塗装工はきつい?仕事内容や年収、向いている人の特徴などを徹底解説
働き方やキャリア 転職 職人・一人親方塗装工の仕事へ就職・転職を検討される方の中には「塗装工はきついと聞くけど本当?」や「辛い仕事を続けられるか心配」などと不安に思う方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、塗装工はきついのは本当かを検証し、仕事内容や給料、向いている人の特徴などを徹底解説します。
これから塗装工へ就職が決まっている方はもちろん、これから就職や転職を検討している方も、ぜひ参考にしてください。
塗装工がきついと言われる5つ理由
以下では、塗装工の仕事に興味のある方や、これから挑戦をしてみたい方に、なぜ塗装工の仕事がきついと言われるかを解説します。
どのような理由から仕事がきついと言われるのかを把握し、ご自身にとってきつい仕事かどうかの参考にしてください。
1.刺激臭などの独特な臭いがする
塗装工の仕事はペンキを扱うため、シンナーなどのニオイがどうしても発生してしまいます。そのため、野外ならまだしも、屋内の塗装であればシンナーの独特な刺激臭が密閉された空間に漂ってしまいます。
慣れてくる気にならなくなりますが、臭いに敏感な人は慣れるまでに気分が悪くなったりして大変かもしれません。
2.体についた塗料が落ちにくいことがある
担当する作業にもよりますが、仕事中に手や顔などに塗料が付着をしてしまうことがあります。
一度手に付着をした塗料はなかなか洗い落とすのが難しく、汚れが落とせても次の日にはまた塗料が付着してしまう恐れがあります。
仕事終わりに遊びの予定を入れたい場合でも、手に汚れが残ってしまうこともあるため、不快に感じるかもしれません。
3.天候によって休みになる
塗装工の仕事は基本的には屋外で行うことが多いため、雨の日だと仕事が休みになることもあります。塗装工の仕事は、基本的に日給の仕事がほとんどのため、天候による休みの増減によって給料が変動する恐れがあります。
特に冬場や梅雨の時期などの雨が多い季節であれば、1週間近く仕事が休みになってしまうこともあるでしょう。
体力的にはキツくはないかもしれませんが、その分給料が減ってしまうため、金銭的な面できついと感じる方がおられるかもしれません。
4.体力的な負担が大きい
塗装工の仕事は、他の仕事と比べて、体力的にも負担の大きい仕事です。作業中は立ちっぱなしの状態が多く、中腰での作業をしなければいけない場面もあります。
そのため、塗装工として働かれている方の中には仕事で腰を痛めてしまい、腰痛を抱えた状態で仕事を続けている方も多くいます。
このように、塗装工は身体が資本の仕事であるため、仕事終わりにマッサージへ通うなどのメンテナンスも必要な仕事です。
5.上下関係が厳しい職場がある
塗装工の現場の中には、職人気質が強く、仕事は目で見て覚えろというような厳しい人がいることもあるでしょう。
また、会社によっては一人前の職人になるまでの育成方法が異なるため、いつまでも下っ端の仕事しかさせてもらえない場合もありますし、仕事中ずっと怒鳴られるといった職場もあります。
もし、このようなケースが多い場合は、より労働環境の良い職場への転職をお勧めします。
自分自身の今後のキャリアステップを考え、本当に今の職場で働くべきかを考えることが重要です。
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塗装工の仕事内容や年収相場を解説
上記では、塗装工の現場がきついと言われる理由を解説してきました。しかし、塗装工の現場は本当にきついのでしょうか。
そこで以下では、具体的な仕事内容や1日の流れ、塗装工の給料について解説します。これから塗装工として働こうと考えている方は、ぜひ給料や仕事内容を加味した上で就職をするか検討してみてください。
塗装工の仕事内容
塗装工は、現場でペンキを塗る「建築塗装工」と工場で車の塗装を行う「板金塗装工」の2つに分かれます。
建築塗装工の場合は、住宅などの建物で仕事をする場面が多くなるため、基本的には直射日光の中で仕事をすることになります。
一方、板金塗装工は主に工場の中で仕事をする形になるため日が当たらない場合がほとんどです。
具体的にそれぞれの特徴や求められるスキルを紹介します。
建築塗装工の特徴
建築塗装工は、建築塗装工は住宅やビルなどの建物へ塗装を行う仕事です。建物の外壁や内壁などへ塗装を行い、その材質に合わせて塗料を使い分けます。
作業自体は主にローラーや刷毛、スプレーを使用して手作業で行うことが多い仕事です。住宅やビルで作業をする場合、多くが足場を作成し高所での作業となります。
また、外壁の塗装では、ただ見た目を美しくするだけではなく、断熱性の高い塗料を使用して建物内の温度調節や防水加工を施すこともあります。
このように、建物の美観を保ち、劣化を防ぎながら、より長く建築物を利用してもらうことも、建築塗装工の仕事の一つです。
板金塗装工の特徴
板金塗装工の仕事は大きく以下の3つの工程に分かれます。
- 板金作業
- 下地作業
- 塗装作業
それぞれ解説します。
1.板金作業
板金作業では、まず車体に付いた傷の深さや大きさからどのような形で傷の修復を行うかを確認します。確認が出来次第、ハンマーなどの専用の工具を取り出し板金作業を行います。
2.下地作業
板金作業が完了すると下地作業へ移行し、必要箇所の塗装面を剥がしてパテで埋め込み作業などを行います。車体の傷を滑らかに見せるため、研磨紙などを使用して表面を滑らかにしていきます。
3.塗装作業
ここからようやく塗装作業を行います。パテを塗り込んだ部分に下地塗料を塗り、乾燥後に仕上げ磨きを行います。
板金塗装工の仕事は塗装に関する知識だけではなく、自動車の部品などに関する知識も必要になるため専門性の高い仕事です。
塗装工の1日の流れ
具体的な塗装工の1日の流れを紹介します。
塗装工の勤務時間は引き受けている案件の工期や作業内容によって異なりますが、一般的には朝の8時頃から朝礼を行う場合が多いです。
朝礼が終わると現場に向かい、塗装に使う材料の準備や作業員どうしで作業に関する打ち合わせを行います。
12時から13時頃に昼食を挟み、夕方の17時から18時頃には現場の撤収作業に取り掛かる流れとなります。
他の仕事と勤務時間が大きく異なるわけではありませんが、雨が降った日などは1日仕事がなくなるケースもあるのが特徴です。
また、工期の都合によって夕方を過ぎた暗い時間に照明を付けて作業をする場合もありますが、基本的には朝から夕方までの明るい時間帯で働くことが多いでしょう。
塗装工の年収相場
求人ボックスのデータによると、塗装工の平均年収は約379万円と言われています。月給に換算をすると30万円程度で、初任給は約21万円が相場です。
日本の平均年収と比較をすると低い傾向にある業種ではありますが、全体の給与幅が299万円から850万円と比較的広いのも特徴です。
また、塗装工は、勤務先や技術、保有する資格によって給料が変動しやすい傾向にあります。
さらに、塗装工の親方として独立が出来れば、案件に関わる売上が全て自分のものになるため、正社員で働いている時よりもより多く稼ぐことも可能です。
塗装工のメリット3つ
塗装工の仕事に向いている人の特徴を紹介してきましたが、実際に塗装工として働く上でのメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
大きく以下の3つに絞り、他の仕事と比べて塗装工のメリットを解説していきます。
先ほど紹介をした向いている人の特徴と含め、今後働いていく上でメリットのある仕事なのかを考えてみてください。
- 就職難易度が低い
- 独立しやすい
- 学歴が必要ない
- 将来性がある
1.就職の難易度が低い
塗装工への就職は他の業種と比べ難易度が低いです。未経験からでも採用してもらえる場合もあり、働きながら職人を目指す方も多いです。
未経験者を募集している会社であれば難しい仕事をいきなり与えられる心配はないため、基本的な業務を覚えていきながら働くことができます。
また、塗装工で働く上で資格は必要ありません。確かに資格を取得していることで給料や独立した際の単価が上がる場合もありますが、誰でも塗装工になれる魅力があります。
経験者が取得しておいた方が良い資格
塗装工に関わる資格の中で「塗装技能士」と呼ばれる資格が存在します。塗装技能士は厚生労働省が認定を行う国家資格の一つです。
資格は3級から1級までの3段階に分かれており、受験するには実務経験が必要になります。1級を目指す場合は最低でも7年以上の実務経験が求められます。
会社によっては資格を取得していることで給料が上がる場合もあります。また、一人親方として独立をした場合、資格を保有していることで一定の信用が得られます。
今後独立を考えている人は、ぜひ資格の取得を検討してみてはいかがでしょうか。
2.独立しやすい
塗装工は技術や実績があれば、他の業種と比べ簡単に独立ができます。どうしても会社に雇用をされている状態であれば、日給か月給のどちらかになるため収入の上限が決まってしまいます。
独立が出来れば全て自分の収入に繋がるため稼ぎやすいです。また、独立をして自分自身で仕事が獲得できるようになってくれば、働く時間など自由になります。
一人親方として独立を行い、徐々に会社の規模が大きくなったことで法人化を行った人もいます。
技術がある程度習得でき、塗装工としてさらに稼いで行きたい人は独立も視野に入れてみましょう。
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3.学歴が必要ない
塗装工には学歴は必要ありません。その分塗装工として技術やこれまでの経験が求められる職場です。
既に塗装工で働く人の中にも、中卒で塗装の業界に入り一人親方として独立を果たした人もいます。しっかりと技術を身に付けられれば年収600万円から800万円まで狙えます。
学歴にコンプレックスがある人や中卒でも年収500万円以上を目指したい方にはおすすめです。
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4.将来性がある
近年では少子高齢化からくる地方の人口減少や空き家の増加問題に伴い、一軒家の新築工事は減少しています。
しかし、中古住宅や古民家を購入した方による「リフォーム」や「リノベーション」の需要が拡大傾向にあります。
塗装工として、屋根の塗り替えや外壁への防水加工などの実績を積んでいくことが出来れば業界でも生き残ることができるでしょう。
塗装工の仕事における3つのやりがい
塗装工の仕事を行う上でのやりがいを3つ紹介します。働いている人の中には「何のために働いているのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
紹介をする内容を踏まえ、改めて自分自身が何の目的で仕事をしているのかを考えるきっかけにしてみてください。
1.塗装を仕上げる面白さがある
塗装工のやりがいの一つに、仕上げの面白さが挙げられます。ペンキの塗り方一つでその建物の良し悪しが左右されます。あらゆる建物や自動車において、最後の仕上げ作業は非常に重要です。
仕上げの見栄えが悪くなってしまうと、これまでの行ってきた作業のクオリティが高くても残念に見えてしまいます。
自分が携わった建物への仕上げが満足のいくものになれば、誇らしい気持ちになり自分の自信に繋がります。
2.技術力を磨くやりがいがある
塗装工は自分自身の技術と密接に関わる仕事になります。同じような塗装の仕事でも行う人によって出来栄えは異なります。また、その日の気温や温度でも最終的な仕上がりが変わる場合もあります。
日々の業務の中で自分の技術の成長を感じられるだけではなく、技術が向上するにつれて周りからの評価も上がります。
周りからの評価が上がれば任せてもらえる仕事の幅も広がるため、自分自身の経験にも繋がり最終的には技術の向上にも繋がるという好循環が生まるはずです。
3.お客さんから直接感謝の言葉をもらえる
塗装工はお客さんと密にコミュニケーションを取る機会が多いです。外壁の塗り替えや自動車の塗装など、お客さんの関わる悩みを直接的に解決することのできる仕事になります。
塗装の仕事は目立つ訳でもなく、個人の名前が大々的に表彰されるものでもありません。しかし、直接的にお客さんから「ありがとう」や「またお願いします」と喜んでもらえると嬉しいのではないでしょうか。
感謝され信頼されるようになってくると「この人にこれからはお願いしたい」と言われることもあります。自分自身の行いが直結して仕事に繋がる経験は、塗装工としてやりがいを感じる点でしょう。
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塗装工に向いている人の特徴5つ
塗装工にはどんな人が向いているのでしょうか。きついと言われる職場ではありますが、実際に若い時から就職をして親方として独立を果たす方も多くいます。
塗装工として続けていける人の特徴を紹介しますので、ご自身に当てはまっているかや、今後の目標として参考にしてください。
1.体力に自信のある人
塗装工の現場は1日中立ちっぱなしの状態が続いたり、中腰のまま作業をしなければいけない場面がくるなど体力が必要な場面が多いです。また、夏は暑く冬は寒いといった気温の影響を受けやすい職場環境でもあります。
キャリアを重ねたベテランであれば仕事に応じて体力配分はできますが、働き始めたばかりはどのように仕事をこなしていくか掴めない部分も多いです。
体力に自信があれば塗装作業に関わる機会も増えるため、経験にあった技術が身に付けやすいです。技術が伴ってくればその分給料も上がりやすくなるため、まずはやり続けられる体力はあるのかを考えてみると良いです。
2.質を追求するのが好きな人
塗装工の仕事は細かなミスが少なく、質を追求する人に向いています。塗装作業の中でも特に仕上げに関わる作業では特に、綺麗に仕上げることが自分の評価にも繋がります。
大雑把に仕上げを行ってしまうと見栄えが悪く、お客さんからの評価も低くなる恐れがあります。
また、建築塗装工であれば塗装の仕上がりによって住宅の性能にバラツキが出てしまいます。防水機能や温度調整を兼ね備えた塗装を塗る際、塗り方にムラが出てしまうと均等に効果が発揮されなくなってしまいます。
何事に対しても完璧主義であればあるほど塗装工の仕事においては評価されやすく、職人として独立するまでも早い傾向にあります。
3.臭いや汚れが気にならない人
塗装工の仕事には嫌な匂いや汚れが付きものです。シンナーの独特な刺激臭に囲まれて仕事をする場合が多く、板金塗装工で働く人の中でも油汚れが嫌で辞めてしまう人も多いです。
塗装の仕事には汚れや臭いは仕方がないと割り切れるおおらかな気持ちを持てる人は塗装の仕事に向いています。
4.高いところが苦手でない人
建築塗装工は、住宅の屋根ぐらいの高さで仕事をする場合が多いです。時には高層ビルや数百メートルにも及ぶ橋などでの作業がある場合があります。
高所の中でも重たいペンキを運び、慎重に塗装を行うことが求められます。加えて、場合によっては高所での作業を夜間に求められることもあります。
高いところが苦手な人は環境によって当初のパフォーマンスが発揮できない恐れがあるため、向いているのかどうかを改めて考えてみると良いです。
5.下積み期間を耐えられる人
塗装工は一人前になるまでの下積み期間が長いです。技術の習得ができなければ職人として仕事を受けることはできません。
しかし、会社によっては年功序列で昇格する場合もあります。
なかなか他の仕事と比べ給料が上がりにくい業種ではあるため、しっかりと目標を持ちながらコツコツと仕事に取り組める忍耐力のある人に塗装工は向いています。
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塗装工の仕事のまとめ
今回は、塗装工の仕事がきついと言われる理由や、仕事内容を解説してきました。
塗装工の仕事は体力的に負担のかかる仕事ではあるものの、その分顧客から直接的に感謝がされる仕事であったり、自分の技術がそのまま評価に直結しやすい利点もあります。
ただ、塗装工として働き始めたばかりの頃は慣れない仕事も多く、体力的にもしんどいと感じることも多いでしょう。しかし、仕事を続けながら、技術が身に付いてくると、仕事の幅も広がり給料も多く貰えるようになります。
もし、現状の職場に不満や不安のある方は、塗装工の仕事に強い、特化型の転職エージェントに相談するのがおすすめです。
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