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一人親方は開業届を出すべき?
必要性やメリットをご紹介

一人親方は開業届を出すべき?必要性やメリット、提出の流れ

職人・一人親方

一人親方として独立する際に最初に開業届を出すかどうかを悩む方もいらっしゃるかと思います。実際、一人親方は開業届を出していなくても罰則などはありません。

確かに開業届を出すのは多少、手間がかかりますが、それ以上にさまざまなメリットもあります。そこでこの記事では、一人親方にとっての開業届の必要性とメリット、提出の流れや注意点について解説します。

この記事の監修者
agent-kohata2
木幡 美咲キャリアコンサルタント
これまで即戦力の求職者だけでなく、未経験の求職者へのキャリアサポートにも従事。主に男性社会である建設業界の中で、性別や経験問わず、施工管理、積算、CADオペ、施工図作成等、幅広い案件での未経験人材マッチング実績を保有。

一人親方は開業届を出すべき?


結論としては、一人親方は開業届を出していなくても罰則などはありません。しかし、一人親方は個人事業主ですので、事業を始めたら1ヵ月以内には税務署に開業届を提出する義務があります。

罰則がないという理由で提出しない方もいますが、提出することでさまざまなメリットがあります。それらを踏まえた上で開業届を出すかどうかを検討しましょう。

一人親方が開業届を出すメリット

では、一人親方が開業届を出すことのメリットについて、具体的に紹介します。

優良案件が受注できる可能性が高まる

仕事を探す際に、フリーランス向けのエージェントから案件を紹介してもらうこともあると思いますが、その際に開業届の提出をしなければならない場合もあります。基本的に案件は自分で探すよりもフリーランスエージェントなどに紹介してもらうほうが条件面などで有利になる場合も多く、開業届を提出していないことでこうしたサービスを受けられず、結果として優良案件を請けるチャンスが減ってしまいます。

青色申告ができるようになる

青色申告とは確定申告のやり方の種類の一つです。確定申告にはこの青色申告と白色申告があります。

青色申告は最大で65万円の特別控除が受けられたり、赤字を最長で3年、繰越せることから税制面での優遇を受けられます。手続きが少し難しくなるぶん、白色申告にはない恩恵を受けられます。

青色申告をする際には青色申告申請書を税務署に提出する必要があるので、その点にも注意しましょう。

事業用の銀行口座を開設できる

確定申告の際の負担を減らすために、経費の支払いや代金の受取りなどに使用する口座を新たに開設する場合があります。その際、個人用の口座を作るのではなく、屋号つきの事業用口座を作ることが、顧客からの信用や代金の振込みの際のミスを防ぐなどの面で有効です。

しかし、この屋号つきの銀行口座を開設するためには、開業届の写しが必要になります。個人事業主である一人親方にとって非常に便利な銀行口座を作ることができるという点で、開業届を提出することがメリットとなります。

事業主用のさまざまな給付金を受けられる

事業者向けの給付金を受けるためには、開業届を出して公的に個人事業主として証明できるようにする必要がある場合もあります。給付金のなかには種類によって金額が大きいものもあるため、開業届を出して正式に個人事業主として働くことが給付金をもらうことにつながります。

個人事業主の公的証明により信用力が増す

一人親方が開業届を出し、個人事業主であることことを公的に証明できることによって、信用力が増すことも開業届を提出するメリットの一つです。たとえばローンを組んだり、事業用のクレジットカードを作るためにはきちんと事業を行っているという証明が必要になるので、開業届を出していなければこうしたローンなどが受けられなくなります。

小規模企業共済に加入できる

小規模企業共済とは、個人事業主や小規模な企業の役員や経営者などを加入対象としたものになっています。個人事業主は会社とは違って退職金をもらうことができないため、こうした共済などに入ることが重要になります。

この共済に加入する際にも開業届が必要です。開業届を提出した際には、このような共済への加入もぜひ検討しておきましょう。

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一人親方が開業届を出すデメリット

ここまで紹介したメリットとは反対に、デメリットもあるので紹介していきます。

手続きが煩雑で面倒

開業届を出すこと自体はそれほど手間ではありませんが、いくつかの書類が必要なのでそれなりの労力を要します。また、開業届を提出した上で、そのメリットを十分に受けるには青色申告の申請や銀行口座の開設なども必要になるので、それらの手間を考えると面倒くさいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

失業手当の対象外になる

開業届を出した時点で事業を開始しているので、失業状態ではなくなるため、失業手当がもらえなくなります。もし失業手当を受給している場合には事業の開始を失業手当が受給できるギリギリまで遅らせるといいでしょう。

一人親方の開業届提出の流れ


以上のメリット、デメリットを踏まえた上で開業届を提出する際の手順について解説していきます。

1.開業届の入手

開業届は、税務署に備えられているものを使用できます。税務署まで行くのが面倒な方でも、国税庁のHP上に様式があるので、そちらを印刷することで開業届の申請様式を入手できます。

2.開業届の記載

開業届を提出する際は、記入する際の注意事項を読んでから、記入もれや間違いがないように記入しましょう。提出先の欄については国税庁のHPで調べられます。

また、青色申告承認申請書をいっしょに提出する場合は、開業に伴う届出書の提出の有無のうち、上段の「有」の部分にレ点をつけましょう。

3.その他必要書類の準備

必要な書類は、記入済の「個人事業の開業・廃業等届出書」2枚と、マイナンバーカードの2つです。青色申告の申請も行う場合はこれに加えて「青色申告承認申請書」を記入し、準備しておきましょう。

4.開業届および必要書類を税務署に提出

記入が終わり、抜けや誤りがないことを確認したら、税務署に提出します。提出方法は窓口に直接、持参する他、郵送、インターネットでの手続きの3つがあります。

書類の不備などが不安な方は直接、税務署に持参し、提出することをおすすめします。インターネットでの手続きにはソフトのダウンロードや、ICカードリーダライタの準備が必要なため、手間がかかるものとなっています。

開業届申請における注意点

ここでは開業届の提出時に注意する点についてまとめています。

本人でなければ提出できない

マイナンバーカードの提出などが必要なことからもわかるように、申請は基本的に本人が行う必要があります。代理の方が提出する場合には、委任状、代理人の写真つきの身分証明書、開業する本人のマイナンバーカードの持参が必要です。

本人が直接、提出できない場合は、郵送するほうが手間がかからないかもしれません。

提出期限は事業開始から1ヵ月以内

開業届の提出期限は事業が開始してから1ヵ月以内と決められています。過ぎてしまっても罰則やペナルティはありませんが、なるべく期限を守って提出しましょう。

また、開業届を事業の開始より前に提出することはできないので、その点についても注意が必要です。

地方自治体にも提出が必要

税務署への開業届とは別に、地方自治体にも開業届を提出する必要があります。理由としては、税務署には所得税、消費税を支払うのに対し、地方自治体に対しても個人事業税を支払う必要があるからです。

地方自治体への開業届は、各都道府県の税金関係の役所に提出してください。ネット上で自分の住んでいる都道府県名の後に個人事業税とつけて検索することで、各都道府県の県税事務所などのHPから届け出の方法や様式のダウンロードができます。

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開業手続き完了後は、本格的な法人化も検討しよう


ここまで個人事業主として一人親方になるための方法についてご紹介していきました。もちろん個人事業主である一人親方として事業をすることも選択肢の一つですが、最終的には法人化をすることもおすすめします。

売上が大きくなった場合や従業員を雇うことになった場合などは、法人化することで税制面などから個人事業主よりも有利になります。また、近年では一人親方に対する規制が少しずつ厳しくなってきているので、法人化も見すえた開業をしましょう。

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まとめ

今回は一人親方になる際の開業届について詳しく解説していきました。開業届は提出に少し手間がかかりますが、それ以上に青色申告ができることを中心としたさまざまなメリットがあるので、失業手当などとの兼合いも考えながら開業届を提出することをおすすめします。

開業届を提出する際は書類の記入に不備がないように気をつけて、できるだけ事業開始から1ヵ月以内に提出するように気をつけましょう。最終的には個人事業主ではなく、法人化も計画して開業することで、今後の規制が厳しくなった後でも有利に案件の受注や経営を行うことができるようになるでしょう。

この記事の監修者
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木幡 美咲キャリアコンサルタント
これまで即戦力の求職者だけでなく、未経験の求職者へのキャリアサポートにも従事。主に男性社会である建設業界の中で、性別や経験問わず、施工管理、積算、CADオペ、施工図作成等、幅広い案件での未経験人材マッチング実績を保有。

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