建設業界の協力会社の探し方|建設市場の現状と求める人材の集め方を解説
建設 建設業界動向・情報建設業界でプロジェクトを成功させるには、信頼できる協力会社の働きが欠かせません。ただ、市場の急速な変化に伴って適切な協力会社を見つけることが困難となっており、また求められる人材の質も高まっているのが現状です。
このような状況の中で、どのようにして適切な協力会社と優秀な人材を見つけて確保していくかは、建設会社にとって大きな課題の1つとなっています。そして、適切な協力会社選びと優秀な人材を集めるための戦略は、業界の未来を左右する重要な要素です。
そこで今回は、建設業界の協力会社の探し方や、建設市場の現状と求める人材の集め方を解説します。自社に最適な協力会社探しにお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
建設業界における協力会社の重要性
以下ではまず、建設業界の協力会社の定義と、その重要性を解説します。
建設業界における「協力会社」とは?
協力会社(またはサブコン)とは、建設業者から発注を受けて専門工事を行う建設業者を指します。
ゼネコン(総合建設業者)は基本的に工事施工管理に特化しているため、実際の建設作業を行うのは協力会社であることが一般的です。
また、協力会社は、ガードマンや調査工事など、施工の内容が多岐にわたることも特徴です。建設プロジェクトにおいて、協力会社は元請けと連携して、効率的かつ専門的な工事を実施する重要な役割を果たしています。
建設業界においては、良い協力会社を持つことが強い会社を作るための重要な条件となります。そこで、信頼できる協力会社とWin-Winの関係を構築し、共に成長していく姿勢が必要です。
協力会社の探し方と基本的なプロセス
建設業界において、協力会社を探す際の基本的なプロセスを以下にまとめてみました。信頼できる協力会社を見つけるために、以下のポイントを押さえましょう。
1. 社内で紹介してもらう
社内で詳しい人に紹介してもらう方法です。
すでに取引や実績のある会社を紹介してもらえたり、ノウハウがある協力会社を教えてもらえる可能性があります。
2. インターネットで検索する
キーワード検索して業者を調べる方法があります。
注意点として、ホームページがしっかりしている会社は広告にそれなりの費用がかかっているため、コストが割高になる可能性がある点です。そこで、相見積もりを取るなどして、コスト管理を徹底しましょう。
3. 企業検索サービスを利用する
企業検索サービスを使うと、探したい業種の企業をリストアップできます。会社規模や専門性、連絡先などが確認できるので、便利です。
4. 複数社から見積を取る
見積は複数社から取って比較しましょう。
協力会社の営業マンも、見積比較されずに仕事が決まりそうだと思えば高い見積を出してくるかもしれません。そこで、少なくとも3社以上の相見積もりを取るようにしましょう。
5. 丸投げしない
わからない工種だからといって、すべて丸投げをするのは御法度です。協力会社もまた丸投げしてくる元請業者とは仕事をしたくないことが多いため、注意が必要です。
6. お互いに利益があるようにする
元請業者と協力会社の関係は、あくまでも対等が原則です。お互いの利益を確保し合えるような、両方の会社にとって良い関係を構築しましょう。
建設市場の現状と協力会社の役割
以下では、建設市場の現状と協力会社の役割について解説します。
建設市場の現状
建設投資は1992年度の84兆円をピークに減少傾向が続き、2010年度にはピーク時の50%程度まで減少しました。しかし、その後は東日本大震災の復興需要や民間設備投資の回復により増加傾向となっています。
2023年度の建設投資は前年度比2.2%増の70兆3200億円で、政府投資は前年度比4.5%増の25兆3400億円、民間投資は前年度比1.0%増の44兆9800億円となる見通しです。
協力会社の役割
建設業界において、ゼネコン(工事請負業者)は様々な専門業者を駆使して施工を行います。施工にはガードマン、調査工、専門工事など多岐にわたる業種が必要です。
この施工に不可欠な専門業者を協力会社と呼びます。協力会社は施工元請に対等な立場で協力し、施工に必要な業務を提供します。
良い会社には良い協力会社が必要です。信頼できる協力会社がいることで、施工プロジェクトは円滑に進行し、成功に近づきます。協力会社はプロフェッショナルであり、専門的なノウハウや技術を提供してくれる存在です。そのため、市場競争に強い建設会社は、信頼できる協力会社を複数社持っているのが特徴です。
このように、協力会社は建設業界において重要な役割を果たしており、良好な関係を構築することで、共に成長できるWin-Winの関係を重視しましょう。
弊社は、建設業界特化の総合ソリューション企業として、人材紹介から事業承継型M&A仲介など、経営に関するあらゆるお悩みを解決いたします。
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協力会社に求める要素と人材の特徴
協力会社に求める要素と人材の特徴については、以下のポイントを押さえることが重要です。
協力会社に求める要素
協力会社に求める要素は、主に次の4つが挙げられます。
1.専門性が高いか
協力会社は、自社と対等の立場で業務の一部を担ってくれる存在です。優秀な人材がいるか、高度な技術や独自の企画力・発想力を持っているかを確認しましょう。
専門的な知識や技術を持つ企業と協力することで、効率的に業務を進められます。
2.協力関係を築く意思があるか
協力会社はパートナーとして、一緒に事業を進めていく関係です。上下関係ではなく、対等の立場で意見を言い合える相手を探しましょう。
双方のメリットを追求していけるパートナーが理想です。
3.適正価格での提案があるか
価格の交渉は重要です。相場よりも高い価格設定ではコストが増え、逆に過度な値下げ交渉は長期的なビジネス関係を築くのに難しさをもたらします。
適正な価格で提案をしてくれる相手を選びましょう。
4.コンプライアンス意識があるか
協力会社のコンプライアンス意識が欠如していると、企業リスクだけでなく、業務に携わるメンバーの働きがいにも悪影響を及ぼすことがあります。信頼できる協力会社を選ぶために、コンプライアンス意識を確認しましょう。
これらのポイントを考慮しながら、信頼できる協力会社を選ぶことが大切です。
協力会社に求める人材の特徴
また、協力会社に求める人材の特徴については、以下の点が挙げられます。
- 問題解決能力が高い人
- コミュニケーション能力が高い人
- 素直な人
- 相手の立場で考えられる人
- レスポンスが早い人 など
優秀な人材を採用する際には、経営者の積極的な参加や細部まで教育が行き届いていることも重要です。
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協力会社と良好な関係を構築・維持するコツ
建設業界の将来性について考える際、協力会社の選択は重要なポイントです。以下に、協力会社を選ぶ際のポイントと将来性について解説します。
建設業界の現状と課題
1. 建設資材の高騰
建設業界は、ウクライナ情勢による資材の高騰や円安の影響を受けています。特に型枠用合板や厚板、ストレートアスファルトなどの資材価格が約1.5倍に上昇しています。この問題は経営難を引き起こす要因となっています。
2. 倒産件数の増加
建設業界では倒産件数が増加しており、2023年の倒産件数は前年を上回っています。コロナ禍や物価高、人材不足が要因となっています。
3. 労働基準法改正
2024年から実施される改正労働基準法により、長時間労働の是正が進められています。建設業界でも時間外労働の制限が適用され、労働者の健康を守るための法律となっています。
4. 建設投資額の低下
新型コロナウイルスの影響から、工事の中止や延期が多くなり、建設投資額が低下しています。ただし、災害対策や老朽化対策による需要は続いています。
建設業界の将来性
建設業界は以下の理由から将来性があると言えるでしょう
1. 災害対策による需要拡大
老朽化対策や災害対策により、建築物やインフラの再建やメンテナンスが必要です。これにより需要が続くと予想されています。
2. DX化による生産性向上
デジタル化(DX)の推進により、業務効率化が進むことで生産性が向上します。
3. 大規模な建設プロジェクトの増加
大阪万博やリニア新幹線など、大規模な建築プロジェクトが進行中です。これにより需要が伸びています。
4. エコ建設の需要拡大
環境への配慮が求められる中で、エコ建設の需要が増加しています。
建設業界で求められる人材
建設業界で求められる人材は以下の特徴を持つ方です。
- デジタルに強い新しいアイデアを持つ人
- リーダーシップに優れた存在
- 周囲との協調性を持つためのコミュニケーション能力
- 柔軟性と多様性への理解
求める人材を集める際に必要な対策6つ
建設業界で優秀な人材を集める際に求められる対策は、以下の通りです。
- 従業員の負担を軽減すること
- 性別の壁をなくした人材採用を行うこと
- 技術革新へ投資すること
- 教育と訓練を実施すること
- 持続可能な建設方法を採用すること
- 国際協力と連携すること
協力会社を決める6つの要素
協力会社を決める際には、以下の6つのポイントを考慮すると良いでしょう。
1.実績と信頼性
過去のプロジェクトの成功事例や、業界内での評判を確認します。
2.技術力
最新の技術を取り入れているか、また、技術革新に積極的かどうかを評価します。
3.経営状態
財務状況が安定しており、長期的な関係を築けるかどうかを見極めます。
4.コミュニケーション能力
プロジェクトを円滑に進めるためには、協力会社とのコミュニケーションが重要です。相互理解と協力が可能かをチェックします。
5.柔軟性
状況の変化に対応できる柔軟性があるかどうかを確認します。
6.環境への配慮
環境保護に対する姿勢や、持続可能な建設への取り組みを評価します。
これらのポイントを踏まえ、将来性のある協力会社を選ぶことで、建設業界の発展に貢献し、持続可能なビジネスを築くことが可能です。そして、建設業界の未来は、このような対策と選択によって大きく左右されるでしょう。
どのような協力会社とも、長期的な視点での関係構築が重要なポイントとなります。
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建設業界の協力会社の探し方のまとめ
このように、建設業界における協力会社探しは、自社の事業を円滑に進めるための重要な要素の1つです。ただし、自社にとって良い協力会社を探して契約するためには、価格はもちろんのこと、専門性やコンプライアンスの遵守といった、さまざまな点に留意することが大切です。
そこで、もし貴社の協力会社探しにお困りの際は、いつでも「ビーバーズ」にご相談ください。貴社に最適なソリューションを提供いたします。