一級電気工事施工管理技士の年収の相場は?収入を上げるコツや転職を検討すべきタイミングを解説
働き方やキャリア 施工管理- 電気工事施工管理技士として働く中で、業界の平均年収はいくらなんだろう?
- 今の自分の年収は、電気工事施工管理技士として高いのか低いのか?
こんな疑問を持ったことはありませんか?
電気工事施工管理技士は、電気工事の現場で施工管理を行う国家資格であるため、施工管理技士の中でも比較的年収が高いといわれる職種です。
その上で一級や二級の資格を持つ人であれば、資格手当などを踏まえた高い年収を期待できます。
電気工事施工管理技士一級の資格を持っていながら低い年収に悩まされる人であれば、働く会社や仕事内容に問題があるかもしれません。
スキルに合う会社に転職するだけで、一気に収入が増えることもあります。
そこで今回は、一級電気工事施工管理技士の資格を持つ人に向けて、年収の相場や年収を上げるためのコツ、転職を検討すべきタイミングを紹介します。
一級電気施工管理技士として働く中で、自分の年収に不満を持つ人や年収の相場を知りたい人は参考にしてみてください。
電気工事施工管理技士の年収相場を徹底比較
まずは自分の年収が平均と比べて高いか低いかを確認しましょう。
ここからは電気工事施工管理技士の年収について、下記の4つの項目で比較します。
- 電気工事施工管理技士の年収相場
- 二級電気工事施工管理技士の年収相場
- 一級電気工事施工管理技士の年収相場
- 別の施工管理技士の年収との比較
それぞれ詳しくみていきましょう。
電気工事施工管理技士の年収相場
電気工事施工管理技士の平均年収は、400~800万円と幅があります。
なぜならこの結果は電気工事施工管理技士の資格の有無を問わず、電気工事施工管理技士として働く全ての人の平均年収を表しているため。
建職バンクの調査によると、電気工事施工管理技士の年収の上限と下限分布は以下のとおりです。
引用:[建職バンク]
表を見てわかるように、人によって年収に差があることが分かります。
これは会社の規模や担当業務、保有資格によって年収が変わるため。
次からは資格ごとの平均年収の違いについて見ていきましょう。
二級電気工事施工管理技士の年収相場
二級電気工事施工管理技士の平均年収は543万円です。
国税庁が発表している日本の平均年収433万円と比較すると、二級電気工事施工管理技士の年収は高いといえるでしょう。
また電気工事施工管理技士全体の平均年収である400~800万円と比較しても、二級電気工事施工管理技士の平均年収543万円は、全体の半分程度に上昇しているため、資格による年収アップが見込めることが分かります。
二級電気工事施工管理技士の求人には400万円から900万円を超える求人まで豊富にあるため、会社の選び方で平均以上の年収を狙うことができるでしょう。
一級電気工事施工管理技士の年収相場
一級電気工事施工管理技士の平均年収は546万円です。
求人に掲載される給与の数値も400~600万であることが多いです。
ただ、求人によっては年収900万円や1000万円以上の提示もあります。
一級電気工事施工管理技士の資格は大規模の工事を行う会社では重宝されるため、今の年収に満足いかない人であれば、条件の良い会社に転職すると一気に年収が上がるかもしれません。
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別の施工管理技士の年収との比較
施工管理技士は、電気工事施工管理技士の他にもあり、それぞれ対応する工事や業務内容が異なります。
ここでは、施工管理の種類によって異なる年収をまとめました。
順位 | 職種名 | 平均年収 |
1 | プラント施工管理 | 659.9万円 |
2 | 設備施工管理 | 643.5万円 |
3 | 電気通信施工管理 | 628万円 |
4 | 電気工事施工管理 | 635万円 |
5 | 土木施工管理 | 613.1万円 |
6 | 建築施工管理 | 609.4万円 |
引用:[セカコンプラス]
電気工事施工管理の年収は、施工管理全体でみると4番目に高いことが分かります。
ただ、電気工事施工管理技士は電気工事を取り扱うことができるため、1位のプラント施工管理として働くことも可能です。
年収を上げたい電気工事施工管理技士は、プラントや大型施設の工事を取り扱う会社に勤めるのがおすすめです。
一級電気工事施工管理技士の収入は経験や地域によって差がある?
上記のように、一級電気工事施工管理技士の年収相場は、平均でおよそ546万円です。
しかし、資格の有無・経験年数・企業の規模・地域などの要素により年収に幅があるようです。以下に、経験や地域による年収の差を紹介します。
経験による差
施工管理は経験年数と比例して年収が上がる傾向にあります。また、上位資格である1級を取得することで、年収や待遇が向上する可能性が高くなります。
1級の資格を持っていると、大規模な工事に携われることや、監理技術者になれることがメリットです。
実際に、大手ゼネコンでは年収1,000万円になることもあります。
地域による差
地域別で見たとき、もっとも高い平均年収だったのは関東地方の約527万円です。一方、最下位だったのは中国地方で平均年収が約465万円という結果でした。
地方では電気工事の需要が少ないことや、物価が安いことが影響していると考えられます。
以上のように、一級電気工事施工管理技士の年収は、様々な要因によって変動します。
そのため、自分のキャリアや希望に合わせて適切な企業や業界を選ぶことが重要です。
電気工事施工管理技士とは|仕事概要や資格による違い
そもそも電気工事施工管理技士とは何をする仕事?という疑問から解説しましょう。
電気工事施工管理技士は、施工管理技士という国家資格のひとつです。
電気工事施工管理技士とは、建設業法に基づき電気工事の円滑な施工や品質の水準を確保するために施工管理を行う仕事です。
具体的な仕事内容としては、電気工事に関する施工計画を作成や、安全管理、品質管理、監督業務など。
工事のスケジュールを決め、工事で使用する材料の品質や現場の安全面を確保していくことが、電気工事施工管理技士の大きな仕事となります。
電気工事施工管理技士は一級と二級に分かれており、取得資格によって請け負える業務の範囲が異なります。
二級電気工事施工管理士は、一般建設業の営業所ごとに置く「専任技術者」や工事現場ごとに置く「主任技術者」になることが可能。
一級電気工事施工管理士は、二級の範囲に加え、特定建設業の営業所ごとに置く「専任技術者」や「監理技術者」になることができます。
まとめると以下のとおり。
1級施工管理技士 | 2級施工管理技士 | |
特定建設業の専任技術者 | ○ | × |
一般建設業の監理技術者 | ○ | × |
一般建設業の専任技術者 | ○ | ○ |
一般建設業の主任技術者 | ○ | ○ |
つまり大規模な工事で責任者として携われるのは一級資格者のみであるため、一級電気工事施工管理士の資格を持っていれば業務の幅が広がります。
電気工事施工管理技士の資格の難易度や資格概要について詳しく知りたい人は、下記の記事を参考にしてください。
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電気施工管理技士として働く3つのメリット
ここからは電気施工管理技士として働くメリットを3つ紹介します。
- 幅広い工事に対応できる
- 定年後も働き続けられる
- 資格取得による資格手当がもらえる
それぞれ詳しくみていきましょう。
幅広い工事に対応できる|さまざまな工事に携われる
どのような建築物でも、多数の人が長時間活動する場所では電気工事は必ず行われます。
たとえば、住宅では土台や壁を作ったあとに電気配線を整える電気工事が必要ですし、大型の工場を建設する場合も事業用の発電施設や電気機器を設置する必要があります。
つまり、電気施工管理技士の資格を取得すれば大小関わらずさまざまな工事の施工管理として働けるようになるということ。
電気を取り扱う全ての建築物で活躍できる電気施工管理技士は、多種多様な工事に関わりたい人に向いている仕事といえるでしょう。
定年後も働き続けられる|取得した資格は一生使える
電気工事施工管理技士は定年後も働く場所を確保できる資格として大きなメリットがあります。
電気工事施工管理技士の資格は、一度取得すれば一生使える資格です。
施工管理技士の多くは50代を越えたあたりから現場での業務から退き、教育業務や全体の管理業務に移ります。
場合によっては働く場所がなくなり、退職することもあるでしょう。
しかし電気工事施工管理技士は、定年後でもビル管理や設備管理などの保守管理業務として働き続けることが可能。
ビル管理や設備管理には、電気を取り扱う資格を持つ人を求めているため、定年後でも有資格者は歓迎されます。
ビル管理であれば、業務量や業務時間も少なく余裕を持って働けるため、定年後の勤務でも不安がありません。
長期的に働き続けられる点は、電気工事施工管理技士の大きなメリットといえるでしょう。
資格取得による資格手当がもらえる|基本給に上乗せされる
会社によっては電気工事施工管理技士の資格を持つことで、基本給に資格手当が上乗せされることがあります。
資格手当の相場は一級と二級で異なり、それぞれの相場は下記のとおりです。
二級電気工事施工管理技士 | 2,000円〜30,000円 |
一級電気工事施工管理技士 | 5,000円〜60,000円 |
引用:[工事士.com]
一級電気工事施工管理士の資格手当は多い場合で30,000円なため、資格手当によって年収が360,000円も増えるということ。
一方で資格手当が5,000円の場合、年収として増える金額は60,000円。
資格手当によって年収に30万円以上もの差が出てくるため、資格手当の金額は確認しておきましょう。
一級電気工事施工管理技士が年収を上げる3つの方法
一級電気工事施工管理技士は資格取得までに長い時間をかけて仕事を続けてきた人が多いです。
対応できる業務が広がり、役職が上がったことである程度の収入を得られるようになった人が多いのではないでしょうか。
そんな中でも、年収が上がらないことに悩む人がいるかもしれません。
ここからは一級電気工事施工管理技士が年収を上げる3つの方法について紹介します。
- 工事全体をまとめる責任者の仕事に挑戦する
- 複数の資格を取得する
- 大型の工事を取り扱う会社に転職する
それぞれ詳しくみていきましょう。
工事全体をまとめる責任者の仕事に挑戦する|経験値が身につき価値が高まる
一級電気工事施工管理技士が年収を上げるために挑戦すべき行動は、工事全体をまとめる責任者の仕事に挑戦することです。
一級電気工事施工管理技士は、大規模な工事の責任者である「専任技術者」や「監理技術者」になることができます。
責任者の立場で工事全体を管理できるようになれば、さらに大きな規模の工事の責任者に挑戦してみてください。
工事の規模が大きな責任者を担当できるようになれば、業務の難易度が上がりそれに伴い年収も高くなるでしょう。
大規模工事での責任者経験があれば、転職でも大きな強みになります。
年収を上げるだけでなく、自分の価値も上げていきましょう。
複数の資格を取得する|施工管理技士以外の資格を組み合わせる
一級電気工事施工管理技士が年収を上げるには、施工管理技士以外の資格を取得するのがおすすめです。
電気工事施工管理技士が取得するべき資格は以下のとおり。
- 電気主任技術者
- 電気工事士
- 建築士
電気主任技術者や電気工事士の資格があれば、電気工事に関する専門性がより高まります。
建築士の資格があれば、施工管理が関わる業務以外の部分で知識がつくため、対応できる業務が増えるかもしれません。
資格が増えれば、付与される資格手当が増えて、年収が上がります。
自分のキャリアプランを考えて、必要な資格の勉強を始めましょう。
大型の工事を取り扱う会社に転職する|工事の単価が上がり年収が上がる
一級電気工事施工管理技士が年収を上げるには、大型の工事を取り扱う会社に転職しましょう。
なぜなら会社によって給料に差が出るのは、会社の取り扱う工事の規模に違いがあるため。
実際に建設業界内で高い年収を出している企業の多くは、大規模工事を請け負う大手ゼネコンです。
自分の会社が中・小規模の工事しか請け負っていない状況であれば、一級電気工事施工管理技士の資格を生かしきれていないかもしれません。
一級電気工事施工管理技士の数は少ないため、大手ゼネコンをはじめ多くの会社が一級電気工事施工管理技士を求めています。
まずは転職エージェントに相談してみて、キャリアの棚卸をしながら転職活動を進めましょう。
一級電気工事施工管理技士のキャリアアップのためにおすすめの資格
一級電気工事施工管理技士のキャリアアップのためにおすすめの資格には、以下のようなものがあります。
技術士
技術士は国家資格であり、技術分野における高度な専門知識と技能を有する者として認められます。
技術士の試験は、電気工事施工管理技士の試験科目と重なる部分が多く、1級電気工事施工管理技士の第二次検定に合格すれば、技術士の第二次試験を免除されます。
技術士になると、公共工事の設計や監理、コンサルティングなどの幅広い業務に携わることができます。
配電制御システム検査技士
配電制御システム検査技士も国家資格であり、配電制御システムの検査に関する知識と技能を有する者として認められます。
配電制御システムとは、電力会社の送電線から受電した電力を、建物内の各部屋や機器に適切に供給するためのシステムです。
配電制御システム検査技士になると、電気工事の品質管理や安全管理に貢献できます。
PV施工技術者
民間資格であるPV施工技術者は、太陽光発電システムの設計や施工に関する知識と技能を有する者として認められます。太陽光発電システムとは、太陽の光を電気に変換するシステムで、再生可能エネルギーの普及に貢献します3。PV施工技術者になると、太陽光発電システムの専門業者として活躍できます。
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電気施工管理技士が転職を考えるべきタイミングと転職事情を解説
以下では、一級電気工事施工管理技士の転職事情について解説します。
- 需要の高い業界や企業
- 転職を検討すべきタイミング
- 転職のメリットやデメリット
需要の高い業界や企業
まず、需要の高い業界や企業についてですが、一級電気工事施工管理技士は、電気工事の現場で施工管理を行う国家資格です。
そのため、電気工事に関わる業界や企業であれば、どこでも活躍できる可能性があります。
具体的には、以下のような業界や企業が挙げられます。
電力会社や送配電事業者
発電所や送電線などの電力インフラの建設や保守に関わります。
ゼネコンやサブコン
建築物や土木工事などの電気設備の設計や施工に関わります。
電気設備工事会社や電気工事店
オフィスビルやマンションなどの電気設備の設計や施工に関わります。
再生可能エネルギー事業者
太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの設計や施工に関わります。
通信事業者や通信設備工事会社
携帯電話基地局や光ファイバーなどの通信インフラの設計や施工に関わります。
転職を検討すべきタイミング
次に、転職を検討すべきタイミングについてですが、一級電気工事施工管理技士は、経験や実績に応じて年収や待遇が向上する傾向にあります。
しかし、同じ企業や業界で長く働いていると、キャリアの幅が狭まったり、スキルの陳腐化が起きたりする可能性もあります。
そのため、以下のような場合には、転職を検討することがおすすめです。
年収や待遇に不満がある場合
同業他社や他業界でより高い年収や待遇を得られる可能性があります。
スキルや知識を広げたい場合
異なる業界や企業で働くことで、新しい技術や知識を身につけられる可能性があります。
キャリアチェンジをしたい場合
自分の興味や適性に合った業界や企業に転職することで、やりがいやモチベーションを高められる可能性があります。
転職のメリット
最後に、転職のメリットやデメリットについてですが、一級電気工事施工管理技士は、高い専門性と需要を持つ資格です。そのため、転職には以下のようなメリットがあります。
年収や待遇の向上
同業他社や他業界では、自分のスキルや実績を高く評価してくれる場合があります。
スキルや知識の向上
異なる業界や企業では、自分の持っていない技術や知識を学ぶ機会が増えます。
キャリアの幅の拡大
異なる業界や企業では、自分の可能性や選択肢が広がります。
転職のデメリット
一方で、転職には以下のようなデメリットもあります。
環境の変化に対応するストレス
異なる業界や企業では、自分の慣れていない環境や人間関係に適応する必要があります。
経験や実績の評価の低下
異なる業界や企業では、自分の経験や実績が十分に認められない場合があります。
転職活動の時間や労力の負担
異なる業界や企業に転職するには、自分の強みや魅力をアピールする必要があります。
上記を確認した上で、「依然として自分の年収に満足がいかない」「他の会社が気になる」という人はまずは転職エージェントに相談してみましょう。
転職エージェントは転職のプロです。
その中でも建設業界に特化した転職エージェントであれば、建設業界ならではの悩みに寄り添いながら、その人に合った転職先を探すことができます。
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年収だけじゃない!電気工事施工管理技士が転職で求めるべきポイント
転職を検討する人で、求人情報を探し始める場合、年収以外のポイントにも注意を向けましょう。
電気工事施工管理技士が転職で求めるべきポイントは、以下の2点です。
- 残業時間
- ワークライフバランス
いくら年収が高くても月の残業時間が多い会社に転職してしまえば、時給換算すると以前の職場よりも稼げていない、なんてこともあります。
年収が高く設定されている求人票であれば、その会社の月平均残業時間や、口コミを確認しましょう。
また、ワークライフバランスも細かく把握すべきポイントです。
会社の福利厚生だけでなく、産休や育休、有給休暇の取得率や会社独自の休暇制度などを比較しましょう。
転職すれば新しい環境で一から関係を築く必要があるため、できるだけ働きやすい職場を選ぶのが、転職を成功させるコツです。
まとめ
今回は一級電気工事施工管理技士の年収について、年収の相場や年収を上げるためのコツ、転職を検討すべきタイミングについて紹介しました。
一級電気工事施工管理技士は、施工管理技士の中でも特に難易度の高い資格のひとつであり、高い技術を証明できる資格です。
ただ、会社規模や業務内容によっては年収が低い状態で働いている人がいるのも現状です。
今回紹介した電気工事施工管理技士の平均年収を、自分の年収と比較してみてください。
自分の年収が低いと感じたり、もっと別の仕事に取り組みたいと思った人は、転職エージェントに相談するのがおすすめです。
本記事をきっかけに、自分に合った会社に転職し年収を上げられる人が増えれば幸いです。