施工管理は派遣でも働ける？正社員との違いやおすすめの派遣会社13選と選び方のポイントを解説

施工管理は、建設業界における中核的な役割を担う重要な仕事です。

施工管理で働く方の中には、正社員としての安定した雇用を求める声が多い一方で、柔軟な働き方を望む方々が、派遣で働くという選択肢を選ぶケースも増えています。

派遣で働くことの自由度と、正社員としての安定性のバランスをどのように取るかは、多くの施工管理技術者にとって重要な課題です。

また、派遣会社選びは、希望するキャリアパスを実現するための重要なステップとなります。

そこで今回は、施工管理として働く派遣社員と正社員との違いや、おすすめの派遣会社10選と派遣会社を選ぶ際のポイントを徹底解説します。

施工管理への転職をお考えの方はもちろん、興味のある方も、ぜひ参考にしてください。

施工管理は派遣社員でも大丈夫？正社員との働き方の違いも解説

以下ではまず、施工管理職に派遣社員が就ける理由と、正社員との働き方の違いを解説します。

建設業における派遣禁止業務とは？施工管理が大丈夫な理由

建設業界では、その仕事の構造上、下請け業者が何重にも発生を繰り返すことが多々あります。それゆえに雇用関係が不明確になりやすく、是正するため「建設労働者の雇用の改善等に関する法律」が定められています。

人材派遣サービスを導入することで、労働者の雇用改善を図れますが、悪影響を及ぼす可能性があると判断される業種や業務の派遣は禁止されているため注意が必要です。

建設業務とは、工事現場で実際の作業や準備に関わる業務です（建築・土木・解体・修繕等）。そこで、これらの業務の一部だけが含まれていた場合でも、違法としてみなされる可能性があります。

禁止業務の具体的な例としては、以下のようなものがあります。

• 建築・土木工事でのコンクリート合成や建材の加工
• 建築・土木工事現場内での資材や機材の配送
• 建築現場での資材の運搬・組立・家屋の解体
• 工事現場での掘削・埋立作業、資材の運搬・組立
• 配電・配管工事、機器類の設置
• 壁や天井・床の塗装や補修、固定、撤去
• 電飾版や看板などの設置、撤去
• イベント会場の大型テント・大型舞台の設置
• 仮設住宅（プレハブ住宅等）の組立
• 現場の整理・清掃
• 専任の主任技術者及び監理技術者

ただし、工事現場においても、施工管理業務や建設現場での事務業務については禁止されていないため、派遣として働くことも可能です。

施工管理における派遣社員と正社員との基本的な違い

施工管理の派遣とは、派遣会社に登録し、そこから建設会社の工事現場に派遣されて働く雇用形態です。一方、正社員の場合は、建設や土木などの工事を行っている企業に直接雇用されている雇用形態です。

そのため、雇い主が「派遣会社」か「建設会社」かで大きく異なることがわかります。

正社員と派遣社員の基本的な違いは以下の通りです。

雇用期間の違い

正社員の場合は無期雇用で、労働基準法などで雇用が守られ、解雇されにくいという特徴があります。

一方、派遣社員の場合は有期雇用で、プロジェクトごとに契約を結び、雇用が不安定になる可能性があります。

業務内容の違い

正社員は、監理技術者や主任技術者に配置される可能性があります。

一方、派遣社員の場合には、法律で監理技術者、主任技術者には配置できないという決まりがあるため、特定の業務にしか就けないという縛りがあります。

給与の違い

正社員の場合には、昇給やボーナスがあり、安定した収入が見込めます。

一方、派遣社員の場合にはプロジェクトの単価や規模によって収入が変動します。ただし、場合によっては正社員より多くの給料を得ることもあるため、必ずしも派遣の方が不利というわけではありません。

施工管理として派遣で働くメリットとデメリット

施工管理職として派遣で働くメリット6つ

施工管理として派遣で働くメリットは多岐にわたります。そこで以下に、主なメリットを挙げて解説します。

1.未経験でも大手企業で働けること

派遣会社を通じて施工管理の仕事を始めると、未経験でも大手企業で働くチャンスがあります。特に近年は、建設業界は人手不足が深刻であり、未経験者でも積極的に採用する企業が増えています。

2.スキルを磨けば年収アップが見込めること

派遣で働くことで、さまざまな現場で経験を積むことができ、スキルアップが期待できます。スキルが向上すれば、それに伴って年収もアップする可能性が高いです。

3.サービス残業がないこと

派遣社員は契約に基づいて働くため、サービス残業が発生しにくいです。もし残業が必要な場合でも、適正な賃金が支払われるため、安心して働くことができます。

4.多様な現場で働けること

派遣で働くと、さまざまな現場を経験することができます。これにより、自分の適性や強みを見つけやすくなり、キャリアの幅が広がります。

5.人脈が広がること

派遣として多くの現場で働くことで、さまざまな人と出会い、人脈を広げることができます。これにより、将来的なキャリアアップや転職の際に有利になることがあります。

6.ライフスタイルに合わせて働きやすいこと

派遣の仕事は、契約期間や勤務時間を柔軟に選べることが多いため、自分のライフスタイルに合わせて働きやすいです。これにより、仕事とプライベートのバランスを取りやすくなります。

また、正社員登用の可能性がある派遣先での実績が評価されれば、正社員として直接雇用される可能性があります。

これらのメリットは、個々のキャリアプランやライフスタイルによって、その価値が異なる場合があるため、ご自身の目的に合わせて選択することが大切です。

施工管理職として派遣で働くデメリット7つ

一方、施工管理職に派遣で働くデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

1.責任のある重要な業務を任されにくいこと

派遣社員は、正社員に比べて責任のある重要な業務を任されにくい傾向があります。これは、企業が派遣社員に対して長期的な投資を避けるためです。

2.配属の期間が限定されていること

派遣の仕事は契約期間が決まっているため、一定期間ごとに配属先が変わることがあります。これにより、長期的なプロジェクトに関わることが難しくなる場合があります。

3.福利厚生で正社員に劣る場合があること

派遣社員は、正社員に比べて福利厚生が劣る場合があります。例えば、ボーナスや退職金、健康保険などの面で差が出ることがあります。

4.残業や休日出勤することもある

派遣社員でも、繁忙期やプロジェクトの進行状況によっては残業や休日出勤が求められることがあります。ただし、これらの時間外労働には適正な賃金が支払われることが一般的ですので、もし支払われない場合には派遣会社に相談しましょう。

5.直接雇用より待遇が劣ることがある

派遣社員は、直接雇用の正社員に比べて給与や待遇が劣る場合があります。特に、昇給や昇進の機会が限られていることが多いです。

6.仕事へのモチベーションが上がりにくいこと

派遣社員は、短期間で職場が変わることが多いため、仕事へのモチベーションを維持するのが難しい場合があります。また、職場の一員としての一体感を感じにくいことがあるかもしれません。

7.派遣切りされるおそれがあること

経済状況や企業の業績によっては、派遣契約が更新されずに終了することがあります。これにより、突然の失業リスクが高まる可能性があります。

これらのデメリットを理解し、自分のキャリアプランやライフスタイルに合わせて、派遣での働き方が適しているかどうかを慎重に検討することが大切です。

施工管理に強い派遣会社ランキングトップ10

派遣会社にはさまざまなものがありますが、特に施工管理の方にお勧めな派遣会社をランキング形式でご紹介していきます。

1位：ビーバーズ｜建設業界に特化した派遣求人サービス

ビーバーズは、建設業界に特化したエージェントです。

正社員への転職や派遣として仕事探し、フリーランスとして働く建築業界の人材に対する仕事マッチングなど、建設業界に関する幅広い案件を保有しています。

「派遣社員として施工管理の仕事を探してたけど、やっぱり正社員の求人も見てみたい」といった要望も、ビーバーズなら対応できます。

建設業界に特化した転職エージェントだからこそ、業界特有の悩みや不安に寄り添ったサポートができる点が強みのひとつ。

派遣会社を探す場合は、総合型のサイトと特化型のサイトをそれぞれ登録するのがおすすめです。

特化型のエージェントとして、ビーバーズはまず登録しておきましょう。

2位：パソナ

引用元：https://www.pasonacareer.jp/

パソナは人材派遣を専門とする企業のなかではかなり歴史があり、そして大きな企業となっています。未経験、経験問わずさまざまな仕事内容の求人があるので一つは自分にあったものが見つかるはずです。

未経験の方に向けた研修がしっかりと用意されているのもポイントです。業種にとらわれずに派遣先が探せます。

3位：アデコ

引用元：https://www.adecco.co.jp/

アデコは国内外で派遣事業を展開するグローバル企業です。65歳以上の施工管理技士を対象としたキャリアトライアル65を東京都から受託しています。

そのため、高齢の方でも自分に合った働き方を選ぶことができます。

4位：株式会社夢真ビーネックスグループ

引用元：https://www.yumeshin-benext.co.jp/

株式会社夢真ビーネックスグループは、建設技術者派遣事業、施工図作図事業が中心のサービスになっています。前者が施工管理の派遣に関係してきますが、業界未経験者に対するフォローを特徴としているため研修が充実しており、安心して派遣先でも働くことができます。

未経験の方には特におすすめです。

5位：テクノプロ・コンストラクション

引用元：https://www.technopro-construction.com/

テクノプロ・コンストラクションは、建設業界の人事部を目指して、施工管理業務を的確に行なうことを企業理念とした人材派遣会社です。個人のレベルに合わせた3段階の研修が用意されています。

研修制度が充実しているので、派遣未経験でも安心して働くことができます。

6位：日研トータルソーシング

引用元：https://www.nikken-totalsourcing.jp/

日研トータルソーシングは、技術職や製造職に特化した人材派遣会社です。まったくの未経験からキャリアアップを目指している人まで、さまざまな層をターゲットとした研修があります。

研修では知合いも増え、人脈が広がるといった声も上がっています。

7位：ウィルオブ・コンストラクション（施工管理求人ナビ）

引用元：https://sekokan-navi.jp/

ウィルオブ・コンストラクションは、ウィルグループのなかの建設業･施工管理に特化した派遣事業を行なう会社になっています。施工管理求人ナビは施工管理経験者がもっとも多く選ぶサイトとうたっており、施工管理に関してはすべての業種に対応しています。

8位：アーキ・ジャパン（Con Ma）

引用元：https://conma.jp/

アーキジャパンでは建設に関する人材を幅広く取扱っており、建設はもちろんビル管理までさまざまな職種があります。未上場ながらかなり大規模な工事にも携わっており、スカイツリーや新千歳空港の再構築などの工事実績があります。

9位：共同エンジニアリング

引用元：https://www.kyodo-engine.com/

国内外に豊富な実績を持つ共同エンジニアリングでは、電気工事、管工事、土木、プラントの施工管理の人材を取扱っています。経験者は中途採用向けの登録フォームで登録だけでも行なうことで、国内外さまざまな地域の現場で派遣先を探してもらうことができます。

国外で働くことに興味がある方はぜひ調べてみてください。

10位：JAGフィールド

引用元：https://www.jag-fld.com/

JAGフィールドでは、30代以下から60代以上まで幅広い年代の人材がおり、研修も充実しているので、何歳になっても安心して仕事を続けることができます。建設業界に特化しているので、自分に合った派遣先を見つけることができます。

施工管理の未経験者におすすめの派遣会社3選

未経験の方であっても施工管理の仕事に就くことは可能です。しかし、いきなり現場に出るのは不安が伴うと思われますので、ここでは研修が充実している会社を紹介します。

1.レガリス

引用元：https://regalis-gp.com/

レガリスでは施行管理など建設業界の人材派遣を中心としたサービスを行なっています。求職者にはスキルや条件だけではなく希望に沿った派遣先を紹介してもらえるので、未経験者でも施工管理の経験ができるようなサービスとなっています。

2.ワールドコーポレーション

引用元：https://worldcorp-jp.com/

ワールドコーポレーションでは、未経験、若手育成に力を入れており、文系出身者が9割であることからも研修などが充実しているということがわかります。若くてまだ経験の少ない方にはおすすめです。

3.コプロ・エンジニアード

引用元：https://www.copro-e.co.jp/

コプロ･エンジニアードのサービスの一つである監督のタネでは未経験者向けに建設用語の解説や施工管理としてのコミュニケーションの取り方などを個人のレベルに合わせて少人数制で講義を受けることができます。

施工管理の未経験者が派遣会社を選ぶ際のポイント3つ

ここからは、施工管理未経験者の方が派遣会社を選ぶ際に注意するべきポイントについてご紹介します。

1.求人数の多さ

派遣会社が提供する求人の数や種類が多いほど、自分に合った仕事を見つけやすくなります。

また、未経験の方は、未経験からでも始められる案件が豊富にあるかどうかも確認しておきましょう。

2.営業担当者のスキルや質の高さ

営業担当者が経験豊富で、派遣社員のキャリアアップをサポートしてくれるかどうかも大切です。

担当者が派遣社員の希望や適性を理解し、適切な案件を紹介してくれるかを確認することが重要です。

3.福利厚生や研修制度の充実度

施工管理技士が派遣社員として働く場合、雇用契約を結ぶのは施工管理技士ご自身と派遣元の会社になります。そのため派遣社員は派遣元の福利厚生を受けることになるため、有給休暇や育児休暇、また社会保険など福利厚生が充実しているかどうか、休暇が取りやすい環境であるかどうかもチェックする必要があります。

また、未経験者にとっては仕事を始める前や就業中の研修やサポートは非常に重要です。派遣会社がどのような研修プログラムを提供しているか、また、就業後のフォローアップが手厚いかどうかをチェックしましょう。

派遣だけでなくフリーランスという働き方も検討しよう

施行管理技士がフリーランスとして働くことで、工事の責任は施工管理技士側に発生しますが、派遣とは違って工事に対して指示や命令をされることなく働くことができることが最大のメリットです。終業時間などにも制限がないので納期までに工事の完成さえできればその成果に対して報酬を得ることができます。

経験豊富な施工管理技士にとっては派遣よりもフリーランスのほうが働きやすいと言えるでしょう。

施工管理におすすめの派遣会社のまとめ

このように、派遣社員は正社員とは異なり、安定しないかわりにある程度自由に働くことができます。また、たくさんの案件をこなすことができれば、正社員よりも多くの報酬を手にすることも可能です。

しかしながら、派遣社員は契約上、監理技術者などにはなれませんし、業務の上で派遣先から指示や命令をされることもあります。

自分のペースで仕事をしたい施工管理の経験者はぜひ一度、フリーランスとして働くことも選択肢の一つとして持っておくほうが良いかもしれません。

ただし、施工管理で働く際は、ご自分に合う転職先を見つけるための自己分析を行い、仕事や企業への適性をしっかりと理解してから転職活動を行うことが大切です。

転職エージェントのキャリアコンサルタントのサポートを受けながら就職や転職活動を進められれば、転職に関する悩みを解消できるだけでなく、自己分析やヒアリングを通して自分の向いている仕事に気付けるかもしれません。

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