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一人親方の日当相場はどれくらい? 職種別の相場を徹底解説

一人親方の日当相場はどれくらい?職種別の相場や収入の上げ方

職人・一人親方

建設業界における一人親方の日当相場は工種や地域によって日当が変わっています。また働き方も環境によって大きく変わります。

この記事では一人親方の日当相場を紹介しながら収入の上げ方や単価のいい仕事探しまでご紹介しております。収入を上げたい一人親方や、これから一人親方として働きたい方に向けておすすめです。

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この記事の監修者
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山中 健太キャリアコンサルタント
コンサルティング会社にて建設会社の成長戦略型提案業務を経験。「ビジネス会計検定1級」を保有しており、採用責任者や経営者など企業側の目線を最も理解したキャリアサポート、就職支援を得意とする。

一人親方全体の日当相場はどれくらい?

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建設業界では会社に雇用されずに、自分自身や家族とだけで事業を行う一人親方が活躍しています。建築業において、高層建築工事の需要が多い都市と、低層アパートや個人宅がメインの地域とでは収入に差が出ることは仕方がありませんが、それでも会社に所属している職人よりも一人親方の日当の方が高い傾向が見られます。

そんな一人親方の界隈では、給料が日当で支払われることが大半です。日当制であるという事は、毎月同じ日数の出勤や給料が保障されるわけではなく、天候によって日当が発生しないなどというように給料が左右されることもあります。

ベテランの一人親方になれば、日当は会社に所属している職長クラスに匹敵し、その相場は一日18,000円~20,000円になります。また一人親方の日当や月収、年収を他の業界と比べることも可能です。

  • 平均月収=平均年収÷12ヶ月
  • 平均日当=平均月収÷月間平均実働日数

以下からはさらに細かく一人親方の日当相場をジャンル別に解説していきます。

一人親方の日当相場をジャンル別に解説

一人親方と一括りに読んでも、中には建設系や土木系、内装系や電気・設備・設備系、解体系やリフォーム系、外構系といったように多数のジャンルが存在し、ます。求められる専門的な技術や危険性、働く環境に大きな差があります。また、見習いから職長クラスまでには給料にも大きな差が生まれます。

以下からはさらに細かなジャンルと階級の日当相場を、一覧表と共に解説していきます。

建築系職人の日当相場

建築系の職人の中にも大工、型枠大工、鉄筋工、瓦・屋根工、鉄骨鳶、足場工などのジャンルがあり、高所の作業や専門的な技術が必要な作業が多くあります。よって見習い期間と職長クラスには日当に大きな差が出ます。

職種見習い中堅職人職長
大工6,000~8000円9,000~15,000円18,000~20,000円
型枠大工8,000~12,000円13,000~15,000円15,000~18,000円
鉄筋工8,000~12,000円13,000~15,000円15,000~18,000円
瓦・屋根工8,000~12,000円13,000~15,000円18,000~20,000円
鍛冶工8,000~12,000円13,000~16,000円16,000~20,000円
足場工8,000~12,000円13,000~15,000円18,000~22000円
鉄骨鳶8,000~12,000円14,000~18,000円18,000~25,000円

※資格の有無や会社の規模、地域によって異なります。

土木系職人の日当相場

土木系の職人は他の職種に比べると専門的な技術の必要性は低いことから、日当は安くなります。その反面、年配の方でも長く働ける傾向があります。

職種見習い中堅職人職長
土工8,000~10,000円10,000~12,000円13,000~15,000円
墨出し工8,000~10,000円11,000~ 15,000円15,000~18,000円
解体工8,000~10,000円10,000~13,000円13,000~15,000円

※資格の有無や会社の規模、地域によって異なります。

内装系職人の日当相場

内装系の職人は、技術は求められますが他の職種に比べると日当が安くなっています。これは天気によって仕事が左右される事がほとんど無いためであり、月の合計を見ると収入は安定しています。

職種見習い中堅職人職長
軽天職人8,000~10,000円10,000~13,000円14,000~17,000円
クロス職人7,000~9,000円9,000~12,000円13,000~18,000円
ボード職人9,000~11,000円11,000~14,000円15,000~18,000円
床・フローリング工8,000~10,000円11,000~14,000円14,000~16,000円
家具職人7,000~9,000円9,000~12,000円13,000~18,000円

※資格の有無や会社の規模、地域によって異なります。

電気・設備系職人の日当相場

設備系の職人は、流行や景気によって左右されることがあります。また、それによって日当も変動することがあります。太陽光施工職人に関しては、太陽光が流行っていた時期は職長クラスで日当25,000円などといったこともありました。

職種見習い中堅職人職長
電気職人7,000~10,000円11,000~15,000円15,000~18,000円
配管職人8,000~10,000円11,000~13,000円13,000~16,000円
設備職人8,000~10,000円11,000~13,000円13,000~16,000円
太陽光施工職人10,000~12,000円12,000~15,000円15,000~17,000円

※資格の有無や会社の規模、地域によって異なります。

外構系職人の日当相場

外構系の職人は、技術の必要性もありハードな内容でありますが、日当は他の職種と比べてあまり高くない傾向が見られます。

職種見習い中堅職人職長
左官職人7,000~9,000円9,000~13,000円13,000~16,000円
造園職人8,000~9,000円9,000~13,000円13,000~16,000円
タイル職人8,000~10,000円10,000~14,000円14,000~18,000円
サイディング職人8,000~10,000円10,000~15,000円15,000~18,000円

※資格の有無や会社の規模、地域によって異なります。

解体系職人の日当相場

壁の取り壊しや太い柱の取り壊し、コンクリートの取り壊しなどをメインに行い、建物の大きな枠を取り壊す仕事内容です。ケガのリスクや危険性は高いですが、専門的な技術はあまり必要ではないので他の職種に比べると日当はあまり高くはありません。

職種見習い中堅職人職長
建設現場8,000~9,000円9,000~11,000円11,000~13,000円

※資格の有無や会社の規模、地域によって異なります。

リフォーム系職人の日当相場

リフォーム系の職人は、小雨の天候でも現場作業が中止になってしまうことが多いため、収入があまり安定しません。日当の金額は職人の中でも平均的な金額になっています。

職種見習い中堅職人職長
塗装職人8,000~10,000円11,000~15,000円15,000~18,000円
防水(シール)職人8,000~10,000円11,000~13,000円13,000~16,000円
ハウスクリーニング7,000~9,000円9,000~12,000円12,000~13,000円

※資格の有無や会社の規模、地域によって異なります。

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一人親方の収入の上げ方8選

一人親方は会社員と違って、収入は仕事量×単価で決まる為、自分の行動次第で年収1000万円以上を目指すことができます。会社員として働いていた方は、どんな頑張りを見せてもあまり収入変化がなかったのではないでしょうか。

しかし、一人親方であれば仕事量も単価も自分で選んで決めることができるので、年収はいくらでも上げることが可能になります。ここではより効率的な仕事の見つけ方や選び方、取るべき資格など、一人親方としての効果的な収入の上げ方についてまとめていきます。

1.相場を理解して価格交渉する

単価を上げるためにまずは一人親方の単価の相場を理解しておくことが大切です。まずはひとり親方の単価の平均を確認しましょう。

  • 溶接工・・・28,700円
  • 防水工・・・28,400円
  • 塗装工・・・26,800円
  • 板金工・・・26,400円
  • 左官工・・・26,200円
  • 内装工・・・26,200円
  • 鉄筋工・・・26,100円
  • とび工・・・25,900円
  • 石工・・・25,800円
  • 型枠工・・・24,700円
  • 鉄骨工・・・24,400円
  • サッシ工・・・24,300円
  • 大工・・・24,300円
  • ブロック工・・・23,900円
  • はつり工・・・23,800円
  • 電工・・・23,700円
  • ガラス工・・・23,600円
  • 配管工・・・20,900円
  • ダクト工・・・20,700円

これは国土交通省が発表している「平成29年3月から適用する公共工事設計労務単価について」から抜粋したもので、各ジャンルの地域ごとの単価の平均値です。単価は地域によって差が生まれ、高層建築工事の需要が多い都市と、低層アパートや個人宅がメインの地域戸では大きな金額の差が生じる場合があります。

例えば鉄筋工で見れば千葉県の単価が26,600円なのに対して、宮崎県では19,200円といったように約7,000円以上もの差が開く場合もあります。地域ごとの相場を理解しておくことも価格交渉には必要になってきます。

2.働く日数・時間を増やす

一人親方としての収入を上げるには、シンプルな方法にはなりますが働く日数や時間を増やすことが大切です。そのためには効率的な仕事探しも重要になってきます。

案件の数は常にたくさんありますが、数多くの案件の中から自分の職種に合ったものや希望の単価、自分のスケジュールとの兼ね合いまでをすべて自分で管理するのは大変なことです。もしそれらすべての管理を自分でこなすとなるとかなりの時間を費やすことになってしまいます。

この課題を解決するには、案件の取捨選択をサポートしてくれるサービスを利用することが効果的です。案件情報を常日頃キャッチアップしながらスケジュールを隙間なく埋める体制を作ることが、収入アップの第一歩になります。

3.高単価・長期案件の受注をする

日当の単価はいくら毎日現場に入って一生懸命働いても単価はほとんど上がりません。上記では日数を増やす収入の上げ方を述べましたが働く日数を増やすことにも限度があります。そのうえで次に生かせる収入アップの方法は一つ一つの仕事の単価を上げることです。

ではどうすれば仕事の単価を上げられるでしょうか。

一つは周りの人とは違う努力をすることです。周りの人と同じことをやっても、同じ給料が支払われるだけです。技術や知識を身に着けることで、自分自身の需要を高めることができます。

もう一つの方法はたくさんの案件の中から高単価なものを選ぶという方法です。ただ単に働く日数と時間を増やして収入を上げる方法よりも、たくさんの案件の情報の中から自分に合った仕事を選んで調整することが効率の良い収入アップにつながります。

弊社のビーバーズフリーランスではたくさんの案件をエージェントが丁寧に紹介するので、紹介された案件の中から単価の高いものを選ぶことが可能になります。

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4.リピーターを獲得する

リピーター、つまり顧客を獲得し増やしていくことで受注状況は安定し、収入も全体的に上がります。新規顧客を増やすためには自身の評価を上げることが大切です。そのためには経験や資格、人付き合いが大切になります。人付き合いの中で新規顧客を獲得するために大切なことは、とにかく恩を売ることでしょう。

一つ具体例を挙げるならば、とにかく忙しい時でも新規顧客をどんどん開拓していき、安い仕事でも請けるようにすれば新しい顧客との接点を持つことができます。そのうえで単価以上の仕事をこなすと、関わりを持ったことで得したと感じてもらえるでしょう。

大切なことは忙しい時ほど無理してでも仕事を受けておくことです。忙しい時は仕事を断れる余裕があるので、単価の高い仕事を優先してしまいがちですが、そんなときほど我慢することで「あの時お世話になったので〇〇さんに仕事をお願いしよう。」といった信頼につながり、仕事が途切れることなく殺到する環境を作ることができます。

ここまで来て初めてたくさんの仕事の依頼の中から単価の高いものを選べるようになります。

5.隣接他工種のスキルを身に着ける

案件を選ぶ中で、一つの職種しか担当できない一人親方に比べて、他工種のスキルのある一人親方の方が、仕事を得る機会も一件あたりの仕事の単価も上げることができます。例としては、内装の案件を受けた時に、その仕事に加えて塗装の職種のスキルも持っていれば一つの案件で内装と塗装のどちらの仕事も請け負えるようになり、一件の仕事で発生する給料を増やすことが可能になります。

このように、仕事の幅を広げるには隣接他工種のスキルを身に着けておくことも収入アップには効果的です。

6.節税知識を身につける

様々な工夫や努力によって収入が増えたとしても、それによって経費や税金の支出が増えているようでは収益を増やすことは難しいでしょう。ここでは節税のポイントを三つにまとめて紹介します。節税を心掛けることで、収益として手元に入る金額は大きく変わります。

  1. 備品や消耗品の仕入れは、費用対効果を意識しながら低いコストのものを選ぶようにする。
  2. 備品代や消耗品代、交通費などの経費として計上できるものは漏らすことなく申告する。
  3. 確定申告の際には、排除できる項目をきちんと把握したうえで、正確に一つ一つ申告する。
    例)生命保険・労災保険・外注費用など

7.上位資格の取得に取り組む

単価、つまりその人の価値は希少性と需要によって決まることがほとんどです。よって、現場で働く際に必要とされやすいかつ希少性も高い資格を取得するか、難易度の高い資格を持っておくことが効果的になります。

資格とは、その人の能力を保障するものになります。現場で欠かせないような資格であれば需要はさらに高まるでしょう。しかし、これは需要のある希少性を持った資格に限ります。周りの人に差を付けられるような資格を取れれば、更に高い単価を望むことが可能になります。

8.職種を変更する

一人親方として収入を上げることを目指すのであれば、職種自体を変更することも選択肢の一つです。職種によってそれぞれの案件の単価や需要も異なります。一人親方の収入は「どんな仕事をしているのか」によって大きく左右しているとも言えます。

職人として現場で働いた経験を存分に生かせる新たな職種として施工管理技士があります。施工管理技士とは、建物を建てる際にかかる工期を守る工程管理、会社の利益を確保する原価管理、質の高い工事を行う品質管理、作業員の安全を確保し事故を起こすことなく工事を終える安全管理など、そのすべてを管理する職種です。

この仕事は職人のように実際に作業をすることはありませんが、職人に指示を出しながら現場を動かすため作業の知識や経験値がないと務まりません。よって職人から施工管理技士に職種を変更した方は、経験値も豊富なため指示も的確に出せます。

施工管理技士は資格者が圧倒的に不足しています。よって職人が資格を取り、ガッツリ活躍できれば年収800万以上を目指すことも可能になります。更には、働き方改革も積極的に行われており行われており、完全週休二日制の企業も存在していることからおすすめの職種です。

フリーランスでも施工管理できます!
フリーランスの施工管理は以前は珍しかったですが、近年では増加傾向にあります。特に建設業界での人材不足が深刻化する中、フリーランスとして働く施工管理技術者が注目されています。以下のフリーランス適職診断では

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フリーランスの施工管理は特に都市部や需要の高いプロジェクトでは増加傾向にあります。診断してご自身に合った働き方を理解し、無料登録でお届けする案件もご覧になった上でご検討してみてはいかがでしょうか。

一人親方として働くメリット・デメリット


一人親方になることで会社員とは異なるメリットがたくさんあります。しかしメリットがたくさん増える半面、もちろんひとり親方になることで責任も増え、デメリットに感じる部分も生まれてきます。

現場の業種によって仕事内容は異なりますが、ここではおおよそどの職種にも当てはまる一人親方のメリット・デメリットについて項目ごとに解説していきます。

メリット

1.会社員より単価が高くなる

雇われている職人は、仕事を頑張っても頭打ちがあります。それに比べると一人親方は、実績を積み重ねて元請けからの信頼が高まれば高い単価で仕事を請け負えるようになります。

2.自分で受ける仕事を選ぶことができる

自分でどの仕事を請けるかを選べるのも一人親方のメリットです。会社員で働く場合では、自分で仕事を選ぶことなどはできません。一人親方は自分の裁量によって仕事を決めることができるので、仕事量や自分のやりたい仕事をコントロールすることができます。

3.自由な働き方ができる

一人親方の働き方は会社員のように決められている物ではありません。自分の理想の仕事量に抑えることもできるので、休日を増やすことも可能ですし、資格を取るための勉強の時間も自由に取ることも可能です。さらに、働く場所を選べるのもひとり親方の特権です。

仕事がある限り働く場所も住む場所も自分で好きに決定することができます。

4.単価の交渉ができる

一人親方は自分で単価の交渉ができます。自身の交渉次第では単価を大幅に上げることも可能になります。単価を上げるためには、相手を納得させられるほどに自分の価値を高めましょう。自分の価値が希少な人材であると感じてもらえれば、その分の高い単価の支払いを期待することができます。

また、そのためには交渉のテクニックを学習することも大切になります。ただ強くお願いするだけではなく、自分の長所をしっかりとアピールして自分がこの仕事を請ける上でどのようなメリットがあるかをきちんと伝えられるようにすることが大切になります。

5.上司がいないので気楽に働ける

上司から受けるストレスが無いのも一人親方の良い点です。上司との関係性が悪いと、ずっとストレスを感じることになってしまいます。またそれだけでなく、上司からの身体的な暴力やパワハラを受けたという事例も存在します。そのような心配もなく、伸び伸びとした気持ちで自分の能力を生かせるのは、一人親方の特権です。

6.定年退職という概念がない

一人親方として働いている以上、定年退職は存在しません。自分の働きたい意思や体力が続く限り70代になっても働くことができます。厚生労働省の調査によると、アンケートに回答した一人親方のうち60代は全体の31.7%、70代も全体の10.1%という結果でした。

「まだまだ働きたい」「もっと稼ぎたい」「働かないと生活にメリハリがない」などの様々な理由で長く仕事を続けることができるのは人生設計においても、生涯収入においても一人親方の大きなメリットになります。

7.いろいろな物を経費として計上することができる

仕事をする上でかかる支出を必要経費として計上できるのも、一人親方ならではのメリットです。課税対象額を減額するために経費申請をきちんと行うことが大切です。経費として計上できるものは様々であり、例として下記のようなものが挙げられます。

  • 運動費
  • 材料費
  • 消耗品費
  • 交際費
  • 旅費
  • 組合費
  • 光熱費/通信費
  • 家賃
  • 外注費
  • 租税公課

しかし、経費が過度に高価であるなどの過剰な経費計上は税務署からの取り調べを受ける可能性が高くなるので注意が必要です。

8.従業員を雇う必要がないので身軽になる

一人親方は基本的には従業員を雇いません。よって身軽に働くことが可能になります。具体的なメリットを二つの点にまとめて紹介します。

  1. 一人親方は事業を一人で行う為、固定費を低いコストに抑えることができます。固定費とは継続的に発生する費用の事であり、売り上げとは関係なく支払う必要があります。これが一人親方では従業員を雇わないため人件費もかかりません。従業員一人一人にかかる通信料などのコストも少ないため、経営する上では精神面でも財務面でも気軽になるはずです。
  2. 従業員の管理をする義務が一人親方にはありません。簡単に言うととにかく気軽であるという事です。従業員の管理は思いのほか負荷の重いもので、教育や指導をする際にはトラブルが起こることもあります。一人親方はそのような無駄な時間を省き、自身の作業に没頭することができるので作業効率も上がり、生み出せる利益も上昇します。

デメリット

1.収入が安定しにくく、仕事が無くなるリスクもある

一人親方の給料は毎月固定ではないので収入は安定しません。繁忙期にはたくさんの案件があるかもしれませんが、閑散期には案件自体が時間はあっても仕事が見つけられない状況になる可能性もあります。更に、仕事が減少し、受注が無ければ、当然仕事が無くなるリスクもあります。

この問題を回避するには、日ごろから貯蓄を心掛け、資産を十分に用意しておくなどして備えておくことが必要です。

2.病気やケガなど、健康を害することで負うリスクが高まる

一人親方には休業補償や有給休暇などの制度はありません。よって休んだ分は収入が減少することになり、ケガや病気によって長期休暇をとることになった場合、収入が完全に無くなってしまうリスクがあります。

一人親方は建設業になるので業務自体にも危険性が伴います。病気や怪我には十分に注意することが大切です。

3.確定申告を自分でする手間が増える

文字通り、一人親方は毎年自分で確定申告をしなくてはなりません。資料を作成するのに慣れていなければかなり面倒な作業ですが、確定申告専用のソフトなどを利用するなどして頑張りましょう。また、費用はかかりますがどうしても面倒な場合は税理士さんを雇って任せてしまうのも一つの手段です。

4.仕事の幅を広げる事が難しい

一人親方は基本的に一人で作業を行う為、限定された仕事しかできず仕事の幅を広げる事が難しい傾向があります。また、企業によっては個人事業主を雇わないところもある為、自分の理想とする仕事ができない事態が起こる場合もあります。

更には、一人親方が仕事を請け負う為には過去の実績が必要になります。よって経験のない新たな分野に仕事を広げたくても、受注されない場合もあります。

5.社会保険の制限がある

一人親方は個人事業主になります。よって雇用保険の対象ではなく、失業手当なども受け取れないので失業した際のリスクが会社員に比べて大きくなります。

また、健康保険や厚生年金にも入ることができません。国民健康保険は保険料が高く、国民年金は受給金額が低いため、それに関しても対策を立てることが重要になります。

6.融資を受けることが難しい

一人親方は融資が受けられないことに加えて、ローンが組めない、カードが作れない、などといった事態が起こる場合があります。これは経済的な安定が保障されているわけではないため、審査に通りにくくなっている傾向があります。

これは必ず通らない訳ではありませんが、収入が安定している会社員に比べると審査が厳しくなってしまうことは理解しておくことが必要です。

7.大企業と直接取引することができない

一人親方が大手企業と直接取引することは難しい傾向があります。ほとんどの場合、大手企業から仕事を請け負った企業が間に入るようになっています。よって大きな仕事が取りずらかったり、マージンが引かれて単価が低くなってしまう可能性もあります。

一人親方になると必要なコスト

一人親方になるためには、まずその準備として独立資金が必要になります。仕事に必要な重機や工具、その他にも事務所を借りる場合には初期費用がかかります。

さらに、一人親方として仕事をしていくために継続的に必要となる費用があります。以下の3つに分けて解説します。

顧客開拓費用

これは一人親方の営業費用のことことです。一人親方は、テレアポや飛び込み営業など様々な方法で積極的に営業活動を行っていく必要がありますが、そのための通信費・交通費など経費が発生します。また、案件獲得後も外注費用や、打ち合わせを行った場合の接待交際費などもかかります。独立直後は特に費用がかさみますので、当面の運転資金を用意しておくとよいでしょう。

金銭管理や顧客管理費用

一人親方の場合は、工具や建材の仕入れ、交通費など様々な部分で経費がかかります。確定申告では売り上げから経費を引いた金額を利益として所得を申告するため、経費をきちんと計上して利益を小さくすると節税にも繋がりますので、日頃からしっかりと金銭管理を行いましょう。

また、既存顧客の管理も必要です。継続的に案件をもらうためには、信頼関係が非常に重要になってきます。そのため、一度仕事を受注できた取引先とは良い関係を得るために、過去の工事内容や顧客情報を管理する必要があります。

各種保険の費用

一人親方には以下の保険の費用が必要になります。

社会保険

一人親方は、市区町村の国民健康保険や建設関係の国保組合へのどちらかに加入する必要があります。国保組合に加入するためには組合員になる必要がありますが、市町村の国保と比べて保険料が抑えられて給付内容が手厚いというメリットもありますので、よく検討して選びましょう。

また、国民年金にも加入する必要があります。日本では「20歳以上の人はすべて年金制度に加入する」ことを定めた国民皆年金制度を採用しているため、国民年金に加入することは義務となります。

労災保険

労災保険とは、会社に勤めている労働者が仕事中や通勤途中に事故にあった場合、その保証を国が負担してくれるもので、建築系の仕事をする上では特に重視されます。

一人親方は、労災保険に加入することは義務ではありませんが、建設という業務の性質上、労働者に準じて保護することが適当であると認められる場合があります。これが労災保険の特別加入制度で、一人親方の場合はこの特別加入によって労災保険に加入できます。

民間保険

社会保険ではカバー出来ない部分は民間保険で補えます。怪我や行記になった場合の入院中の食事代や差額ベッド代、保険適用外の治療費や手術代、高度先進医療費などが挙げられます。

民間保険は加入するのは義務ではありませんが、自分の身に何かがあった場合にしっかりとした補償を受けられるという安心感につながります。補償内容と保険費用を吟味して加入を検討すると良いでしょう。

顧問税理士費用

年間売り上げが1000万円を超えているのであれば、所得税に加え消費税も払う必要があるため、確定申告は税理士に依頼することをおすすめします。

消費税の確定申告を行う際には、専門的な知識が必要になります。税理士ではない人が安易に作業をしていると、申告漏れや間違いを起こす恐れがあります。売上金が1000万円を超えている場合は税務調査される可能性も高まってくるので税理士に依頼する事がお勧めです。

さらに、2023年10月1日には、インボイス制度が開始されます。インボイス制度とは「適格請求書等保存方式」のことで、適格請求書とは消費税の税率や税額を正しく区分して記載された請求書の事を言います。

このインボイス制度が始まることで起こる最も大きな変化は、インボイスの発行・保存がない要件の請求書において消費税の仕入額控除が受けられなくなることです。また、年間売り上げ1000万円以下の方々も消費税の納税対象になる場合が増加してきます。よって本気で職人として長期的に生計を立てようと考えている方は法人化するしか方法は無くなってきます。

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400000
勤務地
福岡県博多市
募集職種
集合住宅のアフターメンテナンス

\非公開求人/

大型物件の解体工事

人月単価
500000
勤務地
栃木県栃木市
募集職種
大型物件の解体施工管理

\非公開求人/

大手ハウスメーカー下請けの大工

人月単価
700000
勤務地
大阪府大阪市、愛知県名古屋市、沖縄県
募集職種
住宅の大工

一人親方が法人化するとさらに収入を増やせる!?

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一人親方が更に収入を増やす手段として法人化があります。法人化することによって、法人との繋がりが生まれ契約が取りやすくなります。また、公共事業の入札に参加出来たりするなど、仕事の規模や幅が広がっていき収入を上げることが可能になります。更には法人化することによって、案件に合わせて職人を集め、単価を上げていく方法も可能になります。

昨今の国内の動きでは、一人親方に対しての法律が厳格化しています。本気で職人として長期的に生計を立てるためには法人化を検討することも必要になってきます。現に法人化を検討していない一人親方が一人親方が益々存続するのが厳しくなっている世の中の現状もあります。一人親方から法人化することを前向きに考えることが職人を続けるために大切になります。

まとめ

一人親方は理想の働き方を実現でき、法人化も視野に入れるとさらに収入も上げることができるなど、魅力的な働き方の一つです。会社員として働くのも良いですが、自分の最大限の力を仕事で発揮させたい方はぜひ一人親方を目指してみてはいかがでしょうか。

しかし、魅力的な反面リスクも伴います。一人親方として成功するために、ここで述べた注意点などを参考にしながら理想のワークライフを作っていきましょう。

この記事の監修者
agent-yamanaka2
山中 健太キャリアコンサルタント
コンサルティング会社にて建設会社の成長戦略型提案業務を経験。「ビジネス会計検定1級」を保有しており、採用責任者や経営者など企業側の目線を最も理解したキャリアサポート、就職支援を得意とする。

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