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建設業の法定福利費は何パーセント?企業が注意すべきポイントと共に解説

建設 建設業界動向・情報

建設業界における法定福利費の割合は、企業経営において重要な指標の一つです。適切な福利費の設定は、従業員のモチベーション維持と企業の社会的責任を果たす上で不可欠であり、また、企業の財務健全性を示すバロメーターともなります。

しかし、多くの企業がこの法定福利費の適正な管理に苦慮しているのが現実です。法定福利費の計算方法、適用範囲、そして最適な割合についての理解は、企業が直面する法的リスクを回避し、従業員との良好な関係を築くためにも重要です。

そこで今回は、建設業の法定福利費の適正割合について、企業が注意すべきポイントと共に解説します。建設業を営む方は、ぜひ参考にしてください。

建設業における法定福利費の基本

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法定福利費とは、事業主が労働者に対して支払う義務のある保険料のことで、以下のものが含まれます。

  • 健康保険料(介護保険料含む)
  • 厚生年金保険料(児童手当拠出金含む)
  • 雇用保険料
  • 労災保険料

これらの保険料は、事業主と労働者が共同で負担するものと、事業主が全額を負担するものがあります。

建設業においては、見積もり書に法定福利費を明示することが義務付けられており、これによって公平な競争環境の構築と労働環境の改善が図られています。

法定福利費は何パーセント?建設業界の目安を解説

建設業界における法定福利費の標準的な割合については、具体的なパーセントを示す公式な統計はありませんが、一般的には労務費に対する法定福利費の割合を基に算出されます。

なお、法定福利費の割合は、事業の種類や規模、地域によって異なるため、一概には言えませんが、一般的なガイドラインとしては、労務費の約20%から30%程度を法定福利費として見積もることが多いです。ただし、これはあくまで目安であり、実際の計算には最新の保険料率を用いる必要があります。

法定福利費は、労務費総額に対する保険料率に基づいて計算されます。

法定福利費の算出方法は以下の通りです。

  • 法定福利費=労務費総額×法定保険料率

労務費総額とは、工事に直接携わる現場労働者に支払う賃金の総額を指し、法定保険料率は、各種社会保険の保険料率を意味します。

保険料率は、都道府県や年度によって異なるため、計算する際には最新の率を確認する必要があります。

また、見積もり書に記載する際には、事業主負担分のみを明示し、従業員負担分は給料から天引きされることが一般的です。

法定福利費の正確な計算と見積もり書への記載は、建設業における健全な運営を示す重要な要素となります。

以上の情報をもとに、建設業における法定福利費の基本を理解し、適切な計算と見積もり書への記載を行うことが重要です。

参考資料:国土交通省「法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順」より

企業が把握すべき法定福利費の具体的な計算方法

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企業が把握すべき法定福利費の計算方法は、以下のステップに従って行います。

1.人件費の算出

まず、労務にかかる総額を算出します。これには、直接的な賃金だけでなく、残業代、休日手当、賞与なども含まれます。

2.法定保険料率の確認

次に、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、労災保険料などの各種社会保険の保険料率を確認します。これらの率は、都道府県や業種、事業規模によって異なる場合があるため、最新の情報を基にする必要があります。

3.法定福利費の計算

人件費総額に対して、確認した法定保険料率を乗じて、法定福利費を計算します。計算式は以下の通りです。

  • 法定福利費=人件費総額×法定保険料率

4.見積書への明示

計算された法定福利費は、見積書に明示する必要があります。これにより、適正な価格での受注が可能となり、労働者の社会保障を確保することができます。

以上の計算方法と手順により、企業は法定福利費を正確に把握し、適切に管理することが重要です。

建設業での法定福利費の適切な管理の方法

建設業での法定福利費の適切な管理方法には、以下のステップが含まれます。

1.法定福利費の内訳を明示する

法定福利費を内訳明示した見積書を作成し、下請企業が元請企業に提出する見積書に法定福利費を明示します。これにより、社会保険等の加入に必要な金額を確保し、公平で健全な競争環境の構築と就労環境の改善を図ります。

2.法定福利費の範囲を理解する

法定福利費には、健康保険料(介護保険料含む)、厚生年金保険料(児童手当拠出金含む)、雇用保険料の事業主負担分が含まれます。労災保険料は事業主が全額負担します。

3.保険料率の適用

保険料率は、協会けんぽや日本年金機構、厚生労働省のウェブサイトなどから入手可能です。適用する保険料率は、事業の種類や地域によって異なるため、最新の情報を基に計算します。

4.法定福利費の計算

労務費総額に各保険の保険料率を乗じて法定福利費を計算します。また、工事費や工事数量に基づく平均的な法定福利費の割合を用いて簡便に算出する方法もあります。

5.見積書への記載

計算された法定福利費は、見積書に事業主負担分として明示します。これにより、元請企業と協議を行い、最終的な金額を決定します。

6.適用除外者の取り扱い

常時使用する労働者が5人未満の個人事業所や一人親方などは、健康保険、厚生年金保険に加入する義務がないため、法定福利費から除外します。

7.見積書の提出と確認

見積書を提出する際には、法定福利費を内訳明示することが重要です。元請企業は、見積書に法定福利費が記載されているかを確認し、下請企業は必ず法定福利費を見積書に記載する必要があります。

これらのステップに従って、建設業における法定福利費の適切な管理を行うことが可能です。正確な保険料率の把握と適切な見積もりは、健全な運営と労働者の社会保障を確保するために不可欠です。

弊社は、建設業界特化の総合ソリューション企業として、人材紹介から事業承継型M&A仲介など、経営に関するあらゆるお悩みを解決いたします。

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法定福利費の割合に影響を与える要因

法定福利費の割合に影響を与える要因としては、以下のようなものが挙げられます。

従業員の数

従業員が多ければ多いほど、支払う法定福利費の総額が増加します。

労働生産性

機械化、合理化、IT化、DXの推進により労働生産性を高めることで、法定福利費の負担を相対的に軽減することが可能です。

給与水準

法定福利費は従業員の給与と連動しており、給与が高いほど法定福利費も増加します。

これらの要素を考慮に入れて、企業は適切な法定福利費の割合を計算し、従業員にとって良好な労働環境を提供するための計画を立てることが大切です。

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建設業における法定福利費の最新動向

建設業における法定福利費の最新動向については、以下のような情報があります。

令和6年3月からの適用分

公共工事設計労務単価が改訂され、全国全職種単純平均で前年度比5.9%引き上げられることになりました。これは、平成25年度の改訂から12年連続の引き上げであり、全国全職種加重平均値が23,600円となっています。

労務単価の構成

労務単価には、事業主が負担すべき必要経費(法定福利費、安全管理費等)は含まれていません。事業主が下請代金に必要経費分を計上しない、または下請代金から必要経費を値引くことは不当行為とされています。

法定福利費の算出

法定福利費は、労務費総額に法定保険料率を乗じて計算されます。具体的な算出方法としては、工事費に含まれる平均的な法定福利費の割合や工事の数量当たりの平均的な法定福利費をあらかじめ算出した上で、個別工事ごとの法定福利費を簡便に算出することも考えられます。

これらの動向は、建設業における労働者の福利厚生の改善と、公平で健全な競争環境の構築に向けた取り組みの一環として重要です。企業はこれらの情報を基に、適切な法定福利費の計算と、労働者に対する適正な給与の支払いを行うことが重要です。

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建設業における法定福利費のまとめ

このように、建設業を営む企業にとっては、法定福利費は見落としてはならない費用の1つです。しかし、法定福利費を適切に管理することで、忙しい自社のリソースを奪われる可能性があるため、なかなか手が回らないという方も多いのではないでしょうか。

そこでおすすめなのが、法定福利費をはじめとするさまざまな費用を一元管理できるデジタルツールの活用です。デジタルツールを導入することで、人材にかかる費用だけでなく、仕入れコストや支払い、給与管理に至るまでの経理業務を効果的に効率化できます。

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