や将来の目標に応じて決めると良いでしょう。

弊社では、数多くの方の転職を成功へ導いております。ベテランの方から未経験者まで幅広い方の転職をアシストします。

• 完全週休2日制の求人
• 50代60代70代でも応募可能なお仕事
• 未経験でも応募可能なお仕事
• 高収入求人、高単価案件多数
• 無料登録から最短1週間で就業可能

まずは無料登録をして色々な求人・案件を見てみてください。専門エージェントからおすすめの求人・案件をご紹介することも可能です。

行政書士と司法書士のダブルライセンスでできること

行政書士と司法書士のダブルライセンスを取得することで、以下のような幅広い業務が可能になります。

1.会社設立に関連する業務

行政書士と司法書士のダブルライセンスを取得することで、行政書士としての資格で定款を作成し、司法書士の資格で設立登記を行うことが可能です。これにより、会社設立の手続きを一貫してサポートできます。

また、会社設立に必要な各種許認可の申請も、行政書士として担当できます。

2.不動産に関連する業務

行政書士と司法書士のダブルライセンスを取得することで、司法書士の資格で不動産の登記手続きを行い、行政書士の資格で農地転用許可などの関連手続きを担当できます。これにより、スムーズな不動産取引が可能となります。

また、相続登記や遺産承継業務を司法書士の資格で行い、相続に関する許認可申請を行政書士の資格で担当できるため、相続手続きの一貫したサポートも可能です。

3.その他の業務

上記の他にも、行政書士と司法書士のダブルライセンスを取得することで、建設業の許可申請を行政書士として行い、関連する登記手続きを司法書士として担当することができ、建設業界に特化したサービスを一貫して行うことが可能です。

また、成年後見人の選任手続きを司法書士の資格で行い、関連する書類作成を行政書士としてサポートすることができるため、包括的な支援が可能となります。

このように、行政書士と司法書士のダブルライセンスを持つことで、幅広い業務を一貫して提供できるため、クライアントにとって非常に便利なサービスを提供できます。

弊社では、数多くの方の転職を成功へ導いております。ベテランの方から未経験者まで幅広い方の転職をアシストします。

• 完全週休2日制の求人
• 50代60代70代でも応募可能なお仕事
• 未経験でも応募可能なお仕事
• 高収入求人、高単価案件多数
• 無料登録から最短1週間で就業可能

まずは無料登録をして色々な求人・案件を見てみてください。専門エージェントからおすすめの求人・案件をご紹介することも可能です。

ダブルライセンスを取得するための勉強法と試験対策

行政書士と司法書士のダブルライセンスを取得するためには、効率的な勉強法と対策が重要です。以下にいくつかのポイントをまとめました。

ダブルライセンスを取得するための勉強法3つ

1.計画的な学習スケジュールを立てる

まずは試験日から逆算して、毎日の学習時間を確保しましょう。特に、行政書士と司法書士の試験範囲には重複する箇所があるため、効率的に学習できます。

例えば、民法や行政法などの共通科目を先に学習し、その後に各資格特有の科目に取り組むと良いでしょう。

2.過去問を活用する

過去問を繰り返し解くことで、出題傾向を把握し、試験対策を強化できます。

特に、司法書士試験は記述式問題が多いため、実際に手を動かして書く練習が重要です。

3.模擬試験を受験する

模擬試験を受けることで、本番の試験環境に慣れることができます。

そこで、自分の弱点を把握して重点的に復習を行い、効率的な学習を進めましょう。

ダブルライセンスを取得するための試験対策3つ

1.学習リソースを選定する

信頼できる教材やオンライン講座を利用することで、効率的に学習を進められます。

また、行政書士と司法書士の両方に対応した教材を選ぶことで、学習の重複を避けられるため、効率的な勉強が可能です。

2.勉強仲間を確保する

同じ目標を持つ仲間と一緒に勉強することで、モチベーションを維持しやすくなります。

また、定期的に勉強会を開き、お互いに質問し合うことで理解を深められるでしょう。

3.健康管理する

長期間の勉強には体力と集中力が必要です。適度な運動やバランスの取れた食事を心がけましょう。

また、十分な睡眠を確保することも、効率的な学習を行うために重要です。

これらの勉強法と対策を実践することで、行政書士と司法書士のダブルライセンス取得に向けた準備が整うでしょう。

行政書士と司法書士の違いやダブルライセンスのまとめ

このように、行政書士と司法書士は、ともに法律に基づいた業務を行う資格ですが、難易度や業務内容は異なります。しかし、両方の資格を取得することで、それぞれの業務範囲を超えた一貫したサービスを提供できるようになるため、効果的な仕事がとなります。

ただ、ダブルライセンスで成功するには、ご自身のキャリアプランを明確に描くことが重要です。

そこで、ご自身が目指す業界や職種に特化した転職エージェントに相談して自己分析を行い、ご自身の特徴や強みをしっかりと理解してから就職や転職活動を行いましょう。

信頼のできる転職エージェントのサポートを受けながら転職活動を進められれば、就職や転職に関する悩みを解消できるだけでなく、自己分析やヒアリングを通して、自分の向いている本当の職種に気付けるかもしれません。

特化型の転職エージェントである「プロフェッションズ」では、ご自身の自己分析をサポートしながら、あなたに合った就職・転職先を提案いたします。

まずはお気軽に登録して、転職に関する悩みや疑問を相談してください。